【初級】#3 人物を切り抜いて華やかに加工しよう｜初心者のための「本当はむずかしくない」はじめてのPhotoshop

第3回は、バナーデザインの模写を通してPhotoshopを使った「人物の切り抜き」や「グラデーション」、「文字をパスに沿わせる」方法について学びます。

Photoshopの基本的な操作については、第1回の記事「【初級】バナーの模写でPhotoshopをマスター」をご覧ください。ファイルの作成から文字の入力、制作したデータの書き出しまで解説しています。

※第1回で解説している機能の解説は本記事では割愛しますので、はじめてPhotoshopを使う方は過去の記事をご覧ください。

今回の記事で模写するバナーデザイン

今回は「セミナー告知」のバナーデザインを模写します。次の画像を右クリックメニューから保存してください。

今回模写するバナーデザイン

使用している写真素材は、以下のAdobe Stock無料素材からダウンロードをお願いします。

• 女性写真のURL：https://stock.adobe.com/jp/480090237
• 男性写真のURL：https://stock.adobe.com/jp/319972399

新規ドキュメントの作成と模写用バナーの配置

Photoshopを起動したら、まずは［新規ドキュメント］を作成して、模写用のバナーデザインを配置しましょう。一連の手順は、第1回の記事「【初級】バナーの模写でPhotoshopをマスター」をご覧ください。

模写の準備が整った状態

また「バウンディングボックス」を表示すると、選択状態のレイヤーが囲まれるので、操作の判別が容易になります。

［移動ツール］を選択すると［バウンディングボックスを表示］の項目がオプションバーに表示されるので、チェックします。

テキストをアーチ状にカーブさせる

今回の模写用バナー画像にある「デザインの」という文字は円弧に沿っています。これは「シェイプのパスに沿ってテキストを入力する機能」を使います。なお、フォントは「筑紫A丸ゴシック」を使用しています。

まず、パスを沿わせるための円を作ります。［楕円形ツール］で幅300pxの正円を作り、「デザインの」というテキストの下へ配置しましょう。

正円のシェイプを配置した状態

続いて「円のシェイプ」を選択した状態で［横書き文字ツール］を選択します。テキストは中央揃えで配置されているので［中央揃え］を選択します。

円のシェイプの頂点にカーソルを合わせると、カーソルの表示が切り替わります。

カーソルの表示が変化した状態

この状態でクリックすると、シェイプの縁に沿って文字が入力できる形に切り替わるので、文字を入力します。

使用したシェイプは文字の入力後には不要なので削除します。

なお、模写用バナーの文字は背景（下絵）と判別しやすいカラー（黒など）に設定して作業を進め、仕上げの段階で白に変更するとよいでしょう。

パスに沿ったテキストを入力した状態

［縦書き文字ツール］を使って縦書きの文字を入力したり、［移動ツール］で位置を調整したりします。これらの方法は第1回の記事で紹介しています。

人物を切り抜いて配置する

まずは女性の画像を切り抜きます。画面上部の［選択範囲］メニューから［被写体を選択］をクリックします。すると女性の周囲に選択範囲が作成されます。

選択範囲を作成した状態

続いて［レイヤー］メニューから［レイヤーマスク］→［選択範囲外をマスク］をクリックします。

選択範囲で［レイヤーマスク］をかけて、人物を切り抜くことができました。

人物が切り抜かれた状態

切り抜いた画像は［ファイル］メニューから［保存］を選択して、フォーマットを［Photoshop］形式で保存します。

同じように男性の画像を切り抜きましょう。

模写用のPSDファイルに戻り、［ファイル］メニューの［リンクを配置］から、切り抜きを行ったPSDファイルを配置します。

背景（下絵）と比較しながら、［移動ツール］を使ってサイズや位置を少しずつ調整して配置します。

切り抜いたPSDファイルを配置した状態

人物画像は円の中に配置されているので［クリッピングマスク］という方法で、不要な箇所を隠します。

1. ［楕円形ツール］で幅150pxの正円を作ります。
2. 女性側の円は［#fa5ccf］男性側は［#2d79e0］で塗ります。
3. ［レイヤー］パネルで正円のレイヤーを、人物のレイヤーの背面に移動します。
4. 人物のレイヤーを右クリックして［クリッピングマスクを作成］を選びます。

これで、人物がクリッピングマスクの正円のシェイプで切り抜かれました。

クリッピングマスクで人物が切り抜かれた状態

レイヤーにクリッピングマスクを適用すると、矢印のアイコンが表示されます。

レイヤーにクリッピングマスクが適用された状態

グラデーションの使い方

模写用バナー画像の背景は、グラデーションで表現されています。まずは［長方形ツール］で幅150px、高さ300pxの2つの長方形を作り、並べます。片方のシェイプの色を変えると、シェイプ同士の境目がわかりやすいです。

背景に長方形を敷いた状態

グラデーションは画面右側の［プロパティ］パネルの［アピアランス］にある［塗り］から［グラデーション］を選択して指定します。

グラデーションは［カラーの分岐点］［グラデーションの角度］などで構成されており、今回は［カラーの分岐点］と［グラデーションの角度］を使います。

男性側の背景グラデーションは、以下の値を指定します。

1. カラー分岐点の左側：#2d79e0
2. カラー分岐点の右側：#40e066
3. グラデーションの角度：90度

女性側は以下の値です。

1. カラー分岐点の左側：#fa5ccf
2. カラー分岐点の右側：#ffad4d
3. グラデーションの角度：90度

グラデーションを指定した状態

最後に文字色を白に変更して、日時の背面に［長方形ツール］で四角形を配置すれば模写の完成です。

模写が完成した状態

ファイルの保存と画像の書き出し

お疲れ様でした！ これで今回のバナーデザインの模写は完了です！

最後に、ファイルの保存と、作成した画像の書き出しを行いましょう。書き出し方法は、第1回の記事「【初級】バナーの模写でPhotoshopをマスター」をご覧ください。

まとめ

今回はシェイプの縁に文字を沿わせる加工や、人物の切り抜き、グラデーションの使い方について解説しました。

• シェイプの縁を使って文字を沿わせる
• 人物の切り抜きや、円の中だけに表示するには「レイヤーマスク」と「クリッピングマスク」を使う
• グラデーションのカラー変更は分岐点でカラーを指定する

次回は、レイヤーマスクやクリッピングマスクを少し掘り下げて、さまざまな切り抜きを行う方法を解説する予定です。