Adobe Illustratorの未来がここに デザインにおけるカラーの扱いを一変する新機能が登場

Adobe IllustratorにジェネレーティブAI機能が搭載されたことを喜びとともにお伝えします。本日から、ジェネレーティブAIモデルであるAdobe Fireflyを搭載した「Generative Recolor(ベータ版)」の提供を開始します。今回のアップデートは、英語版のベータ版として提供されます(日本語版は後日搭載予定)。シンプルなテキストプロンプトだけでアートワークの配色を魔法のように変換してくれるこの新機能は、クリエイターの想像力を刺激し、クリエイティブの限界を押し広げます。

Generative Recolor (ベータ版)は、ブランドアイデンティティグラフィックス、デジタルドローイングやイラストレーション、マーケティング・広告のためのアセットなどを制作するデザインの現場を一変させるでしょう。しかし、私たちにとってこれは最初の一歩に過ぎません。今後もジェネレーティブAIを搭載した新機能を続々とAdobe Illustratorに追加し、クリエイターの創造的なビジョンの具現化をさらに加速していきます。

今回のAdobe Illustratorのアップデートには、 Generative Recolor (ベータ版)に加え、最も一般的なワークフローを大幅にスピードアップさせる新機能や既存機能の強化も多数含まれています。本ブログでは、それらについてご紹介します。

ブランドアイデンティティグラフィック

Generative Recolor(ベータ版)は、クリエイターがベクターの塗りカラーをすべて手作業で変更したり、カラーテーマのリサーチに時間をかけたりする手間を省いてくれるため、ワークフローがスピードアップします。また、異なる配色を生成することでインスピレーションを得たり、ムードボードの作成に役立てたり、関係者やクライアントに選択してもらうバリエーションの提示に使ったりすることもできます。

元のアートワーク(左)を素早く再配色しながら最適なカラーパレットを探索している(右)場面がこちらです。

Image created using Adobe Illustrator.
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簡単なテキストプロンプトを入力するだけで、ブランドアイデンティティグラフィックスの配色の候補を生成してくれるので、製品パッケージのバリエーション展開などのデザインに最適な機能です。

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デジタルドローイングとイラストレーション

Generative Recolor(ベータ版)を使えば、既存のカラーテーマを素早くカスタマイズし、思い通りのルック&フィールにより早く到達できます。例えば、下の風景画のようなベクターアートのテーマも、スタイルやイメージを言葉で伝えるだけで、より洗練されたものにすることができます。

Image created using Adobe Illustrator.
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マーケティングおよび広告のグラフィック

Generative Recolor(ベータ版)を使えば、既存の広告やポスターのアートワークから、特定のシーズンやホリデーに合わせた配色のバリエーションを素早く作成できます。テキストプロンプトに「Autumn(秋)」と指定し、さまざまなオプションを生成している場面がこちらです。

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Generative Recolor(ベータ版)の詳細については、ぜひAdobe Illustratorを最新バージョンにアップデートして、ご自身で確かめてみてください。また、firefly.adobe.comではAdobe Fireflyのすべての機能をお試しいただけます。

免責事項:Generative Recolor(ベータ版)は、Adobe Illustratorが含まれるCreative Cloudプラン(トライアル版を含む)のメンバーなら誰でも利用可能です。ただし、Generative Recolor(ベータ版)は現在、商用利用不可で、中国での利用も不可、英語のテキストプロンプトのみで動作します。

Adobe Illustratorの新機能

Generative Recolor(ベータ版)の他にも、さらに正確で効率的なデザインを支援する、革新的で時間を節約できる新しいツールも導入しています。

フォントの再編集(ベータ版)

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もし街中で気になるフォントを見つけた際には、写真を撮ってAdobe Illustratorに取り込んでみてください。「フォントの再編集」は、静的なテキストや編集不可能なテキスト(画像に含まれるフォントやアウトライン化されたベクターテキスト)からフォントを検出し、Adobe Fontsに収録されたものの中から最も近いフォントを選んで教えてくれます。もう、何千ものフォントの中から手探りでフォントを選ぶ必要はありません!

画像トレースの強化

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画像トレースの機能強化により、ラスター(ピクセル)画像からベクター画像への変換がさらに簡単になりました。自動検出モード、または、画像トレースプリセットを選択して、処理から除外するカラーを選択したり、カラーモードをカスタマイズすることが可能です。また、パネルの外観を一新し、対象の画像をもとに推奨プリセットを自動検出する機能も搭載しました。

レイヤーの検索とフィルターで作業スピードを向上

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レイヤー名、含まれるテキスト、シェイプ、オブジェクトに適用した効果やプロパティを条件にして検索しフィルタリングを行うことで、特定のグラフィックをすばやく見つけたり、複数のレイヤーをナビゲートできるようになりました。  レイヤーパネルを開き、検索機能を使うか、フィルターを選択からご利用いただけます。

PDFの機能強化

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今回のバージョンには、ユーザーからのご要望に基づく新機能も搭載しています。例えば、「直近のPDFプリセットを記憶」では、PDFを保存する際に、直近で使用したプリセットが記憶され、それが新しいデフォルトになります。また、PDFとして保存した際に、テキストや画像に追加したハイパーリンクが実際に機能するようになりました。

レビュー用に共有

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チームやクライアントに同じリンクを送るだけで、ドキュメントを最新の状態で共有し、フィードバックをすばやく得ることができるようになりました。リンクを受け取った相手は、アドビアカウントを持っていなくても、ドキュメントを開いてレビューすることが可能です。すべてのコメントは、フィードバックとしてドキュメントファイルに直接反映されます。また、必要に応じて、セキュリティのためパスワードを設定することもできます。

Generative Recolor (ベータ版)

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デザインにおけるカラーの扱い方が一変します。Adobe Illustratorの新機能Generative Recolor(ベータ版)は、アドビの強力なジェネレーティブAIテクノロジーを搭載しており、言葉で指定するだけで、ベクターアートワークのカラーを異なるパレット、テーマ、あるいはムードに変換してくれます。

既存のアートワークを選択し、「Neon lights(ネオンの光)」や「Salmon sushi(お寿司のサーモン)」など、適用したいカラーテーマのイメージをテキストプロンプト(現在英語のみに対応)として入力するだけで、グラフィック全体のカラーが数秒で再配色されます。これは、デザイン作業中にさまざまなカラーの組み合わせをクイックに試してみるのに最適なツールで、必要に応じて結果を調整し、より自分らしくすることも可能です。

Generative Recolor(ベータ版)を使えば、無限のカラーの組み合わせを素早く試したり、さまざまなカラーパレットを探求したり、アートワークで具現化したいイメージに合うカラーコンビネーションを作成したりできるため、思い描いたカラーをすばやく可視化して確認できます。再配色したカラーの変更もできるので、そこからグラフィックに思い通りの変更を加えたり、より良い仕上がりに調整することができます。

また、1つのアートワークから複数のカラーバリエーションを生成するためにこの機能を使い、SNS、印刷物、webなどあらゆる場所に展開することもできます。さらに、既存の作品から異なる季節感や特定のスタイルに合う派生バージョンを作ったり、関係者やクライアントに提示する幅広いカラーバリエーションを作るのに活用したりすることも可能です。

Generative Recolor(ベータ版)をはじめとするジェネレーティブAI機能は信頼できる副操縦士として機能し、クリエイターがアイデアをより速く、より効率的に探求できるよう支援します。ベータ版の出力の商業利用はできませんが、Adobe FireflyはAdobe Stockに収録された何億枚ものプロフェッショナルグレードのライセンス済み高解像度画像でトレーニングされており、他のクリエイターの作品やブランドの知的財産を元にしたコンテンツを生成しないので、自信を持って制作することができます。(ただし、ベータ版で生成したコンテンツを商用利用することはできません。)

Adobe Illustratorの未来はここに

是非Adobe Illustratorを最新バージョンにアップデートして、この記事でご紹介したGenerative Recolor(ベータ版)を含むすべての新機能を試して、ご自身のワークフローに取り入れてみてください。

今回のアップデートは、Adobe IllustratorのジェネレーティブAIの旅の始まりにすぎません。今後数か月の間に、ワークフローをさらに加速させ、創造意欲を刺激し、思い描いたイメージにすばやく到達できる、新しいAdobe Firefly搭載機能を続々と追加していく予定です。

クリエイティブのプロセスを加速させるジェネレーティブAIの機能の数々をぜひ使ってみてください!

この記事は2023年6月13日(米国時間)に公開された The future of Illustrator is here: Hue will never be the same の抄訳です。