基本知識とアドビツールで魅力アップ!「相手の心を動かす企画・提案・プレゼンのデザイン基礎セミナー」を開催

企画書の制作や動画制作のニーズは、企業に限らず高等教育機関でも求められています。大学の教職員が日常業務で提案書や企画書を作成することや、学生がプレゼンテーションのために資料スライドや動画を作成することは、珍しくありません。アドビでは2023年5月31日(水)、大学関係者を対象に「相手の心を動かす企画・提案・プレゼンのデザイン基礎セミナー」をオンラインで実施し、どうすればより伝わりやすく、印象に残る資料が作成できるのかを、アドビ製品の活用法と共に紹介しました。

Photoshopで写真加工のコツを伝授

講師は、デザイン事務所モノジャーナル グラフィクデザイナー、Adobe Community Expertの荒木大地氏です。荒木氏は大学教員としての経歴もあり、学生や研究者の状況もよく知っています。セミナー冒頭で、「とても良い情報や内容だとしても、デザインが良くなければ伝わりません」と問題提起し、デザイン次第で情報の伝わる質が変化することを伝えました。

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デザイン事務所モノジャーナル グラフィクデザイナー 荒木大地氏。

まずは、企画書や提案書に入れる写真をテーマにAdobe Photoshopで加工のコツを解説します。「文字以上に伝える力を持っている写真や画像をそのまま調整せずに使うのはもったいないと思います」と荒木氏は話し、例として自身の学生時代の学会発表時の写真を素材に、加工手順を実演しました。

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左が加工前で右が加工後。全体的に明るくなり、メリハリがつきすっきりした印象になった

加工前の写真に、Camera Rawフィルターで色補正とノイズ軽減をかけたり、不要なオブジェクトを削除したりすると、どんどん写真の印象が変わっていきます。並べてみるとその差がはっきりわかり、写真から伝わる印象が良くなったのは明らかです。

Illustratorでデザインの4原則を解説

続いて企画書のデザインです。見本として用意された企画書の改善前と改善後を比較しながら、デザインの基礎知識となる4原則を解説していきます。4原則というのは、整列、対比、近接、反復のことです。

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左が改善前で右が改善後のデザイン。伝えたいことがより明確に伝わる

荒木氏は、Illustratorの操作方法にも触れながら、改善後のデザインを作成するステップを解説しました。完成したデザインは、改善前のデザインよりもはるかに全体が整った印象になり、メリハリとリズムがつき、内容が読み取りやすくなったことがわかります。

「自分が伝えたい情報を相手にいかにストレスなく伝えるかというのがデザインの力です。4原則を活用することで、こちらが意図したように情報が伝わりやすくなり、相手も内容を理解しやすくなるので、お互いにとって良いことばかりです」と荒木氏は説明し、企画書や提案書をデザインするときのひとつの指針とすることを勧めました。

Premiere Proで動画編集の概要を紹介

最後はPremiere Proで動画編集の入門です。動画素材を読み込むところから始め、編集画面の基本的な使い方やトラックの構造などを中心に解説しました。フィルターをかけてぼかしたり、色味を調整したり、手軽に加工を加えられることも実演して見せていきます。

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動画の中に別の動画を小さく入れるピクチャーインピクチャーの手法を解説

荒木氏は、Premiere Proについて「使ったことがない方からすると、動画の編集はすごく難しいと思われがちなのですが、ワークスペースの意味さえ知ってしまえば、非常に簡単な作業でもありますので、ぜひ使ってみてほしいソフトです」とコメントしました。

荒木氏は、かつてアドビ製品に出会う以前は、スライド作成ソフトで発表ポスターや研究会の冊子の表紙などを作成していたそうです。スライド作成ソフトではできないことも多く、Illustratorを使うようになって大きな違いを感じ、デザインには道具が大切だと実感しています。「アドビのソフトはストレスなく細やかな作業ができて、自分が思うようなデザインが実現しやすいと感じています」と話し、十分な機能を備えたアドビのソフトを使うことを勧めました。

セミナー全体を通してすぐに使える技や基礎知識が紹介されたのに加え、最後にアドビからは、企業が採用においてクリエイティブツールスキルを重視するようになっているということを示す調査結果も示されました。参加者の皆さんのデザインに対するイメージが変わり、日頃の資料制作に生かすきっかけになったのではないでしょうか。

(文:狩野さやか)