学生主導のクリエイティブなイベントが専修大学で開催〜専大アドビLab

ゲームの画面 低い精度で自動的に生成された説明

アドビのツールを使いこなしてクリエイティブスキルを伸ばしたい!……そんな思いから専修大学で生まれた学生のグループ「専大アドビLab」によるイベントが2月21日(火)にオンラインで開催されました。アドビのシニアエクスペリエンスデザイナー井上リサとデジタルエクスペリエンス事業部総括本部パートナーセールス営業部パートナーセールスマネージャーの寺尾健登が講師となり、Adobe Lightroomを使った写真加工に参加者が挑戦しました。

手軽で直感的にクオリティの高い写真加工ができるLightroom

セミナーは「専大アドビLab」のメンバーが慣れた様子で進行。はじめに講師のアドビ井上がCreative Cloudの概要や写真の力がビジネスを変えた事例などを紹介し、続いて寺尾がAdobe Lightroomのモバイル版アプリを使った写真加工について解説しました。

ノートパソコンの前に立っている女性 低い精度で自動的に生成された説明

アドビ寺尾健登(左)と井上リサ(右)

デスクの上のパソコンと女性 自動的に生成された説明

専大アドビLabのメンバー。(上段左、左から)3年関根萌さん、3年山本美也さん、(上段右)3年田山凱さん、(下段右)4年岡田有莉夏さん。田山さんは寺尾と共にメインで進行を務めた

Lightroomのモバイル版は無料の写真編集ツールで、直感的な操作で高クオリティの調整をすることができます。寺尾は数ある機能のうち、プリセットを使った調整、修復ツールを使った不要物の削除、ノイズの軽減方法、クラウド連携機能を取り上げ、実演を交えて紹介していきました。

プリセットによる色味の調整は、一瞬で印象を変えられてとても手軽です。基本のプリセットも豊富ですが、有料版にアップグレードすると、より多彩なプリセットを使うことができる上、Adobe Senseiと呼ばれるAIで写真を解析しておすすめのプリセットが示されます。

テレビ画面のスクリーンショット 自動的に生成された説明

寺尾が撮影した写真を配布して、ハンズオンでプリセットなどの機能を紹介した

寺尾は、プリセットに加えて色味や明るさの細かな調整項目を紹介しながら、人によって良いと思う写真の感覚は違うので、各設定項目のスライダーを動かしてみて自分がいいと感じる価値観を信じるようアドバイスしました。「写真編集で一番重要なのは直感力だと思っているんですよね」という言葉に、参加者の心の敷居が下がります。

寺尾のアドビとの出会いは大学生のとき。写真をやろうとカメラを購入したものの、最初は思うようには撮れなかったといいます。クオリティを追求する過程でアドビを知り、写真の加工や動画編集をするようになり、評価されたり頼られたりすることが増えて経験を広げてきました。それまではクリエイティブなこととは無縁だと思っていたものの、自身のクリエイティビティに気づき、「アドビの製品に出会って人生が変わりました」と振り返ります。アドビ製品で身につけられるクリエイティブな力の素晴らしさを多くの人に伝えたいという思いが、アドビへの入社にもつながりました。

自分の撮影した写真を自由に編集してシェア!

ハンズオンの後は、参加者がそれぞれ自分の撮影した写真を自分好みに編集する時間を設け、その後、初対面の参加者同士がブレイクアウトルームに分かれて作品を見せ合い交流しました。

グラフィカル ユーザー インターフェイス, Web サイト 自動的に生成された説明

参加者が編集してシェアした写真

専大アドビLabは、このようにブレイクアウトルームでの交流を重視しているのが特徴です。経営学部ビジネスデザイン学科3年の山本美也さんは、「実際に作品を見せ合って話し合うことで、他の人の作品に刺激をもらい、自分の作品のリアルな反応を聞くことができます。影響しあうことが次のクリエイティブな活動につながると考えています」とその意図を話してくれました。

メンバーはそれぞれ学業や個人の活動でアドビのツールを使用していて、Photoshopでの写真加工、Premiere ProAfter Effectsでの動画編集、XDでの資料やプロトタイプ作成、Expressでの画像制作など活用は多岐にわたります。イベントの告知用グラフィックやオープニング動画などもメンバーで適宜制作しているそうです。経営学部経営学科4年の岡田有莉夏さんは今回Lightroomを取り上げたことについて、「昨年のAdobe Maxで、Lightroomで出来ることが増えたのを知って、大学生に需要があるのではないかと感じていました」と機能が充実したことを挙げました。

※Adobe Max:アドビのグローバルカンファレンス

学生の自主性を中心に教員と職員が協働する新しいスタイル

専大アドビLabは、専修大学経営学部 特任教授 見山謙一郎先生の研究室の学生有志が立ち上げた活動で、2022年度にスタートして今回4回目のイベントをやり遂げました。アドビの「Creativity for All すべての人に『つくる力』を」という考えに共感し、学生間でクリエイティブな力を広げることを目的としてイベントを実施しています。スタート当初は専修大学と石巻専修大学を対象としていましたが、今回から他大学の学生も参加できるようにしました。

ポーズをとる男女のグループ 自動的に生成された説明

専大アドビLabのメンバーとアドビ井上、寺尾

第1回から活動を見守ってきた見山先生は「身近なテーマを選んできて一緒に手を動かしながらやるというのがとてもいいですよね。学生主導で企画も運営も任せて、私自身も学ぶ機会になっています」と評価します。見山先生自身も授業でアドビのツールを活用してきました。「アドビのソフトが介在したことで、今までクリエイティビティに触れる機会がなかった人にも表現する機会を与えられました。クリエイティビティはそもそも全員が持っているものだと思うので、ツールを知ることで、自分の内面にある考えを表現する方法を身につける機会にしてほしいと考えています」とその効果を振り返ります。

同じく職員としてサポートしてきた専修大学理事長室 次長 吉川徹氏は、学生の持つ力を大学が信じて支援することが大切だと考え、広報などでバックアップしてきました。「コロナ禍で手に入れたオンラインという武器をうまく使って、時間や距離を越えた活動をしていると思います。これまで石巻専修大学からは先生も参加してくれていて、ゼミのホームページを作るのにとても助かったという声も届いています」。また、近年大学運営において「教職学」(教員、職員、学生)の協働が重視されていることをふまえ、「学生は素晴らしい力を持っていて、専修大学で『教職学』に取り組んでいくことができそうだと確信しました」と今後に期待を寄せました。

学生の皆さんがクリエイティブスキルを身につけるために活動している姿は、かけがえのない経験であり、それぞれの大きな自信につながっていると感じさせられるイベントでした。今後の活動も楽しみです。

(文:狩野さやか)