Microsoft Teams向けリアルタイム電子署名ソリューション Live Signの提供
2023年10月に、AdobeはAcrobat Sign for Microsoft Teamsの追加機能であるLive Signの提供を開始いたしました。
このLive Signの機能を利用すると、Teamsを利用したWeb会議において、対面での署名に近いエクスペリエンスで、ドキュメントに対する署名や合意を行うことが可能となり、今まで紙で行う必要のあった様々な文書業務におけるデジタル化を推進することが可能となります。
Live Signのメリット
Live Signは、Adobeの電子サインとMicrosoft Teamsの連携のための Acrobat Signの新機能です。Live Signは、Microsoft Teams会議中に署名依頼者がリアルタイムに署名を確認しながら、適切な署名者が文書への署名をより迅速に行う機能を提供いたします。
Live Signを使用することにより、スケジュールされた Microsoft Teams会議の参加者は、アプリケーションを切り替えたり、電子メールを検索したりすることなく、会議中に契約書へのリンクを Teamsチャットウィンドウ内で安全に共有できるリアルタイムの対話を行うことができます。会議の参加者は、ドキュメントを確認して質問や議論を行い、詳細を明確にすることができ、会議中に 1 人または複数のユーザーが対象のドキュメントに安全に署名することができます。Live Signでは、会議を進める前に必要になる可能性のある NDAや確認応答などのテンプレートから、会議にライブで参加する 1 人の署名者に対して新しい契約書を作成することもできます。
これにより、Microsoft Teams会議内からシンプルで安全、かつシームレスな電子署名を提供します。
- パーソナライズされ、完全にガイドされ、インタラクティブな顧客体験の向上 - 署名を遅らせる可能性のある複雑な契約に関する質問に対処するために、ライブの会話を促進します。また、Live Sign は、会議中にコンテキストの切り替えやメール内のリンクの検索を回避し、署名プロセスを署名者に案内する機会を提供します。
- 質問や不明瞭な詳細をリアルタイムで解決できるため、署名が迅速化されます。さらに、対面での会議への出張や夜間の書類作成が不要になり、署名プロセスも迅速化されます。
- Live Sign は、Acrobat Sign の堅牢なコンプライアンスおよびセキュリティ機能をすべてサポートするので、安全性とコンプライアンスを確保します。
- アプリの切り替えを排除し、契約に対して実行されたアクションに関するリアルタイムの通知を送信者に提供するシームレスな統合により、Microsoft TeamsのROIを向上させます。
Live Sign必要環境
Live Signの利用には、以下のAdobe 製品のライセンス及びTeamsのライセンスが必要です。(TeamsアプリAcrobat Sign for TeamsをTeams内にインストールします)
署名者は、Teamsのアカウントやソフトウェアのダウンロードの必要はありません。
Adobe製品ライセンス
以下のAcrobat SignおよびAcrobat ProのライセンスによりLive Signを利用可能です。
- Acrobat Sign Solutions:エンタープライズ版
- Acrobat Sign Solutions:ビジネス版
- Acrobat Sign Solutions:30日無料体験版
- Acrobat Pro
Live Signの利用方法
Live Signでは、次の 2つの方法のいずれかを使用して、Teams会議内にてリアルタイムでの署名を行うことができます。
- 事前に作成して受信者へ送信した書面への署名
事前にAcrobat SignのWebコンソールやAcrobat Proからの署名依頼の送信や、システム連携による別システムから署名依頼を送信しておき、Teams会議にて署名を行う方法 - 会議中にLive Signの機能により会議参加者へ契約書を送信し、その会議内での署名
※ 登録されたテンプレートのみの送信となり、署名者も単一の署名者のみとなります。
詳しい操作方法は、以下のWebページを参照ください。 https://helpx.adobe.com/jp/sign/integrations/microsoft-teams-live-sign.html
(注意事項)
Live Signの機能においてMicrosoft Teams に認証された参加者の電子メール アドレスは自動認識されます。ただし、署名者がゲストとしてミーティングに参加している場合は、ドロップダウンから正しいミーティング参加者を選択する必要があります。選択した参加者が契約書の署名者の電子メールと一致することを確認してください。
署名者の本人性確認
通常Acrobat Signの署名者の認証は、電子メールアドレスを基本とし、それにパスワードや電話によるワンタイムパスワードなどの2要素認証を利用して認証を行いLive Signでも、契約書から署名者の電子メールを自動的に抽出し、会議参加者が Microsoft Teamsアカウントへの認証に使用する電子メールと照合するため、メールアドレスが一致した参加者のみが チャット内の署名フォームへのリンクをクリックできます。
ただし、署名者の中には、ゲストとして匿名で会議に参加する人もいます。この場合、送信者は、業務や文書に適した本人確認を行い、TeamsやAcrobat Signの機能だけでなく、運用的な対応も含めて、署名者を識別しなければければなりません。
例:
- Acrobat Signによる2要素認証(電話認証、パスワード認証、Acrobat Sign認証など)
- Teams会議内での本人確認文書の提示
- 送信者によるTeams会議内でのビデオでの本人確認
- 電子証明書を使用した署名
その他、署名の証拠性を高めるためには、Teams会議の録画なども有効な手段となります。
Live Sign を使用して実行された契約書は、監査証跡で対面署名と同様に、署名プロセスが監査証跡に反映されます。
注: 署名者は、契約書への署名や匿名ゲストとして会議への参加に使用するのと同じ電子メールを使用して Teams に認証することが重要です。Live Sign では、電子メールの不一致は許可されません。
Live Sign利用における検討事項
Live Signの適用業務
- 対面で紙への署名を行っていた業務のデジタル化
- Teamsを使った対面の署名業務
本人確認が重要な業務における対応
Live Signでは、Teamsにゲストユーザーとして参加したメンバーについて、依頼者の本人確認の方法の指定をすることにより、Acrobat Signにおけるメールアドレスの認証をパスすることが可能です。
そのため、本人性をより重要視する契約等の場合は、以下のような対策を行うことをお勧めいたします。
- 依頼者によるビデオ会議内での本人性の確認:
ビデオによる顔の確認、身分証の提示等 - Teams会議におけるビデオ録画
- Acrobat Signの2要素認証:
パスワード認証、Acrobat Sign認証、電話認証等
(注意)
Live Signの機能を使用した会議内での署名依頼の送信においては、2要素認証の設定は行えません。
2要素認証により本人性をより高める必要がある場合は、Acrobat SignのWebコンソールや、Acrobat Sign for Teams、業務システム連携による署名依頼の送信による2要素認証の活用をお勧めいたします。
Live Sign user guide
https://helpx.adobe.com/sign/integrations/microsoft-teams-live-sign.html
Adobe Acrobat Sign for Microsoft Teams and Microsoft 365
https://appsource.microsoft.com/en-us/product/web-apps/WA104381233?tab=Overview