漫画で大活躍! アドビオリジナルのアンチック体「貂明朝アンチック」が遂に登場!
漫画のセリフに使える、アドビオリジナルのアンチック体「貂明朝アンチック」がついに登場しました。漫画の世界観を読者に的確に伝え、文字の表現力を高めることを目的として、漫画のセリフに特化してデザインした書体です。
仮名が明朝体、漢字がゴシック体のアンチック体
(漫画:北村みなみ「ワーズアタック!」より抜粋)
漫画は子供から大人まで多くの人々が慣れ親しみ、近年はSNSにも多くの作品が投稿され目にしない日が無いのではないでしょうか?「アンチック体」とは、古くから漫画の吹き出しに使われていた書体で、アンチック体の最大の特徴は仮名が明朝体で、漢字がゴシック体の組み合わせになっています。
貂明朝アンチックは、仮名のコントラスト(水平・垂直方向の線の太さの差)を抑えた本格的なアンチック体として、漫画制作の現場での利用を想定してデザインされた書体です。貂明朝テキストの古典的でゆったりとした特徴を受け継いだ仮名に、シンプルさと優しい雰囲気とをあわせもつ源ノ角ゴシックの漢字を組み合わせました。
貂明朝テキストをベースに開発し、骨格はほぼ同じですがよりコントラスを抑え、ゴシックの漢字に合うように調整されています。貂明朝テキストはもともとコントラストが抑えられたデザインなので、源ノ明朝の仮名とも比較してみると、かなり違いがあることがわかります。
漫画に使える濁点・半濁点付き仮名や豊富な記号類を搭載
種類の豊富な嘆符・疑問符類
左から罫線、EMダッシュ、波線、伸ばせる音引き、省略記号(3点リーダー)
貂明朝アンチックには漫画のセリフに特化した、濁点・半濁点付き仮名、ルビ用などの文字や記号類、嘆符・疑問符類などが多く搭載されています。
漫画の吹き出しでは、通常の音引き「ー」の他に様々な音を伸ばす記号が使われます。貂明朝アンチックは、省略記号(3点リーダー)、伸ばせる音引き、波線、EMダッシュ、罫線など、シーンに合わせて最適な音引きを選んで使うことができます。
嘆符・疑問符類も豊富に揃えており、こちらもキーボード入力で全角で入力することによりその合字を呼び出すことができます。
濁点半濁点付き仮名は、字形パレット以外にもキーボード入力で簡単に呼び出すことができます。波線と伸ばせる音引きは「前後関係に依存する字形」をオンにすることによって、続けて入力すると自動的に先頭と末尾の形が変わるようになっています。
また、貂明朝アンチックには、標準的な文字コレクションに含まれないマンガのセリフなどに用いられる文字・記号・符号類用の特殊なグリフ(字体)も含まれ、OpenType 機能を通して利用することができます。これらの機能の一部は、Illustrator、InDesign、Photoshop などのOpenType 機能に対応したアプリケーションでのみ利用できる場合があります。
貂明朝アンチックが対応するOpenType 機能についての詳細は以下より資料がダウンロードいただけますのでご参照ください。
https://assets.adobe.com/public/e74f599f-50fd-4da9-55ab-7b49f67ba41d
様々なシーンで活用できる6ウエイトのバリエーション
貂明朝アンチックのウエイトは6種類あり、どのようなシーンでも使いやすく、吹き出しの表現の幅も広がります。通常の吹き出しのイメージはMedium、細めはRegularがおすすめです。
貂明朝アンチックの6ウエイト
・貂明朝アンチック ExtraLight
・貂明朝アンチック Light
・貂明朝アンチック Regular
・貂明朝アンチック Medium
・貂明朝アンチック Bold
・貂明朝アンチック Heavy
組版次第で豊かな吹き出しの表現が可能に
貂明朝アンチックを使った吹き出しの組版例
漫画の吹き出しの中の組版は、通常の書籍のような組版と違いとてもエリアが狭いです。そのため、位置や躍動感などで様々に変化しますが、通常のセリフは余白と行間を整えると比較的まとまりやすくなります。こちら画像は一例ですが参考にしてみてください。
また、貂明朝アンチックでは懐かしいデザインの“Full Moon With Face”(U+1F31D)を採用しています。どのように使うかはみなさん次第です。是非こちらも活用ください。
懐かしの“Full Moon With Face”(U+1F31D)を採用
新たな「Adobe-Manga1-0」仕様で漫画業界をサポート
「貂明朝アンチック」のフォントに含まれるこれらの文字と字体は、新しく定めた「Adobe-Manga1-0」文字コレクション仕様に準拠しています。同仕様(及びそのサブセット)が業界標準として活用されることで、さまざまな漫画用フォント間の互換性と相互運用性が向上することが期待されます。
これから我々アドビは、各フォントメーカー、ツールメーカー、ユーザのみなさんと共に、漫画業界のサポートに注力していきます。
是非みなさまからのフィードバックや感想などをお寄せください。
Adobe-Manga1-0
https://github.com/adobe-type-tools/Adobe-Manga1
cmap-resources
https://github.com/adobe-type-tools/cmap-resources/releases
貂明朝アンチックは、Adobe Fontsから誰でも利用可能
貂明朝アンチックは、Adobe IDさえあればAdobe Fontsからどなたでもご利用いただけます。フリーメンバーシップの方もお使いいただけますので、是非ご活用ください。
・貂明朝アンチックが入った漫画に使えるフォントパックはこちら
https://fonts.adobe.com/collections/manga
また、Adobe Fontsは貂明朝アンチックの登場と同時に、日本語ラインナップが大幅拡充しました。是非こちらと合わせてご活用ください。
・2023年11月、Adobe Fontsのラインナップが大幅拡充しました
https://blog.adobe.com/jp/publish/2023/11/16/cc-design-adobefonts-2311
Adobe Fontsで利用できる日本語フォントは650を超える充実のラインナップとなっています。
追加されたフォントを含め、Adobe Fontsの25,000を越える全てのフォントの見本はwebでご覧いただけますが、日本語フォントのラインナップをpdfで一覧できる見本帳「Adobe Fonts 日本語書体一覧」も以下からDLいただけますので、是非こちらもご活用ください。
Adobe FontsはAdobe Creative Cloudの有償メンバーなら追加料金もなく全てのフォントをお使いいただけます。
さらに、Adobe FontsはAdobe製品だけでなく、WordやExcelなどのビジネスアプリや、iPad、iPhoneなどのiOS端末でも利用する事ができますので、多くの方に便利に使っていただけます。
ますます充実したAdobe Fontsを、是非みなさまのデザインワークに活用ください。