11月10日「design surf seminar 2023」でデザインセミナー実施。Adobe MAX最新情報を紹介しました。
11月10日(金)、株式会社Too主催 “design surf seminar 2023”にて、「Adobe MAX最新情報と人工知能が目指す道」と題して、アメリカAdobe MAX で紹介されたAdobe Fireflyの新機能を中心としたデザインセミナーを実施したのでご紹介します。
「design surf seminar」ではお馴染みの株式会社Tooの前田勝規氏
「○・×」の札を使った参加者とのコミュニケーションが盛り上がる
毎年恒例となっている本セッション、今年もわたし岩本と株式会社Too(以下、Too)のDTP・WebデザインスクールDesi(デジ)講師の前田勝規氏とともにお届けしました。
本イベントのリアル開催は4年ぶりです。イベント告知間もなく本セッションは満席となり、当日は印刷会社やデザイン会社、メーカー各社、個人デザイナーなど、様々な業界から約130名の方にご参加いただくなど、Adobe MAXの最新情報に高い関心を持っていただいていることが窺えました。残念ながら当日ご参加いただけなかった方や本セミナーにご興味がある方は、Too様よりアーカイブ動画が配信されていますので、本ブログと共に是非ご覧ください。
セミナーのアーカイブはこちらから
https://www.too.com/fun/webinar/adobe/dsurf2023_adobemax.html
Illustratorの革新的な新機能「テキストからベクター生成(ベータ版)」
Adobe MAX 2023で紹介されたAdobe Illustratorの最新機能紹介
「テキストからベクター生成(ベータ版)」は、被写体、シーン、アイコン、パターンに特化した高品質なベクターを生成
最新のIllustratorに、Adobe Fireflyの技術を搭載した「テキストからベクター生成(ベータ版)」という革新的な機能が追加されました。すでに多くの方にこの機能を試していただき、ソーシャルを始め様々な作品が公開されるなど話題となっている機能の一つです。拡大縮小が自在なプロ品質のベクターアートを、シンプルなテキストプロンプトの入力だけで作成でき、被写体、アイコン、シーン、パターンまでの幅広い用途に使う事が出来ます。
本セミナーではデモを交えてこの機能を紹介しました。“シンプルな可愛いドラゴン”というプロンプトを使ってベクターアートを生成しましたが、この機能にはさらに便利なツールがあります。 「スタイルピッカー」ツールを使うと、イラストを様々なスタイルに進化させることが可能です。シンプルなドラゴンのイラストが、筆で描いたような“墨画”に再生成され変化すると、会場からは驚きの声が上がり、前田氏からも「このスタイルピッカーはすごい!」というコメントをいただきました。ベクターグラフィックに生成AIで追加や編集を行っていくことで、イラストを自由自在に、クオリティ高く進化させることが可能であることを、ご覧いただけたかと思います。
会場を沸かせた「モックアップ(ベータ版)」と「Retype(ベータ版)」
「Retype」機能でアウトラインがテキストデータに変わる様子に、会場内から驚きの声が上がる
セミナーの内容を熱心にメモをとる多くの参加者の姿が見られた
Illustratorの新機能はまだまだあります。グラフィックを実際の立体物に配置したモックアップを簡単に作成し、Illustrator内でプレビューすることができる「モックアップ(ベータ版)」と、静的なテキストやアウトラインのオブジェクトに含まれるフォントを識別し、テキストデータに変換する「Retype (ベータ版)」を紹介しました。アウトラインデータがテキストデータに簡単に変換されるデモでは、会場内から「おお‥!」という驚きと歓声が上がり、Retype機能の利便性を強く感じていただけたのではないでしょうか。この機能は現在英語でのみ使う事が可能です。「このRetypeと同じ様な機能で、Photoshopにも“マッチフォント”という機能があるが、始めは英語でしか使えなかったが今は日本語も使える。是非Illustratorにも。」と、前田氏からも今後のアップデートに期待が寄せられました。
「生成再配色」を使うとあっという間にラベルのカラーバリエーションが生成される
既にIllustratorに搭載されているAI機能「生成再配色」の紹介では、デモにてワインラベルのカラーバリエーションが一瞬で4パターン生成されると、壇上の前田氏と会場からは「おー!」という声が上がりました。日々のお仕事の中では、複数のカラーバリエーションを相手から求められることも多くあるかと思います。また、カラーのアイデアに行き詰まった際などにも、この機能を活用ただけるかと思います。
今回のアップデートによるIllustratorの新機能は非常に魅力的で、みなさんの日々のクリエイティブのワークフローを大きく効率化し、クオリティの向上を実現するものばかりです。これら新機能をご自身のデザインワークのサポーターとして、是非ご活用ください。
・グラフィックデザインに革命を起こすAdobe Illustratorの最新バージョン
https://blog.adobe.com/jp/publish/2023/10/11/cc-design-revolutionizing-graphic-design-try-out-the-latest-innovative-adobe-illustrator-features
世界で注目を集めるPhotoshopのFirefly機能
「生成塗りつぶし」で被写体だけでなく人間の手も自然な形で生成される
セミナー後半では、Photoshopの最新機能をご紹介しました。Photoshopには既にFireflyが搭載された「生成塗りつぶし」と「生成拡張」の機能があります。「生成塗りつぶし」を使ったデモでは、被写体だけでなく、人間の手も自然な形で生成されるという精度の高さを紹介し、前田氏からは思わず「こわい!笑」という声が漏れ、会場の笑いを誘いました。また、「例えば背景に砂利を敷き詰めるような画像を作るシーンで、今まで行っていた画像生成のフローを考えたら、この機能を使うとだいぶ楽になりますね。」と前田氏自身の実感を紹介いただきました。
この2つの生成AIの機能は、米国TIMES誌が主催する「The 200 Best Inventions of 2023」(2023 年ベスト発明)に選ばれるなど、世界で注目が集まっています。今後のさらなる進化にご期待ください。
・THE BEST INVENTIONS OF 2023
https://time.com/collection/best-inventions-2023/6326984/adobe-photoshop-generative-expand-and-generative-fill/
アドビが提供する様々なクリエイティブツールを紹介
画像⽣成AIが次のレベルへと⼤幅進化した「Firefly Image 2」
前田氏からは、本セミナー参加者から募集したプロンプトを使ってPhotoshopの「生成塗りつぶし」で生成した画像を紹介し、セミナー会場を盛り上げました。また、Fireflyで生成することの出来ないコンテンツ・キーワードもあるという、重要なポイントを紹介いただきました。アドビでは、説明責任、社会的責任、透明性というアドビのAI倫理原則に沿って生成AIを開発および導入していますので、すべてのFirefly機能を安心して利用いただくことができます。
また、Fireflyの最新情報として、画像⽣成AIが次のレベルへと⼤幅進化した「Firefly Image 2」をわたし岩本から紹介しました。このバージョンアップにより、写真的表現の品質が大きく向上するだけでなく、カメラレンズの絞りやシャッタースピードなど、パラメーター設定をした画像生成も行えるなど、様々な生成と編集が可能となります。
その他にも、誰でも簡単に魅力的なコンテンツを作成できるAdobe Expressや、先日正式リリースとなったPhotoshop web版をデモを交えて紹介するなど、1時間のセミナーは大変内容の濃いものとなりました。
・Fireflyはこちらから
https://www.adobe.com/jp/sensei/generative-ai/firefly.html
・Adobe Expressはこちらから
https://www.adobe.com/jp/express/
「design surf seminar 2023」展示コーナーも盛況。アドビブースにも多くの来場者が訪問した
Fireflyの技術でクリエイティブはより革新的に進化
セミナーに協力いただいた株式会社Tooの前田氏と、クリエイティブカレッジの人気講師・るい先生。アドビの担当者達
本イベントは、「デザインの向こう側にあるものを探る」をテーマにして毎年開催されています。
本セッションを通じて、デザインの未来、そしてご自身のクリエイティブにおける大きな可能性を感じていただけたのでは無いでしょうか。
いま世界中の様々な分野でAIの技術が注目されています。そんな中、デザインとAI技術の関係は協力的なものであると同時に、それを使うデザイナーのみなさんの専門性と創造性が不可欠です。AIの技術を適切に活用することで、デザインの領域がより革新的で効果的なものに進化する可能性は大いにあるでしょう。
また、我々アドビはFireflyだけでなく、クリエイティブワークを促進するための様々な新機能の開発を日々進めています。是非ご期待ください。