Adobe Substance 3D 製品 2024 年 3 月のアップデート情報
Stager の「背景を生成」機能で生成されたシーン背景
今月は、Adobe Firefly を活用した生成 AI ツールが、Substance 3D Sampler と Substance 3D Stager に導入されて、ベータ版として公開されました。また、Substance 3D Modeler には、新しいツールや使い勝手の改善に加えて、パブリックベータ版の公開が開始され、Substance 3D collection にとって素晴らしい月となりました。
Substance 3D アプリケーションは、ゲームや VFX から、物理的なプロダクトデザインのビジュアライゼーションまで、様々なワークフローにおけるマテリアル作成とテクスチャリングの頼れる業界標準アプリとの評価を得ています。アドビは、Firefly の力を Sampler と Stager に取り入れて、高品質な PBR マテリアルの作成や、3D 製品モデルを演出するフォトリアルな背景の探求を、これまで以上に素早くかつ反復的に行えるようにしました。
新しい生成 AI 機能はベータ版として提供されています。Substance 3D の契約者であれば、誰もが利用できます。それでは、これらの Substance 3D の革新的な新機能を詳しく見ていきましょう。
Substance 3D Sampler の「テキストからテクスチャ生成」機能
Substance 3D Sampler 4.4(ベータ版)には、Firefly を活用した新しい「テキストからテクスチャ生成」機能が導入されました。これは、3D プロフェッショナル向け生成 AI の利用における、大きな前進です。アーティストやデザイナーが、テキストプロンプトをフォトリアルなテクスチャに変換することができるため、既存のワークフローを置き換えることなく、素早くクリエイティブな探求を行う新たな機会が提供されます。
例えば、物理的な写真、スキャンした素材、リファレンスを使用しなくても、ユニークなテクスチャを生成して調整することができます。欲しいものをプロンプトに記述するだけで、いくつかの選択可能な画像が生成されます。生成されたテクスチャ画像は、Sampler の「画像からマテリアル」を使用して、パラメーターで調整できるタイル化可能なマテリアルに変換できるため、使い慣れた Sampler のワークフローを使用して作業を続けられます。独自の PBR マテリアルを探求し作成するには、最速の方法です。
「テキストからテクスチャ生成」の詳細は下の動画をご覧ください。
Substance 3D Stager の「背景を生成」機能
Substance 3D Stager 3.0(ベータ版)には、Firefly を活用した「背景を生成」機能が導入され、テキストからシーンの背景を作成できるようになりました。これにより、様々なコンテキストにおけるアイデアを練るだけでなく、生成された背景の照明や遠近感を試す機会が数多く得られます。
新しい Stager では、Stager を離れたりストック画像を探したりすることなく、生成された背景を使って 3D オブジェクトとシーンを簡単に合成できます。ひとたび背景画像を選択したら、シーンと背景が一体化するように照明や奥行きを合わせたりカスタマイズしたりして、見栄えの良い仕上がりを追求できます。これにより、製品コンセプトの探求や、デザインのレビューと承認を、効率的かつ反復的に行えます。
「背景を生成」の詳細は下の動画をご覧ください。
Substance 3D Modeler でのスカルプティング、カメラ、アップレゾ
未来の 3D モデリングを探求したい方のために、Substance 3D Modeler のベータ版を公開しました。Adobe ID があれば、どなたも追加料金なしで利用できます。このベータ版を通じて、計画中の新機能や修正を迅速にテストし開発したいと考えています。ユーザーにとっては、Modeler のクリエイティブなワークフローをテストし、フィードバックを提供し、開発プロセスに貢献できる機会です。ただし、実際の制作作業に使用する場合は、Substance 3D Collection の一部として提供されている Modeler をご利用ください。
Substance 3D Modeler に関して振り返ると、1 月から毎月新しい Modeler が公開され、機能も次々に追加されています。Modeler の開発は、コミュニティからの興味とフィードバックを重視して続けられています。
ここでは、最新版の Modeler 1.8 の主な機能を紹介します。
スカルプティングツールの強化
Modeler のスカルプティングツールには、モデル作成時の全体的な体験をより良いものにするために、数多くの最適化が行われました。
改善された折り目ツールと平坦化ツールは、インタラクティブな体験を向上させます。3D モデルのディテールをスカルプティングする際には、従来よりもスムーズで反応良く感じられるでしょう。また、ディテール処理全般のクリーンさと正確さが増しており、より高品質な結果が得られます。
重ね描き効果ツールは、高度なカスタマイズが可能になりました。アーティストが独自のアルファをインポートして重ね描き効果ツールのプロファイルをカスタマイズしたり、ツールが提供する様々なアルファから選択したりできます。
新しいカメラ機能
複数カメラの追加により、デスクトップと VR で異なるカメラを使用して、3D モデルやシーンの構図を簡単に確認できます。シーンにデモ用の固定カメラを作成したり、シーンをより簡単に編集できるように特定の固定したビューを設定したりすることも可能です。カメラのコントロールには視野も含まれており、透視図法と正投影図法の切り替えもあります。また、アーティストがレンダリングモードの被写界深度を調整し、シーンの特定の部分にフォーカスを合わせることができます。
改良されたモデルのアップレゾ
3D モデルの解像度を上げたときに、よりクリーンで滑らかな結果を得られ、ジオメトリのディテールとエッジは保持されます。これは、改良されたフィルタリングアルゴリズムでモデルのボクセル密度を高めることにより達成されています。
Modeler のリリースノートには、これらの他にも機能が記載されています。そして、覚えておいて欲しいことは、Modeler の将来の指針として、コミュニティが機能のテストと改善に関われるように、誰もがアクセスできる Modeler のパブリックベータ公開を発表したことです。
この記事は Iterative creativity with Generative AI in Substance 3D(著者: Grant Kay)の抄訳です
- https://blog.adobe.com/jp/publish/2024/03/19/cc-design-ibm-reimagines-content-creation-digital-marketing-adobe-firefly-generative-ai
- https://blog.adobe.com/jp/publish/2024/03/04/cc-firefly-understanding-copyright-to-utilize-fireflty-what-and-how-rights-are-protected
- https://blog.adobe.com/jp/publish/2024/02/29/cc-immersive-get-integrated-with-substance-3d