Frame.io V4(ベータ版)が登場
新製品の開発は常に、問題を解決する必要性から始まります。Frame.ioを最初に構想したとき、私たちは現役のビデオプロフェッショナルで、クリエイティブなプロセスをより効率的で、より正確で、よりコラボレーティブなものにし、合理化する方法を求めていました。
2015年にFrame.ioを正式にリリースしたとき、私たちはクリエイティブなコミュニティがこのプラットフォームを受け入れてくれたことに謙虚な気持ちになりました。あれから9年間を経て、私たちのビジョンは熱心なユーザーの皆さんのおかげで成長しました。
この間、率直に言って、私たちでさえ当初は考えもしなかったような方法で、皆さんはFrame.ioの限界を押し広げました。映像ポストプロダクションの枠を超え、写真、デザイン、SNSでの投稿、ライブイベント、スポーツ、eコマースなど、様々な分野へと広がっていきました。Frameに対するユーザーの情熱が、私たちにキャンバスを広げ、あらゆるクリエイティブなワークフローをサポートする新しいソリューションを構築するインスピレーションを与えてくれたのです。
新たな問い
2020年1月、私たちは400万人以上のユーザーから学んだことをもとに、新たな問いを私たち自身に投げかけました。
Frame.ioを一から設計し直すとしたら?
今回私たちが取り組んだのはまさにこれであり、その成果を皆さんにお見せできるようになったことをとても嬉しく思います。Frame.io Version 4(ベータ版)へようこそ。Frame.ioは、自分たちの好きなやり方で働ける柔軟性を求めるコンテンツ制作チームのために特別に設計された、クリエイティブ管理プラットフォームです。Frame.io V4(ベータ版)は、単なるアップデートにとどまらず、製品の完全な変革を意味し、現代のチームがクリエイティブなワークフローを構成し管理する方法の新たな章の始まりを告げるものです。
より美しく、より正確に
Frame.ioのあらゆる側面を再設計し、webアプリ、iPhone版、iPad版それぞれのユーザーエクスペリエンスが全体にわたって優れたものになるように作り直しました。それだけでなく、私たちが傾けた努力の大半は、ますますコンテンツが氾濫するこの世界に存在する無数のワークフローを考慮し、Frame.ioをユーザーそれぞれのワークフローに適合する製品にすることに注がれました。
再設計されたワークスペース
メディアの閲覧、アップロードの管理、フィードバックへの対応、クリエイティブな仕事の遂行など、あらゆることをバランスよくこなすマルチタスクの達人になりましょう。新しいパネルシステムで、最も効率的な表示方法を設定できます。マルチタスクをこなすために全てのパネルを拡大したり、気が散らないで集中できるようにパネルを折りたたむことができます。 Frame.io Version 4(ベータ版)は、表示を一新してより集中して作業を行うことができます。
3つのパネルをすべて表示することで作業効率がアップします
また、Frame.io V4(ベータ版)では、アスペクト比の調整からアセットカードの比率の編集、どのメタデータフィールドを表示するのが最も重要かの決定など、Frame.ioでのメディアの表示方法に関するほぼすべてをカスタマイズすることができます。
Frame.io Version 4(ベータ版)では、メディアの外観を簡単にカスタマイズできます。
パフォーマンスの強化
V4(ベータ版)の目標は、高速で流れるように動作するwebアプリを作ることでした。これは、可能な限り最高のエクスペリエンスを提供するために、スタックのすべてのレイヤーのアーキテクチャを再構築することを意味します。
アセットグリッドを完全に再構築し、何百万ものファイル、フォルダ、バージョンスタックを、読み込みのためにユーザーを待たせることなく処理できるようにしました。また、アップロードを Web Worker スレッドに移行し、一括アップロード中も並行して作業を続けられるようにしました。
クラウドファイルシステム
Frame.io Version(4ベータ版)では、アセットの管理からワークフローのカスタマイズまで、あらゆることがより柔軟にコントロールできるようになりました。
メタデータ
メタデータは、新しいFrame.io V4(ベータ版)体験の鍵であり、アセットとの関わり方を変えます。厳密なフォルダ構造だけに頼るのではなく、単一の統合されたプラットフォーム上で、ユーザーやユーザーが属するチームが、それぞれの仕事の進め方に基づいてメディアを整理し、表示できるようになりました。
例えば、ステータスの追跡です。Frame.ioの現在のバージョンでは、4つのステータスラベルがあらかじめ設定されていますが、これらのオプションをカスタマイズすることは、最もリクエストの多かった機能の1つでした。私たちはその声に応え、V4ベータ版では、ユーザーが望む方法でプロジェクトを定義し、追跡することができるようになりました。期日を追加したり、人にタスクを割り当てたり。キャスティングの場合は、俳優名、役柄、評価、エージェントの連絡先を追加できます。SNSでの投稿では、プラットフォームごとにアセットにタグ付けできたりと、可能性は無限です。
Frame.io V4(ベータ版)では、カスタムステータスを割り当てることができます。
コレクション
これまで述べた改善すべての活用が「コレクション」の導入につながります。コレクションは、柔軟かつ保存可能なアセット表示画面で、任意のメタデータを使用してメディアを動的に選択、フィルタリング、グループ化、ソートすることができます。コレクションはリアルタイムで更新されるため、チームが手作業で選別や整理に費やす時間を短縮できます。また、アセットを複製することなく、自分だけに見える組み合わせでファイルを整理(または再編成)できるため、ストレージスペースを節約できます。
最も重要なのは、これらのメタデータを用いたパラメータの特定の構成も保存できることです。コレクションは、特定のアプローチ、プロセス、テンプレートといった制約を強いるのではなく、ユーザーが長い間求めていた柔軟なワークフローを提供するための私たちの答えです。
選択したタグに基づいてコレクションを作成します。
いくつか例を挙げます。コレクションを構成して、週末までにレビューと承認が予定されているすべてのクリエイティブワークを、デザイナー別にきちんと分類して表示されるようにする使い方。また、オーディション参加者を役ごとに分類し、監督から4つ星以上の評価を受けたものにフィルタを適用して、美しくデザインされたレイアウトでプロデューサーと共有し、意見やフィードバックを求めるようなケース。マーケティングマネージャーや広告運用者ならば、何千ものマーケティング成果物をSNSプラットフォームごとに整理し、アセットタイプ、期間、公開日ごとにグループ化することで、各アセットの適切な掲出および公開タイミングを確保することができるでしょう。
メタデータとコレクションの新機能を使い始める最も簡単な方法は、V4(ベータ版)が対応するワークフローの幅広い可能性を発見するのに役立つスタータープロジェクトのライブラリであるプロジェクトテンプレートを検索することです。このライブラリには、当初12種類のテンプレートが用意されていますが、皆さんが作成するワークフローから学びながら、さらに追加していく予定です。
テンプレートは、Frame.io V4(ベータ版)を使い始めるのに役立ちます。
機能の改良
全面的な再設計を行ったということは、見直したり、何も手を加えなかった機能が事実上、一切ないということです。ワークフローをさらに効率化するために、ユーザーが頼りにしている多くのコア機能がすべて改良され、改善されました。
共有の簡素化
V4(ベータ版)では、共有が簡単かつカスタマイズ可能になるようにフロー全体を見直しました。 新しい共有ビルダーでは、メディアのあらゆる要素が微調整できるため、ユーザー自身のユニークなストーリーを伝えたり、クリエイティブなフィードバックや最終的な承認など、求めている反応を引き出すのに役立てることができます。作業中の作品、最終編集版、コレクション、アセットなど、ユーザ次第で好きなものを共有できます。WYSIWYG編集パネルで、テーマやカスタムカラー、表示するメディア情報を選択できます。また、すでにある共有にアイテムを追加したい場合は、ドラッグ&ドロップするだけです。
自分の作品を自分の好きな方法で共有することが、これまで以上に簡単になりました。
共有へのアクセスもシンプルになりました。最近の共有はサイドバーに一覧表示され、すぐに共有を開いて文脈を確認し、変更を加えることができます。新しい「すべての共有」リストでは、プロジェクト上の共有の完全なリストをより詳細に見ることができ、共有が最後にアクセスされた日時が表示され、簡単に可視性の設定を調整したり、セキュリティや権限の設定を変更したりすることができます。
すべての共有が一か所に。
より正確なプレーヤー体験
新しくなったプレーヤーは、メディアを見るときにシームレスで流れるような体験を提供します。
統合されたプレーヤーは、ファイルの種類を問わず、正確で、詳細で、エレガントにすべてのメディアアセットを表示します。フレーム単位で正確なホバースクラブなどの機能を導入し、動画のあらゆる場所に正確にアクセスできるようにします。また、スクラブ中の高解像度プレビューにより、希望の場所に移動中であってもすべてのフレームが完璧な鮮明さで表示されます。また、最新のカスタム HLS アダプティブ ビットレート ストリーミング プレーヤーは、バッファリングや中断を最小限に抑え、優れた再生体験を保証します。
私たちの新しいプレーヤーは、これまでで最もスムーズなプレビュー体験を提供します
Frame.ioは常にその超高速アップロードで知られてきましたが、今回はそれさえも、さらに強化されました。新しいグローバルアップロードシートを導入し、アカウント全体を横断して一括アップロードを一元的に監視できるようになりました。また、実際のファイル転送コードをメインスレッドから移動させたので、最大規模のアップロードジョブでもUIが重くなることはありません。
Frame.io Version 4(ベータ版)の新しいグローバルアップロードシートで、一括アップロードを監視できます
微調整フィードバック
フレーム単位で正確なフィードバックを残す機能は、Frame.ioのコアバリューです。ですから、この重要な機能の大幅なアップデートなしに製品を再設計することはできません。
動画、画像、デザインファイルのフレーム内の任意のポイントまたはピクセルに直接コメントを固定できるようになりました。フレーム上の任意の場所をタップするだけで、共同作業者に見てもらいたい場所にコメントが表示されます。ハッシュタグを使えば、コメントにインデックスを付けられるので、コメントの追跡が簡単になります。また、コメントに添付ファイルを追加する新しい機能は、具体例を用いて提案を明確かつ明確に説明するのに役立ちます。さらに、絵文字を使ってコメントに反応することもでき、シンボル1つで素早くフィードバックに応えることができます。
固定コメントでより具体的に
最後に、コメントのフィルタリングを導入し、重要な会話を優先的に見たり、返信したりできるようになりました。また、各コメントにはリンクがあり、特定の会話に誘導することができます。
コメントをフィルタリングして、自分にとって最も重要なものを見ることができます
iPhone版とiPad版
iPhone版とiPad版は、Frame.ioを語る上で重要な役割を担っています。なぜならモバイルアプリがあれば、多忙なスタジオ幹部やクリエイターでさえ、どこにいてもプロジェクトに関する連絡を取り合うことができるからです。そのため、V4(ベータ版)を機に、デスクトップでFrame.ioを使うのと同じように、パワフルで、パフォーマンスと直感性に優れたアプリに一新しました。
まず、iOSの新しい「ワークスペース」ページには、新しいプロジェクトカードと、同じアセット設定コントロールができるプロジェクトページがあります。本格的なファイル管理が可能で、ファイルやフォルダの名前の変更、移動、複製、書き出し、削除ができます。また、参照用の添付ファイルの追加や絵文字によるリアクションなど、新しいコメント機能も利用できます。そしてもちろん、iPhone版とiPad版の両方で、コレクションの全機能と、すべての設定とブランドに沿ったコントロールを備えた完全な共有エクスペリエンスを利用できます。
iOS版の新しい「ワークスペース」ページ
iPhoneでは、新しい「コメント」ドロワーでワークスペースをカスタマイズできます。コメント用のスペースを拡大したいときはドロワーを上にスライドするだけです。メディアをより集中的に見たい場合は、ドロワーを下に引き下げます。
iPad版では、より大きなスクリーンを活用して、より没入感のある効率的なワークスペースを実現します。コメントシステムは、より詳細なフィードバックのためのフルスクリーン描画と注釈機能を含む、刷新されたユーザーフレンドリーなインターフェイスでアップグレードされました。
気が散らないフルスクリーン描画と注釈をお楽しみください
これらのモバイルアプリの進化は、単なるアップグレードではありません。デバイスに関係なく、一貫した高品質のFrame.io体験を提供することへの私たちの献身を体現しています。
アカウント管理と価格の更新
このように、私たちがクリエイティブワークフロー機能に大きな力を注いだことがお分かりいただけたと思います。ですが、それだけでなく、価値の高い未公開コンテンツを扱うユーザーや、大規模な制作を行うユーザーのために、アカウント管理機能も拡張し、プロジェクト、権限、セキュリティのコントロールと柔軟性を高めています。
アカウント設定に新しく追加された「ユーザー」セクションでは、アカウントメンバーをより全体的に把握することができ、メンバーの役割の変更、アクセス権の管理、アカウントからの削除を個別または一括で行うことができます。また、「プロジェクト」セクションには、すべてのプロジェクトの検索可能なリストが表示され、最終更新日、使用ストレージ量、アクセス権者などの重要な詳細情報も表示されます。このセクションからメンバーを直接招待して管理することもできます。
アカウントとプロジェクトの全体像を把握できます
その他の機能についてはこちらでご覧いただけます。
さあ、始めましょう
Frame.ioのV4(ベータ版)は、過去3年間にわたる継続的な開発努力の成果です。V4(ベータ版)は、本日よりweb版、iPhone版、iPad版の無料プランおよびProプランのユーザーにご利用いただけます。ベータ版であるため、NLEとの統合やコンパニオンアプリなど、Frame.ioの既存機能の一部は当初ご利用いただけないかもしれませんが、これらの機能も私たちの将来を見据えたロードマップの要素であることは間違いありません。さらに、V4(ベータ)版は、チーム版およびエンタープライズ版のユーザー向けに、さらにエキサイティングな機能を搭載して今年中にリリースされる予定です。
Version 4の開発における私たちのゴールは、クリエイティブフローを妨げるあらゆる障害を排除し、クリエイターが最も得意とすることに集中できるようにすることです。V4(ベータ版)への移行を簡単かつスムーズにし、クリエイティブチームがFrame.ioの新機能を迅速かつ簡単に導入し、ワークフローに組み込むことができるようにします。私たちは、新機能を順を追って説明するための動画とチュートリアルの新しいライブラリを作成しました。もちろん、Frame.ioの素晴らしいサポートチームも、必要な時にいつでも皆さんをサポートします。
いつもながら、Frame.io製品の開発プロセスを通じて皆さんからいただくサポート、そしてご愛顧に感謝してもしきれません。私たちは、新しいFrame.io Version 4(ベータ版)にとても興奮しています。皆さんがこのFrame.ioをどのようなプロジェクトに使用し、どうやって最高の作品を制作されるのか、お聞きするのが待ちきれません。
この記事は 2024 年 04月 9 日(米国時間)に公開された ” Frame.io Version 4 Beta is Here” の抄訳です。