人間の想像力と AI 技術の融合:プロデザイナーから学ぶ生成 AI との付き合い方

Dasha Wagner が制作した花の画像

出典: Dasha Wagner

Dasha Wagner は、デジタルデザイナー&イラストレーターとして、15 年以上のキャリアを通じて多くのことを目にしてきました。彼女は、Aveda や Southeastern Grocers を含む数社のグローバルブランド、AIGA などの非営利団体、Paradigm Education Solution のような小規模出版社と仕事をしたことがあります。Dasha は、デザインとアートプロジェクトで複数の権威ある賞を受賞し、バーゼルから北京まで、世界中で作品を展示しました。Dasha のアート作品は、いくつかの書籍や雑誌でも取り上げられています。また、拡張現実(AR)や NFT アートを早くから取り入れ、新しいデジタル表現の形を開拓しました。

このような経験の深さと広さに関わらず、Dasha は、まだすべてを見たわけではないと最初に言うタイプの人物です。「私が順調に物事を進めたいと思うなら、新しいメディアを探求したり、最新のデザインテクノロジーをいち早く試したりして、学び続けなければなりません」と彼女は言います。

アドビのデザインテクノロジーは、Dasha のアーティストとしての旅の原動力でした。そして、彼女の新しいクリエイティブなアプローチやメディアの習得を支えてきました。その一例として、彼女は、アドビの生成 AI モデル Adobe Firefly を挙げました。

「初めて Firefly が公開されたとき、私はすぐに Adobe Creative Cloud の新機能で遊び始め、そして夢中になりました」と彼女は言います。「Firefly をクリエイターやデザイナーが簡単に利用できるようにするという、アドビの判断は正しかったと思います。ひとたび生成 AI が持つ力を体験すれば、すぐに威圧的に感じなくなります」

日本の生け花に触発された Dasha の 3D 作品。

日本の生け花に触発された Dasha の 3D 作品 出典: Dasha Wagner

過去に触発された未来的な創作

Dasha が特に関心を持っているのは、クリエイター志願の人たちにとって、デザインテクノロジーを親しみやすいものにすることです。ロシア生まれの彼女は、2004 年に国を離れて米ノーザン・アイオワ大学でグラフィックデザインと美術教育を学び、その後、美術教師になりました。しかし、Dasha が自身のアートを追求して、最終的にフルタイムのグラフィックデザイナーになる力を彼女に与えたのは、アドビのクリエイティブソフトウェアでした。

「アドビの新しいテクノロジーは、私の日々の仕事の隙間を、夢中になれるプロジェクトで埋めることを可能にし、自分の芸術的な声を見つけるのにも役立ちました。私の作品が世間で認められ始めて、収入をもたらすようになると、新たな可能性の世界が開かれました。以来、後ろを振り返ったことはありません」と彼女は言います。

Dasha の美学的な思想は、シンプルさと、形やテクスチャの象徴的な配置が基盤にある、日本の生け花に根ざしています。このように彼女の創作は過去の伝統に触発されていますが、Adobe Substance 3DAdobe Aero、Adobe Firefly などのツールを使用することで、彼女は、何世紀も前の哲学を、美しさとユニークさを持った未来的なデザインに昇華しています。

「光とテクスチャを試してみるのが大好きです。Adobe Substance を使うと、ポスターやカレンダーのような伝統的なグラフィックデザインの枠にとらわれることなく、そうした実験を行うことができます。これが表現を興味深いものにして、私の作品を際立たせてくれます」と Dasha は言います。

生成 AI でスピードと安心感を得る

生成 AI に関して Dasha は圧倒的に肯定的です。彼女は、クリエイティブなプロセスを加速し、彼女の仕事の質を向上させるこのテクノロジーの力を高く評価しています。例えば、Firefly のテキスト効果機能を使えば、広告ポスターを数秒で作成し、最終的な仕上げに彼女独自のタッチを加えることができます。

同様に、Adobe Photoshop の生成 AI 機能は、Dasha の画像編集プロセスを桁違いに迅速なものにしました。また、彼女は Firefly を使って独自のモダンなスタイルのために装飾的なパターンを作成し、パッケージや製品デザインのプロジェクトに適用しています。

多くのデザイナーと同様に、Dasha Wagner も様々な作品でストック画像を使用しています。Adobe Stock から Firefly が利用できるおかげで、彼女はこれまで以上に素早く必要なアセットを見つけて変換できます。「デザイナーはストックから適切な画像を探すのに何時間も費やしていたものです。Adobe Firefly の『テキストから画像生成』機能を使えば、必要なアセットを数秒で生成できます」と Dasha は言います。

「生成 AI に関する人々の主要な懸念の 1 つは、知的財産権に関するものです。アドビのコンテンツ認証情報により得られる透明性は、この点を緩和してくれます。手作業で検索するよりも良い画像が見つかる上に、画像に制作者の情報が添付されるため、画像の出所を心配しなくてもよくなります」と Dasha は付け加えます。

アドビが主要メンバーである Content Authenticity Initiative が提供するコンテンツ認証情報は、様々な製品やプラットフォームに組み込めるよう、オープンな方法で構築されたソリューションです。クリエイターは、名前、日付、制作に使用したツールといった情報をコンテンツに添付できます。これらの情報はコンテンツと一緒に旅をします。そのため、人々はコンテンツがどこから来たのか、途中で何が起きたのかを正確に知ることができます。

日本の生け花に触発された Dasha の 3D 作品。

日本の生け花に触発された Dasha の 3D 作品 出典: Dasha Wagner

スピードと安心感という組み合わせは、アーティストが各作品を一つのマーケットプレイスにしか出品できない NFT の世界に特に適しています。Adobe Firefly を使用すると、Dasha Wagner は素早く画像の出典を明示できるため。彼女が公開するすべての NFT が完全にオリジナルであることを保証するのに重宝しています。

また、Dasha は、クライアントとのコミュニケーションの改善における Firefly の役割も高く評価しています。デザイナーは、仕事について議論する際、マーケティング担当者と異なる語彙を使うことがよくあります。これは、クリエイティブなアプローチについての合意を困難にする要因になります。Firefly があると、Dasha とクライアントのマーケティング担当者は、言葉によるプロンプトを使用して一緒に画像を生成できるため、コミュニケーションの障壁が取り除かれ、代わりに新しいコラボレーションの道を歩むことができます。

デジタルと人間の創造性が調和する場所を求めて

生成 AI を使うことで節約した時間を用いて、Dasha は現在、クリエイティブの幅を広げつつあり、ハイパーリアリズムのアートを試したり、パステルや水彩画などのスタイルを作品に取り入れたりしています。

同時に Dasha は、自身の作品に説得力と独自性を持たせるために、人間らしさの維持が重要であることを強調します。「AI は信じられないほど強力なツールですが、人間ではありません」と彼女は言います。「シンプルな 2D ポスターの制作でも、完全にインタラクティブな NFT コンポジションの制作でも、人のレベルでつながることができるアートを制作するのは、デザイナーとしての私たちの仕事です」

Dasha Wagner の写真。

Dasha Wagner 出典: Dasha Wagner

デジタルファーストの現在の世界に生まれた若いクリエーターたちへの Dasha のアドバイスは何でしょうか?美術館に行って、職人的な技能と忍耐の大切さを十分に理解することです。ひとつの作品を完成させるのに何年もかかることもあった過去に、人々がどのように制作していたのかを知ることです。

「何か一つの創作活動に人生を費やすべきだとは言いません。ただ、制作手順を考える前に、何をつくりたいかを考えることが重要なのです」と彼女は言います。「それが、プロとしての判断力を養う上でも、Adobe Firefly のような強力なテクノロジーを健全かつ建設的な方法で使用するのにも最善の方法です」

Dasha と彼女の受賞作品の詳細は、Instagram でご覧になれます。

自分の作品に新たなレベルの創造性を開放する心構えはできましたか?今すぐ Adobe Firefly と Adobe Substance 3D を使い始めましょう。

この記事は For Dasha Wagner, experimentation is the driving force of creativity (著者: Rani Mani )の抄訳です