アドビ、Adobe After Effectsの3Dおよびモーションデザインのアップグレードを発表
アドビは、IBC 2024に向けて、Adobe After Effectsの3Dワークスペースに大幅な改善とアップグレードを導入したことを発表しました。これにより、モーションデザイナーや動画編集者が3Dオブジェクトを実写映像や2D要素とシームレスにアニメーション化、およびブレンドできるようになります。
ユーザーは長年にわたり、サードパーティアプリとの統合を通じてAdobe After Effectsで2Dと3Dのアセットを融合してきました。この度のアップグレードで、その多くの作業をAdobe After Effects内で行うことができるようになり、ワークフローが効率化され、3D要素の使用がより身近になります。
モーションデザインコミュニティからの反応は非常に好評で、多くの有意義な追加機能リクエストが寄せられました。この度のアップデートは、コミュニティの声をしっかりと受け止め、Adobe After Effectsユーザーの熱意と情熱に直接応えたものです。
モーションデザイナーや動画編集者は3Dモデルでの作業を好みますが、時にはそれがとても「デジタル」かつシャープに見えることがあります。そこで、3Dモデルを2D環境にシームレスに融合するのを容易にするために、3Dと2Dを同時にデザインするためのツールとコントロールを多数発表しました。さらに、Adobe After Effectsユーザーの多くは、3Dでのアニメーションや合成に不慣れです。Adobe Substance 3D、Adobe Stock、オンラインマーケットプレイスから利用可能な無数の3Dモデルを使用して、モーションデザイナーは3Dの世界に深く入り込みながら、モデルに含まれる埋め込まれたアニメーションを活用して作品を作れるようになりたいと考えています。
この度、Adobe After Effectsで、モーションデザイナーが3Dワークスペースで3Dオブジェクトを扱う際に、より多くのツールを利用できるようになりました。下記の3つの主要な新機能により、デザイナーは3Dオブジェクトを実写にシームレスかつフォトリアリスティックにブレンドできます:
- 埋め込まれた3Dアニメーション:Adobe After Effectsは、インポートされた3Dモデルからの埋め込まれた3Dアニメーションをサポートします。アーティストは外部のアニメーションソフトウェアで作成されたキャラクターやオブジェクトに命を吹き込むことができます。リグなどの埋め込みアニメーションを持つ3Dモデル(GLBまたはGLTF)をシームレスにインポートできます。キーフレームアニメーションやリグベースのアニメーションがネイティブにサポートされ、スムーズにリタイムできます。埋め込まれた3Dアニメーションを使用することで、Adobe After Effectsはモーションデザイナーが使い慣れたモーションデザインアプリで3D作業を始めるのに最適な場所となります。
- 超リアルなシャドウとカラーシャドウ:Adobe After Effectsのシャドウキャッチャーにより、3Dオブジェクトがビデオ映像とリアルに相互作用できるようになります。仮想オブジェクトが背景に投影するシャドウを正確にキャプチャ可能です。現実世界で投影されるシャドウは純粋な黒や灰色のシャドウではないことが多いため、カラーシャドウによってリアリティが高まります。
- 3Dモデルの深度マッピング:深度マップは3D要素を実写映像に合成するために不可欠です。事前合成をするだけで、高度な3Dシーンから深度マップを抽出できます。これらのマップは各ピクセルの距離情報をエンコードし、被写界深度のぼかしや霧などの後処理効果を可能にします。
新しいアニメーションプリセット
30以上の新しいアニメーションプリセットとインフォグラフィックス用の数値カウントプリセットにより、デザイナーはAdobe After Effectsでさまざまなアニメーションのキーフレーム作業に費やす時間を減らし、クリエイティブなモーションデザイン作成により多くの時間を費やすことができます。
プロパティパネルでのカメラとライトのサポート
プロパティパネルは、頻繁に使用されるコントロールを1つのコンテキストパネルに配置することでワークフローを加速します。デザイナーはこの新しいプロパティパネルで、カメラとライトを調整および制御し、モーションデザインを微調整できるようになりました。
高速なパフォーマンスと新しいデザイン
新しいAdobe After Effectsでは、WindowsでのハードウェアアクセラレーションによるUI/UXパフォーマンスが以前より最大4倍速くなり、アプリケーションがより軽快でモダンな雰囲気になり、インタラクティブになります。 また、Adobe After Effects(ベータ版)には新しいデザインが導入され、モダンで一貫性があり、デザイナーやエディターが異なるアプリでツールの使い方を再学習する時間を減らし、創造により多くの時間を費やすことができます。
Adobe After EffectsとAdobe Substance 3D
Adobe After Effectsが3D機能を拡張するのに合わせて、Adobe Substance 3Dとのワークフローがさらに強力になります。これらのツールを組み合わせることで、Adobe After Effectsの3Dツールセットの視覚品質と出力を大幅に向上させることができます:
- Adobe Substance 3D Painter:「Adobe After Effectsに送信」機能が追加され、3Dモデルを精密にテクスチャリングし、ワンクリックでコンポジションに直接インポートできます。
- Adobe Substance 3D Sampler:一般的なテクスチャから素早くシームレスにマテリアルを作成したり、写真からIBL環境ライトを生成することができ、Adobe After Effectsのシーン内で3D要素を調和させ、環境をカスタマイズしてロケーションに適合させるのに最適です。
- Adobe Substance 3D Assets: モーションデザイナーに20,000以上の完全にライセンスされた、すぐに使用できるパラメトリックマテリアル、3Dモデル、および環境ライトへのアクセスを提供し、Adobe After Effectsでの3Dプロジェクトを迅速に開始できます。
Adobe Substance 3Dをモーションデザインワークフローに追加することで、Adobe After Effectsの3Dコンテンツがこれまで以上に美しくなります。Substanceで作成したマテリアルやテクスチャ付きモデルは、Adobe After Effectsに留まらず、MaxonのCinema 4Dを含む他の3Dアプリケーションでも同様に表示され、ワークフロー全体で視覚的な一貫性を生み出します。Adobe Substance 3DおよびAdobe After Effectsでの3Dモーションデザインの詳細はこちらをご覧ください。
提供開始時期
これらの新しい3Dおよびアニメーション機能は、現在Adobe After Effectsで利用可能です。新しいモダンなUI搭載の Adobe After Effectsは現在ベータ版で利用可能です。ベータアプリへのアクセス方法についての詳細は、こちらをご覧ください。
また、Adobe Premiere Pro(ベータ版)の最新機能はこちらをご覧ください。
この記事は2024年9月10日(米国時間)に公開されたAdobe Introduces 3D & motion design upgrades for Adobe After Effectsの抄訳です。