生成AIの真価を業務に活かす!Hakuhodo DY ONEと挑んだAdobe Firefly活用ワークショップ

2024年9月26日、アドビ東京オフィスのPanorama Squareにて、Hakuhodo DY ONEさまのデザイナー、ディレクターのみなさんとともに、Adobe Fireflyを業務で活用するためのワークショップを開催しました。

普段からパフォーマンスクリエイティブの制作に携わるメンバーが一堂に集まり、生成AIへの理解をさらに深め、業務への応用の可能性を模索する貴重な場となりました。本記事では、ワークショップ当日の内容や得られた成果、参加者の声をご紹介します。

もくじ

  • ワークショップの背景と目的
  • セッション構成
  • 参加者の声とワークショップの成果
  • 考察と今後の展望
  • まとめ

ワークショップの背景と目的

全国のHakuhodo DY ONEから25名のデザイナーやディレクターと3名のマネージャーの計28名が参加。

画像生成AIを業務に取り入れ短時間で高品質なクリエイティブ素材を制作する技術を学び、これまでの使いこなしのワンランク上の習熟度を手に入れることを目的として開催しました。

ワークショップの冒頭で、主催者のHakuhodo DY ONE 第3クリエイティブ本部 本部長 石井 智之氏は次のように参加者に呼びかけました:

“クリエイティブの可能性を広げるために、生成AI技術を活用し、日常の業務をさらに加速させていきましょう。”

参加者にワークショップの趣旨を伝える Hakuhodo DY ONE 石井 智之氏

セッション構成

ワークショップは以下の3つのセッションで進行しました。

《 セッション 1 》 Adobe Firefly プロンプト作成の基本とコツ

Adobe Firefly を活用するためのプロンプト作成のコツについて、アドビ エンタープライズ製品戦略部の三好がレクチャー形式で解説しました。

グループワーク、個人ワークに臨む前に、改めてAdobe Fireflyらしい画像生成方法をレクチャーでインプット

プロンプトの記述方法の工夫や、Adobe Fireflyらしい機能である構成参照スタイル参照スタイル効果の使い分け、生成AIを使いこなすためのヒントを共有。参加者からは 「プロンプトの工夫によって、表現の幅が広がる」 といった新しい気づきが多く寄せられました。

基本設定、主題 / 被写体、環境、撮影方法、構図に関する言葉を含めながらプロンプトを作成

プロンプト:写真:沢山の人で混雑している木製テーブルにコンクリート床の部屋に、紺色のスウェットシャツに青いカーゴパンツ、白いスニーカーを履き、長い白い毛に黒い耳の大きなドードル犬を抱いて、膝をついている茶色の髪で茶色の目をした白人女性。暗くて暖かい黄金色の照明で下からクローズアップで撮影

《 セッション 2 》 業務で“使える素材”を生成するグループワーク

続いてのグループワークでは、5つの異なるテーマについてディスカッションを行い、適切なアウトプットを導くためのアイディアを共有しました。

「 “使える素材”を生成する」グループワークで参加者のみなさんが提出した作例

テーマには「パフォーマンスクリエイティブで多用する素材生成」が含まれ、普段とは異なるメンバーとの交流が新たな気づきの場となりました。ディスカッションの成果として提示された作例は、今後の制作活動にも役立つヒントやコツとして共有されました。

各グループでディスカッションしながら発見したアウトプットのコツやヒントを他の参加者全員の共有財産にする

プロンプト:ナチュラルでオーガニックな室内にある木目調のテーブル 背景で観葉植物 クローズアップ

プロンプト:中央には高級感のあるガラスの台座 背景はゴールドと黒の色味で、薔薇の花びらが床に散っている、シックな印象、光が差し込み、ロマンティック

プロンプト:ピンクの砂漠、天気は晴れ、空はパステルのピンクと水色、神秘的な光が差し込む

《 セッション 3 》 “日本人”を生成する個人ワーク

最終セッションでは「日本人を生成する」というテーマに挑戦しました。

「 “日本人”を生成する」個人ワークで参加者のみなさんが提出した作例

これはとても難しいテーマでした。広義の解釈で捉えるならば、どんな人物が画像生成で出力されたとしても、それは“日本人”である可能性があるのです。しかし、本セッションでは今回の目的である「パフォーマンスクリエイティブに適した“日本人”の素材」として、的確に表現されたアウトプットの生成が求められていました。

短時間で的確な人物画像を生成するのは難易度が高いですが、それぞれの知見と経験、セッション 1: プロンプト作成の基本とコツ、セッション 2: “使える素材”を生成するグループワークで得たヒントを総動員して、参加者全員が思い描く人物像の生成に取り組みました。限られた時間ながら、多くの成果物が提出され、セッション後のプレゼンテーションでは「日本人を的確に表現する難しさ」に言及するコメントが多く共有されたことが印象的でした。

プロンプト:黒髪のショートカットでストライプのシャツを着たすっぴんの20代日本人女性。背景は白

プロンプト:日本人、20代の男性、黒髪、細身の体格、スーツを着ている、目が細く眉毛は少し太い、奥二重、黄色人種、微笑んでいる

プロンプト:日本の女性、学生、カジュアルな服装、白い背景

個人ワークのアウトプットを作成する過程における気づきやアウトプットのコツをプレゼンする参加者

参加者の声とワークショップの成果

ワークショップを通じて得られた気づきと感想

ワークショップを通して多くの気づきがありました。参加者からのコメントの一部をご紹介します。

成果物の共有

今回のワークショップだけで約100の作例が生成 され、Adobe Fireflyの作例リンクの共有機能によって、プロンプトや構成参照、スタイル設定なども含めてチームで活用できるクリエイティブ資産となりました。

この成果物はHakuhodo DY ONEでのクリエイティブ活動に役立つ貴重な資料となることでしょう。

参加者から提出された約100件の作例

考察と今後の展望

主催者としての学び

今回のワークショップを通じて、生成AIの活用において最も重要なのは、実際に自分自身で手を動かし、試行錯誤する「つくりながら学ぶ」ことだと、改めて実感しました。

最新のテクノロジーを駆使した技術を使うからこそ、特にリアルな場での共同作業やディスカッションが新たな視点や発見をもたらし、生成AIの技術を応用するための確かな基盤となります。

今後のフォローアップ

本ワークショップで得た知見をさらに活用できるよう、今後も継続的にフォローアップや新たなワークショップの企画を予定しています。これにより、生成AIの技術を日常のクリエイティブ活動にスムーズに取り入れ、さらなる効率化に貢献したいと考えています。

まとめ

Hakuhodo DY ONEのみなさんと共に取り組んだこのワークショップでは、生成AIを活用する新たな可能性を広げるために有意義な時間を過ごすことができました。

ぜひ、みなさんも生成AIを業務に活用し、新しい発見や気づきを得てみてください。

ワークショップを終えた参加者のみなさんとの集合写真

上記の集合写真、実は営業マネージャーが撮影後、その場でPhotoshopの「生成塗りつぶし」で調整したもの。こちらが実際に撮影した元の写真。