アドビのAcrobatを中心としたDocument Cloudの概要

Adobe Document Cloudは、文書の作成、編集、署名、共有などの文書業務を効率化するクラウドサービスです。ユーザーはどこからでも、どのデバイスからでも文書にアクセスして、業務を行うことが可能になります。

なお、Adobe Document Cloudは、電子署名による行政手続きの迅速化、公文書管理法に準拠した文書の標準化と証跡管理、そして行政文書に必要な高度なセキュリティ機能を提供することで、官公庁のデジタル化と市民サービスの向上を支援しています。

本記事では、そのAdobe Document Cloudで提供するサービスや特徴について解説します。

Adobe Document Cloudが提供するサービス

アドビでは、様々なアドビの文書関連ソリューションをまとめたサービス群の総称をDocument Cloudと呼んでいます。Document Cloudには、PDFの編集・活用ツールであるAcrobatや、電子サインソリューションであるAcrobat Sign、大量の文書を一括処理するためのAcrobat API Servicesといったサービスが含まれており、官民文教問わずお客様の文書業務に関連する課題を解決するプラットフォームとなっています。

また、文書業務の生産性をさらに向上させるために、文書の読解を手助けしてくれる生成AI機能もリリースされており、進化し続けているサービスです。

ちなみに、政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(Information system Security Management and Assessment Program: 通称、ISMAP(イスマップ))を取得しています。官公庁の皆様にも安心してお使いいただけるサービスです。

Adobe Document Cloud、日本の「政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)」に登録

Adobe Document Cloudに含まれるソリューション

Adobe Acrobat

Adobe Acrobatは、PDFの作成、編集、署名、共有等を行うツールです。PDFはオープンな規格ゆえに様々なメーカーからツールが提供されていますが、一言にPDFといっても、その品質には大きなバラつきがあります。

Adobe Acrobatは、国際標準規格であるISO32000-1に準拠しているツールであり、見読性、機密性、完全性が担保された高品質なPDFを作成することができます。また、メタデータやPDFの構造を示したPDFタグをファイル内に格納することでアクセシビリティへの配慮や、PDFデータをデータ分析に活用していく等の二次利用も可能になります。

どのようなツールで作成してもPDFすべて同じ?

また、PDFの規格にはISO32000-2という新しい仕様も国際標準化機構(ISO)で策定されていますが、ISO32000-2の新仕様、強化点は、文書の特殊用途や文書に含める特殊コンテンツに関連します。オフィス文書では通常は使用されないもののため、完全に対応する必要があるかは利用用途によって判断することになります。

法人向けAcrobatでは、ダッシュボードでライセンスを一元管理でき、ライセンスの割り当てや付け替えもカンタンです。

Acrobatの機能については、下記のページにてご紹介していますのでご一読ください。

PDF機能 | Adobe Acrobat

Acrobatの新しい生成AI機能について

さらに、Acrobatのオプション製品として、文書の理解と整理のための時間を大幅に短縮することができる生成AI「Acrobat AI Assistant」をリリースしました。

アドビ、生成AI機能「Acrobat AI Assistant」の日本語版開発を発表

こちらは、生成AI機能を使って、長く複雑なドキュメントの要点をすばやく掴むことにご利用いただけます。

有償のAcrobatのみならず、無償の閲覧ソフトであるAcrobat Readerにもアドオンすることができます。

Acrobat AI Assistantの機能例

Generative summary

PDFの内容を解析してAIが要約するもので、全体要約、セクションごとの要約をすることができます。PDF内にある情報のみを要約するため、生成AIで発生するハルシネーションなど信頼性の低い情報を提示することはありません。

AI Assistant

読み手がPDF内の情報を効率的に理解しやすくする質問をAIが作成し、その質問をクリックすることで回答を確認できます。また、自分で質問を作成して回答を得ることもできます。回答にはPDF内の情報の引用元が表示されます。

サマリーした内容や質問と回答は、電子メールやプレゼンテーションといった利用目的に合わせて書式をフォーマットし、コピー&ペーストして活用することができます。

Adobe Acrobat Sign

Acrobat Signは、シンプルで安全な電子サインとAdobe Acrobatの強力な機能を組み合わせた唯一の電子契約ツールです。Microsoft製品の推奨電子サインソリューションでもあります。

ISMAPを取得した安心・安全なサービスであり、官公庁でも多く使われているMicrosoft Power Automate、Salesforce、ServiceNow、kintoneとの連携や、SharePoint、Google Drive、Boxなどのクラウドストレージとも容易に連携できるので、一連のワークフロー全体をシームレスにデジタル化することが可能です。

Acrobat Signの詳細については、下記のページにてご紹介していますので、ご一読ください。

【アドビ公式】契約にも有効な電子サイン | Acrobat Sign

官公庁のお客様においては、外部との契約行為のデジタル化の他にも、行政手続きのデジタル化にも活用いただけます。

膨大な許認可業務を効率化するためにAcrobat Signを採用いただいた奈良県庁様の事例を下記のページでご紹介しています。

Adobe Acrobat Signが奈良県庁の給付金電子申請システム に採用され、行政サービスの効率化を実現

また、デジタル庁が、協力覚書(Memorandum of Corporation (MoC))取り交わしにアドビの電子署名サービス「Adobe Acrobat Sign」を採用したことも発表されています。これまでにエストニア共和国およびシンガポール共和国との協力覚書取り交わしにAdobe Acrobat Signが活用されました。

デジタル庁が協力覚書(MoC)の取交わしにアドビの電子署名サービスAdobe Acrobat Signを採用

まとめ

Adobe Document Cloudは、官公庁の皆様の文書業務を強力にサポートします。通常は、インターネット環境でご利用いただくクラウドサービスになっておりますが、官公庁特有の要件であるオフライン環境でご利用いただけるオフラインライセンスのご提供もございますので、ぜひアドビにご相談ください。

官公庁/自治体向け オフライン環境用ライセンス(FRL)

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