年末の作業を効率化!PDFを比較して修正箇所を即座に確認
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こんにちは!桑名です。年末の忙しいこの時期、やるべきことが山積みになっていませんか?年度末の業績報告、戦略会議への出席、書類の整理、そして新年の準備……こうした状況では、効率的にタスクをこなすことがとても重要になります。
そこで今回は年末の忙しさを乗り切るための便利なツールとして、Acrobatの「ファイルを比較」機能を紹介します。
2つのファイルを比較して変更箇所を表示
たとえば、クライアントに提出した提案書の修正版が戻ってきたとしましょう。校正ツールを使用していないと、どこを修正したのかわからない場合があります。やるべきことがたくさんある中で、元の文書と修正版を並べて、追加や変更された箇所を確認するのは、かなり骨の折れる作業ですよね。「今日中に」という時間制約がある場合は、プレッシャーとなり、ストレスが溜まる要因にもなりかねません。
そんなときにおすすめなのが、Acrobatの「ファイルを比較」機能です。2つのPDF文書の違いを自動的に検出し、視覚的に差異を明示してくれます。
どのように比較するのかを簡単に説明しましょう。まずデスクトップ版Acrobatを起動し、ホーム画面の上部にある「すべてのツールを表示」をクリックします。
▲Acrobatで「すべてのツールを表示」をクリック
次に、一覧から「ファイルを比較」をクリックしましょう。
▲「ファイルを比較」をクリック
「古いファイル」に修正前のPDF、「新しいファイル」に修正後のPDFを指定します。どちらが修正後かがわかりづらくなるので、間違えないように指定してください。指定したら「比較」ボタンをクリックします。
▲修正前と修正後のファイルを指定して「比較」ボタンをクリック
1ページ目に比較結果が表示され、「いくつ変更されているのか」「置換や挿入がどのくらいあるのか」がひと目でわかります。また、右端の「コメント」パネルには新旧の修正箇所が表示され、文字の置換や画像の変更を上から順に詳しく見ることができます。
▲比較結果が表示される
疑問点があればコメントを入力して、送信するかファイルを共有して先方に尋ねるとよいでしょう。その方法なら、どの修正箇所についての問い合わせかが明確になるため、迅速かつ正確なフィードバックを得ることができます。
修正箇所を特定して作業負担を最小化
最近よく耳にするのは、本来編集すべきでないPDFが編集されてしまうケース。AcrobatでのPDFの編集が一般的になったことで、予期せぬ事態が生じる場合があるのです。外注先が親切心から修正してくれるのはありがたいですが、直接編集されると逆に仕事量が増えてしまいますよね。
そのようなときにも「ファイルを比較」機能です。ただし、変更箇所が多すぎると結果を見ただけでうんざりすることもあるでしょう。
そこでフィルターを使うのがおすすめです。「コメント」パネルにある「注釈をフィルター」ボタンをクリックし、カラーを選択します。黄色のマルは「置換」、青マルは「挿入」、赤マルは「削除」です。たとえば、削除された箇所だけを表示させる場合は「赤マル」をクリックし、選択されたことを確認しましょう。「青マル」もクリックしてしまうと、両方が結果に表示されてしまうので気を付けてください。両方選択されている場合は、「青マル」をクリックすれば解除できます。確認したら「適用」をクリックしましょう。
▲「注釈をフィルター」ボタンをクリックし、「赤マル」をクリックして「適用」をクリック
コメントをクリックすると、該当箇所が赤の枠で囲まれ、ポップアップが表示されるのでひと目でわかります。うまくいかない場合は、「コメント」パネルで「すべてのクリア」をクリックしてやり直してください。
▲コメントをクリックすると該当箇所が赤枠で囲まれる
契約書の見落としをPDFの比較で回避
実用例の一つとして、契約書の確認作業にも活用できます。長期的な取引では契約の更新がおこなわれる場合があり、前回の契約書と新しい契約書の比較が必要です。知らないうちに意図しない条項が追加されるような事態を防ぐためにも、どの部分がどのように変更されたかをしっかり確認する必要があります。
しかし、各条項を自分の目で一つ一つ確認する作業は時間がかかり、とりわけ法律の専門知識が必要な部分は読むのも大変です。そこで「ファイルを比較」機能です。契約書の場合、文章の変更を確認するため、テキストだけを絞り込んで表示させると効率的に使えます。
文章の変更だけを表示させるには、上部の「フィルター」をクリックし、「選択を解除」をクリックしてから「テキスト」をクリックして「テキスト」のみにチェックを付けます。
▲「フィルター」をクリックし、「テキスト」を選択すると文章の変更のみが表示される
校正前と校正後の比較で文書の精度を向上
品質と正確性が求められるマーケティング資料やホワイトペーパーの作成には、高い精度が欠かせません。そのため、複数人による入念な校正がおこなわれ、文書の誤りや専門用語の使い方を慎重にチェックします。
初校や二校では校正ツールを使用していても、完成間近になると直接修正を加えることがあります。そうなると、どの部分が変更されたのかを特定するのが難しくなります。そういう時こそ「ファイルを比較」機能を使いましょう。
比較の画面は、左側に校正前のファイル、右側に校正後のファイルが並んで表示されるため、見比べながら確認できます。ただし、継続して左右に視線を動かすと目が疲れるのが難点です。そこで、上部の「左右に並べて表示」をクリックして「新しいファイル」を選択しましょう。そうすれば、校正後のファイルのみが表示され、変更箇所をより明確に把握できます。
▲「左右に並べて表示」をクリックし、「新しいファイル」をクリック
同時に上部の「フィルター」をクリックし、「すべてを選択」をクリックすれば、フォーマットや背景なども含めて変更された箇所すべてを把握できます。
▲「フィルター」をクリックし、「すべてを選択」をクリック
カタログの新旧版比較を市場調査に活用
「ファイルを比較」は意外な場面でも活躍します。たとえば、競合調査や顧客サービスを向上させるために、製品カタログの新旧版の比較をおこなう場合です。金額や商品名などの細かい部分が新しいカタログでどのように更新されているかを把握したいときに役立ちます。
と言っても多くのカタログは数十ページに及ぶため、全ページを詳細にチェックするのは現実的ではありません。
そのような場合は、必要なページのみを指定して比較しましょう。ファイルを選択する画面で、「設定」ボタンをクリックします。
▲ファイルを選択する画面で「設定」をクリック
「比較するページ範囲」で古いファイルと新しいファイルのページ番号を入力します。たとえば、3ページから5ページを比較する場合は「3-5」と入力して「OK」をクリックしてください。
▲ページ範囲を指定して「OK」をクリック
これで該当ページのみを比較できます。カタログに限らず、何ページにもわたる原稿のPDFを比較したいときにも活用するとよいでしょう。
今回はAcrobatの「ファイルを比較」機能を紹介しました。手動での確認作業と異なり、時間と労力を大幅に節約しながら変更点を特定できるのが大きな魅力です。2つのPDFファイルを比較し、修正箇所を瞬時に特定できるため、さまざまな場面で役立つでしょう。忙しいときの作業が格段に楽になるので、ぜひこの便利な機能を活用してください。