AcrobatにAI画像生成が登場!Adobe Expressとの連携でPDF編集機能がパワーアップ

こんにちは!桑名です。有償版Acrobatに便利な機能が追加されましたが、お気づきでしょうか?いま注目されているデザインツール「Adobe Express」と連携して、PDFの編集がより細かくできるようになりました!そこで今回は、AcrobatとAdobe Expressの連携によって「どんなことができるようになったのか」「どのような場面で役立つのか」を紹介します。

画像探しは不要!Acrobat上でAI画像生成を使おう!

企画書や資料のPDFを作成する際、一般的にはWordやGoogleドキュメント、PowerPointなどを使いますよね。文章を入力して画像を追加し、最終的にPDFに変換。これが一般的なやり方ですが、ぴったりの画像を探すのって意外と手間がかかるものです。ネットでフリー素材を探したり、自分で撮影したりしているうちに、あっという間に時間が過ぎていきます。でも、これからはそんな作業が要らなくなりますよ。

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▲Wordなどで画像を追加してPDFにするのが一般的

今やさまざまな分野でAI技術が活用されていますが、最新のAcrobatでもAdobe Expressを介して、AdobeのAI画像生成ツール「Adobe Firefly」が利用可能になりました。そのため、WordやGoogleドキュメントで文書を作成する際には、画像を挿入するスペースを空けておけばOKです。その文書をPDFに変換してAcrobatで開き、用意したスペースに簡単に画像を追加できます。スペースというより、塗りつぶしと枠線のない四角形を描いておくとやりやすいです。

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▲画像を入れる部分を空けておく

PDFに変換したらAcrobatで開き、「編集」タブの「画像」→「画像を生成」をクリックします。

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▲Acrobatで「編集」タブの「画像」→「画像を生成」をクリック

画像ジェネレーターが開くので、説明欄にイメージする画像のキーワードを入力します。たとえば「コーヒー」「クリスマスの背景」のように、描きたいものを連想しながら入力してください。写真にする場合は「コンテンツタイプ」で「写真」を選択。入力したら「生成」ボタンをクリックしましょう。

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▲キーワードを入力し、「コンテンツタイプ」で「写真」にして「生成」ボタンをクリック

しばらくすると、そのキーワードに合った画像が作成されます。常に同じ画像が生成されるわけではないので、気に入った写真が表示されないかもしれません。その場合は、再度「更新」ボタンをクリックすれば生成し直してくれます。

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▲生成された4つの画像から1つ選んでクリックし、右上の「適用」をクリック

画像が挿入されたら、ドラッグで移動しましょう。サイズを調整する場合は、四隅の〇をドラッグしてください。

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▲挿入された写真をドラッグで移動およびサイズ変更をする

簡単にできるとはいえ、「一体この画像はどこから持ってきたの?」「他人の画像を無断で使っているのでは?」と著作権の心配をされる方もいらっしゃるでしょう。ご安心ください!生成された画像は、Adobe Stockの画像をベースにしているため、著作権問題のリスクを最小限に抑えつつ、商用利用ができるようになっています。AI画像生成を使うことによって文書への画像追加が楽になり、印象もぐっとアップするのでおすすめです。

背景除去と不要物削除が瞬時に完了!

画像の追加だけでなく、写真から余計な部分を削除したいときもありますよね。たとえば、新商品や新サービスの企画書を作る際、その商品の魅力を際立たせるために周囲の不要な要素を取り除きたいはずです。そんなときの背景削除もAcrobat上でできるようになりました。

「編集」タブをクリックしてから編集する画像をクリックし、「画像を編集」をクリックします。「背景を削除」をクリックすると、被写体の背景が透明になります。

A coffee cup with a saucer and ornaments Description automatically generated

▲「編集」タブで画像を選択し、「画像を編集」→「背景を削除」をクリック

上手く除去できなかった場合は、「消しゴム」をクリックしてなぞるようにドラッグすると削除できます。それでも綺麗にできない場合は、ブラシのサイズと種類を変えてドラッグしてみてください。

A screenshot of a coffee cup Description automatically generated

▲「消しゴム」を使って残った部分を除去する

今おこなったのは、不要物を取り除いて透明にする作業です。透明にするのではなく、写り込んだ通行人や、汚れなどを除去することもできます。初めから存在しなかったかのように消すこともできるのです。

その場合は、「編集」タブで画像をクリックし、「画像を編集」をクリックして「生成塗りつぶし」をクリックします。

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▲「編集」タブで画像を選択し、「画像を編集」から「生成塗りつぶし」をクリック

消したい部分をドラッグした後、何も入力せずに「生成塗りつぶし」をクリックするだけでOK。ここでは、右端に写っている人物を削除します。

A screenshot of a restaurant Description automatically generated

▲消したい部分をドラッグして、何も入力せず「生成」ボタンをクリック

3つの画像から選択できます。うまく削除できなければ、「さらに生成」をクリックしてやり直すことも可能です。良いのが見つかったらクリックして「完了」をクリックしましょう。

▲人物が削除された写真を選択して「完了」をタップ。

本来、このような作業は画像編集アプリが必要でしたが、新機能のおかげでAcrobat上でも可能になりました。PDFの画像を直接編集できるようになったので、作業効率が大幅にアップするのは言うまでもありません。

数クリックで写真が変わる!Acrobat上で簡単補正

お店のチラシを作成していて、店内で撮影した写真が暗くて全然映えない…こういうケースもよくありますよね。これまでは画像編集ソフトで明るさを調整していましたが、もうその必要はありません。Acrobat上で解決できるんです。それも数クリックだけで写真の明るさを調整できます。撮り直しや他のアプリを使わずに、そのままPDFに反映できるのはよいですね。

こちらも「編集」タブで画像をクリックしてから「画像を編集」をクリックします。「色調補正・ぼかし」があるのでクリックしましょう。

A screenshot of a computer Description automatically generated

▲「編集」タブで画像を選択し、「画像を編集」→「色調補正・ぼかし」をクリック

明るさのスライダをドラッグして調整してください。

A screenshot of a computer Description automatically generated

▲「明るさ」のスライダをドラッグして調整

他にもコントラストや彩度などの調整も可能です。たとえば料理の写真を撮影して文書に入れたけれど、今一つと感じることもあります。そのようなとき、彩度と色温度のスライダをドラッグして少し赤みを加えるだけで、美味しそうな料理に見えるようになるんです。料理の写真だけでなく、商品写真やポートレートにも使うと、本来の美しさを引き出すことができます。これらをAcrobat上でおこなえるようになったのですから、まさに革新的です!

写真を丸く繰り抜いてデザイン性をアップ!

チラシやプレゼン資料に写真を追加する際、通常は四角形で配置されますが、それだけではどこか物足りなさを感じるときがあります。特にマーケティング資料のような訴求力が必要な場合、単純な四角形の配置では物足りなさを感じることがあるでしょう。そのようなときに写真を型抜きすると、全体のデザインが一新され魅力的になります。

「編集」タブで画像を選択したら、「画像を編集」で「切り抜き」をクリックします。

A coffee cup on a saucer Description automatically generated

▲「編集」タブで画像を選択し、「画像を編集」で「切り抜き」をクリック

次に「シェイプ」から正円を選びます。再度、正円をクリックすると拡大縮小の調整も可能です。できたら「適用」をクリックしましょう。

▲シェイプから正円の形を選んで「適用」をクリック

ハート型や星型もあるので、華やかなチラシを作成する際にも役立ちそうです。ちょっとした変更だけでもPDF文書全体の印象が劇的に変わるのでいろいろ試してみてください。

翻訳アプリを使わずにPDFを翻訳できる

英語をはじめとした外国語の文書の日本語への翻訳、あるいは日本語を外国語に翻訳することがPDFでできるようになりました。他社の翻訳アプリを使わずにAcrobatと連携したExpressで手早く翻訳してみましょう。

Acrobatの「編集」タブで「PDFをスタイライズ」をクリックします。

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▲「編集」タブで「PDFをスタイライズ」をクリック

すると、ブラウザーが起動してAdobe Expressに、今見ていたPDFが表示されます。もちろんAdobe Expressで直接PDFを開いてもかまいません。

上部の「翻訳」ボタンをクリックして言語を選択し、「翻訳」ボタンをクリックすると翻訳してくれます。

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▲Adobe Expressに移動したら「翻訳」をクリック

画面右上にある「ダウンロード」から「ダウンロード」を選択して、パソコン内に保存することが可能です。また、Adobe Expressで作成したPDFはアドビのクラウドに保存されるため、Acrobatの「ホーム」画面からも開けるようになっています。

Adobe Expressなら豊富な素材を自由に使えるので、資料の表紙やチラシ作成に役立つでしょう。ダウンロードした後に、Acrobatでしおりやページ番号を追加するのもおすすめです。簡単にプロレベルの仕上がりになりますよ。

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▲Adobe Express上で素材を追加してデザイン性の高いPDFを作れる

このように、AcrobatとAdobe Expressの連携で便利な機能が使えるようになり、PDF編集の幅が広がりました。今回紹介したAI関連の機能はまだ序章に過ぎません。今後もAcrobatは進化を続け、新たな機能が追加されていく予定です。既存の機能だけでなく、新機能を活用すれば、PDFの作成がより効果的かつ創造的になります。Acrobatをフル活用して、魅力的なPDFを作成してみてはいかがでしょうか?