アドビ、ビジネスパーソンの過去の資料活用に関する調査結果を発表
~約4割が資料の検索に10分超の時間を消費、
約6割がAIによる効率化を期待~
アドビ株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:中井陽子、以下 アドビ)は本日、社内資料をデジタル管理しているデスクワーカー400名(フロントオフィス従事者200名/バックオフィス従事者200名)を対象にした、「ビジネスにおける過去資料の活用状況」に関する調査結果を発表しました。この調査は、企業がドキュメント資産を実務でどのように活用し、どのような課題に直面しているのかを探るために実施されたものです。
今回の調査で明らかになった主な結果は以下の通りです。
- 全体の87.0%が業務で過去の社内資料を参照・再利用している
- 過去資料の検索に38.6%が10分超の時間を費やす
- 過去資料を活用する際の、最大の課題は「必要な資料の検索に時間がかかる(52.4%)」、「資料内の必要な情報にたどりつけない(43.4%)」
- PDFで保存されている場合に最も困難に感じる作業は「内容の編集(54.8%)」、「テキストの抽出(40.2%)」
- 全体の58.5%がAIによる過去資料の活用効率化に期待、求める機能は「必要な情報の抽出(46.0%)」
- 全体の約3割がAI導入における主な課題として「情報漏洩(30.8%)」、「ハルシネーション(AIが事実に基づかない情報を生成する現象)など情報の正確性(29.2%)」と回答
全体の87.0%が過去の社内資料を参照・再利用
普段の業務において、デジタル保管されている過去の資料を、どれくらい参照・再利用することがあるかを聞いたところ、「頻繁にある(32.0%)」、「ときどきある(55.0%)」と回答し、全体の約9割が日常的に過去の資料を参照・再利用していることが分かりました。
過去資料の検索に38.6%が10分超の時間を費やす
過去資料を探し出すのに、平均どれくらいの時間をかけているか具体的に聞いたところ、10分以内が半数以上を占める一方で、「20分以内」が25.1%、「30分以内」が8.7%で、「30分超」が4.8%と、約4割(38.6%)が10分以上の時間を費やしていることがわかりました。
過去資料活用における最大課題は「必要な資料の検索に時間がかかる(52.4%)」、「資料内の必要な情報にたどりつけない(43.4%)」
過去の資料を活用する際に困難に感じる点を聞いたところ、「必要な資料の検索に時間がかかる(52.4%)」と「資料内の必要な情報にたどりつけない(43.4%)」が特に多い結果となりました。
また、参照・再利用する資料のファイル形式は「Excelなどの表計算ファイル(66.9%)」が最も多く、2位は「PDF(54.5%)」で、3位の「Wordなどの文書ファイル(49.2%)」を上回る結果となりました。
過去資料がPDFで保存されている場合に最も困難に感じる作業は「内容の編集(54.8%)」や「テキストの抽出(40.2%)」
普段の業務でPDFを「利用している」と回答した人(全体の89.0%)に、過去資料がPDFで保存されている場合にどのような困難を感じるかきいたところ、「内容の編集(54.8%)」が最も多く、次いで「テキストの抽出(40.2%)」、「画像やグラフの抽出(30.3%)」と続きました。
58.5%がAIによる過去資料の活用効率化に期待、求める機能は「必要な情報の抽出(46.0%)」
AIによる過去資料の活用効率化に対する期待は、「大幅に向上する(30%以上の効率化)」が17.0%、「ある程度向上する(10%以上の効率化)」が41.5%で、合わせて58.5%のビジネスパーソンが生産性の向上を見込んでいます。
また、過去資料を効果的に活用するためにAIに求める機能としては、「必要な情報の抽出(46.0%)」が最も多く、次いで同率で「高度な検索機能(42.0%)」と「ファイルの複製、編集(42.0%)」が続きました。
全体の約3割がAI導入における安全性や信頼性を懸念
一方で、AI導入における主な課題として、全体の約3割が「情報漏洩(30.8%)」や「ハルシネーション(AIが事実に基づかない情報を生成する現象)など情報の正確性(29.2%)」を懸念するなど、AIを利用するうえでの安全性や信頼性に不安を抱えていることが分かりました。
今回の調査結果を受け、アドビ株式会社マーケティング本部デジタルメディア ビジネスマーケティング執行役員の竹嶋拓也は、次のように述べています。
「Adobe AcrobatはPDFの有効活用を支援する豊富な機能を有しています。また今後日本語対応が予定されているAcrobat AIアシスタントを活用することで、文書要約や内容検索を簡単に行うことができ、情報資産の管理をより効率化することができます。読み込ませたドキュメントは同意なしに学習のために使用されることがないため、情報漏洩のリスクを防ぐことができます。さらに、指定のPDFが情報の引用元となるため、生成AIで発生するハルシネーションなど信頼性の低い情報が提示されることがなく、安心してビジネスシーンでの利用が可能となります。」
「ビジネスパーソンの過去資料活用調査」 概要
調査方法:インターネット調査
実施対象:400人(社内資料をデジタル管理している会社に勤めるデスクワーカー400名<バックオフィス業務担当者(労務・総務・法務、経理・財務・会計、人事)、フロントオフィス業務担当者(広報、企画・マーケティング、営業、営業企画・営業推進・営業支援)、200名ずつ均等割付>)
調査期間:2024年8月7日~2024年8月9日