「こんな機能を待っていた!」複雑な文章の要点も一瞬でひとまとめに。Acrobat AIアシスタントは有能すぎるパートナー!

こんにちは、フリーライターのヤマダユウス型です! 近年、生成AIを活用したサービスについて、さまざまなところで耳にするようになっていますよね。そんなAI真っ盛りな近頃ですが、Adobe AcrobatでもAIを活用した機能が使えるようになっているってご存知ですか?

その名も「Acrobat AIアシスタント」。これはAcrobatのソフト内(ブラウザー版含む)で開いた文書に対して利用可能なAI機能で、文書の要約や質問、さらに複数のファイルに対しての解析や議事録作成など、ドキュメントに関するあらゆる場面で活躍してくれる優れものなんです!

「でもさ、それって他のAIとどう違うの?」と、そう考えたアナタは鋭い。すでにChatGPTやPerplexityなど、日常でよく使われるようになっているAIサービスがありますが、それらと「Acrobat AI アシスタント」の違い、それはズバリ、文書の処理に特化している点です。

PDFはビジネスシーンだけでなく、大学論文や国が公布している法令文書などにも採用されることが多いファイル形式。いわば、おカタイ内容を取り扱うことが多いともいえますし、それゆえにファクトチェックが何より重要といえます。「Acrobat AI アシスタント」はそこを理解していて、インターネットの検索結果を提示するのではなく、文書内容をベースとした事実に即した回答に特化しているんです。ハレーションが起きづらい、ともいえますね。

では、そんな文書処理に特化した「Acrobat AI アシスタント」は、どんな場面で活用できるのでしょう?早速紹介していきますね!

AI アシスタントを一言で言うと・・・「要点を正確にまとめてくれる有能なパートナー」!

僕はフリーランスのライターで、さまざまなジャンルの文章を書くことを仕事にしていますが、ときには公的な文書に目を通して内容を確認することもあります。でも、ハッキリ言ってそれらを頭からお尻まで全部読むのは本当に大変ですよね。

と、こんなときこそAI アシスタントの出番。難解な文章はAIに分析してもらい、「知りたい部分だけを教えてもらう」のが効率的ですよね。今回は僕の仕事にも関係してくる、2024年11月1日に施行された「フリーランス新法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)」を例に、法令文書のPDFをAIと一緒に読み解いてみます。

というわけで、厚労省のサイトから「<通達>特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律の施行に伴い整備する関係政省令等の公布等について」というPDF文書をダウンロードしてきました。タイトルからしてすでに難解な雰囲気・・・。

引用元:厚生労働省HP(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/zaitaku/index_00002.html)

文書を開いてみると、ページ数はなんと123ページも! 昔だったら全ページ読む必要がありましたが、今はもうAIの時代です。右上のAI アシスタントを選択して、分析していきましょう。

ウィンドウ右側にAI アシスタント専用の枠が表示され、文章の解析がスタート。解析が終わると文書の概要を表示してくれます。今回の場合なら「この文書は、特定受託事業者に係る取引の適正化に関する法律の施行に関する政省令等の公布についての通知です。」と表示してくれており、正しく解析できているといえますね。

このあとは知りたい内容を質問したり、特定の内容にまとめたりするフェーズに入ります。しかし「そもそも何を質問すればいいか分からない」という人もいるはず。

そんなときは、AI側が提案している質問を選んでみるのも有効です。文書によっては、大まかに「理解」「解析」「生成」といった方向を提示してくれるものもあります。文書の内容を知りたいなら「理解」、分析してまとめたいのなら「解析」、文書をベースに新たな文書を作りたいなら「生成」、といった具合ですね。

さて、今回はこの文書のなかでもフリーライターが知っておくべき部分を調べたいとします。なので、AI アシスタントに「本文書のうち、フリーランスのwebライターが理解しておくべき内容を教えて下さい」と質問してみました。

すると「特定受託事業者の定義」「業務委託の内容」「報酬の支払い」など、重要なトピックについて教えてくれます。これらの文章はAI アシスタントが勝手に生成している文章ではなく、ソースは参照した文面内に存在します。なので引用元も一緒に示してくれ、クリックするとすぐにジャンプ可能。これがとても便利! より詳細に知りたい部分などにすぐ移動でき、なおかつ情報の正しさを担保できている点も安心です。

しかし、AIがここまでやってくれても、教えてくれた条文はまだまだ漢字が多くて分かりにくい。よーし、AI アシスタントに簡単な言い回しへ変換してもらいましょう!

何行にも渡っていたおカタイ文章が、二行程度の簡潔な文章になりました。これなら読みやすい! 言い回しが変わっても引用元は残っているから、原文に当たることも可能です。公文書や論文は難解な文章になっていることが多いのですが、こうして要約や簡潔化をすることで一気に読みやすくなりますよ。

グラフィカル ユーザー インターフェイス, テキスト, アプリケーション AI によって生成されたコンテンツは間違っている可能性があります。


要約については要約専用の「生成要約」ボタンまであるので、「この文書を要約して」と入力する手順すら不要。また、AI アシスタントとのやり取りはファイルを閉じてもログが残るので、数日後に「あの時何を質問したっけ?」と振り返ることもできます。

また、AI アシスタントは異なる複数のファイルに対しても利用可能。WordファイルやPowerPointのファイルなどもAcrobatに投げてしまえばAI アシスタントの範疇になります。拡張子の異なるファイルたちをPDF化して、AI アシスタントで横断的に情報を検索する、なんて芸当もできちゃうわけです。

ネットに溢れる情報から集めた真贋不明な内容ではなく、正確な一次ソースでまとめてくれるのがメリット

このように、文書内の情報に対して処理をかけられるのが「Acrobat AI アシスタント」のメリット。いま手元にある一次ソースに対して取捨選択のアプローチができるため、ページ数が増えがちなPDFファイルとは好相性といえますね。

今回はフリーランス(個人事業主)においての使い方を例に挙げましたが、士業(弁護士、司法書士、税理士など)といった、公文書に目を通すことが多い職業にもAI アシスタントはオススメです。読み物の時間を圧縮できれば、作業効率全体の向上が見込めるでしょう。

AI アシスタントはPCのブラウザー版Acrobatや、スマホ版のAcrobatアプリからも利用可能。クラウドストレージを利用して、移動時間に効率よく文書を読み解いておくこともできますね。

これからさらに便利になるAI アシスタント

ここまででも充分に便利なAI アシスタントですが、これからさらに進化することでしょう。

例えばAcrobatのOCR機能(光学文字認識、手書き文字をテキストとして認識できる)を活用し、Adobe ScanでPDF化した紙資料の自動要約。あるいは、英語など多言語文書の翻訳と日本語での要約、引用元の表示。縦書き文書の解析などなど・・・。これらは、すでに実装されている機能ではありますが、ますますのパワーアップに個人的には期待大、です!「最強のツール」を目指して、ぜひAdobeさんには頑張って欲しいですね。

「Acrobat AI アシスタント」は、月額680円〜で利用可能。Acrobatの無料ユーザーであっても、AIアシスタントのサブスクプランに加入すればAI機能が利用できます。Acrobatの有料ユーザーの場合も、別途契約が必要です。日々、文書を読むことが多い人ほど「Acrobat AI アシスタント」の恩恵は大きいはず。自分の代わりに長文を読んでもらうパートナーを雇って、業務効率をアップさせてみませんか?