今から始める画像生成 AI 第 11 回:母の日に感謝を伝えるポストカードを Adobe Firefly で生成しよう!
今年ももうすぐ母の日です。生成 AI があれば、オリジナルの母の日カードをつくることもできそうです。そこで今回は「母の日に感謝を伝えるポストカード」をテーマに、Adobe Firefly で画像を生成したいと思います。
準備は、ブラウザで Firefly Web 版を開くだけです。今回は、新しく利用可能になった Image4 を試すため、Image3 の生成結果と比較しながら進めます。
Image3 は文字の生成が苦手でした。その差を見るため、プロンプトには欲しいテキストと書体を明示的に指定して、「母の日のポストカード、淡い水彩風、花々に囲まれた「Happy Mother's Day」のエレガントな筆記体、美しいゴールドのアクセント」と入力します。
まず Image3 で、クイックモードを ON にして生成してみましょう。ポストカードなので、縦横比は 3:4 です。
花の立体感が強く感じられます。指定したテキストも読める形で生成されました。
次は、Image3 で、クイックモードを OFF にして生成します。
なぜか全体的に中華風になりました。クイックモード ON の方がテキストの生成が苦手なようです。
さて、いよいよ Image4 です。どんなポストカードが生成されるでしょうか。
そのままポストカードとして使えそうなデザインです。「Mother’s」の文字は、微妙にグラデーションのかかったゴールドになっています。これは期待できそうな予感がします。
ちょっと意地悪ですが、プロンプトからテキストの指定を削除して比較してみましょう。新しいプロンプトは、「可愛い母の日カード、シンプルなイラストのカーネーション、手書き風の感謝メッセージ、温かみのあるデザイン」です。
まずは、Image3 で、クイックモードを ON にして生成します。
いちおう、手書き風のメッセージらしきものは生成されました。ビンテージに見える処理がされた背景になっていて、カーネーションが真ん中にドン!という感じが斬新です。
次は、Image3 で、クイックモードを OFF にして生成します。
クイックモード OFF では文字が生成されませんでした。写生風の絵は緻密さがあります。とはいえ、「可愛い母の日カード」という記述にはそぐわない絵柄です。
最後に、Image4 を使って生成します。
シンプルすぎてイマイチなデザインになりました。文字も読めたり読めなかったりです。もしかすると、Image4 は「シンプルなイラストのカーネーション」など、プロンプトの指定に対する忠実度が高いのかもしれません。文字が読めなくなったのも、テキスト指定を無しにしたせいかもしれません。
そこで、テキスト指定の有無による影響を比較してみます。まず、プロンプトを「北欧デザインの母の日ポストカード、ミニマルな花のイラスト、洗練されたタイポグラフィ」にして、Image4 で生成します。


テキストは指定していないのに「Happy Mother's Day」が生成されました。ということは、前のプロンプトでは「手書き風の感謝メッセージ」の記述が邪魔をしていたのかもしれません。二つともちゃんとデザインされている感があります。特に左は、レイアウトも配色もいい雰囲気です。
次は、プロンプトに明示的にテキストを記述します。新しいプロンプトは「北欧デザインの母の日カード、ミニマルな花のイラスト、洗練されたタイポグラフィ「Happy Mother's Day」」です。


文字の読みやすさは、こちらの方が上のように見えます。最後の一行の小さなテキストは読めませんが、Image3 では苦手だった文字が、Image4 だとそれなりに扱えるようになったのは大きな進歩と言えるでしょう。
今度は、スタイル指定による差を比較してみます。Image3 でクイックモードを ON にすると乱雑なイラストが生成されがちなので、ここからは、Image3 はクイックモード OFF のみにします。
プロンプトにスタイルの記述を追加します。「北欧デザインの母の日ポストカード、ミニマルな花のイラスト、洗練されたタイポグラフィ、落ち着いたニュートラルカラー」と入力して、Image3 で生成します。


落ち着いた色を指定したとはいえ、くすんだ色味です。これは Image3 の特徴のようにも見えます。また、母の日カードとしては、やや煩雑で古臭い印象のイラストです。
同じプロンプトで Image4 を使って生成します。


こちらはちゃんとカードっぽいデザインになりました。色も暗すぎず、草花のかわいらしさが感じられるシンプルなイラストです。プロンプトには指定していないテキストもちゃんと生成されており、イラストとのバランスは悪くありません。
次は、プロンプトテキストではなく、Firefly の機能でスタイルを指定してみます。ついでに、Image3 でも文字を生成したいので、生成したいテキストを明示的に指定します。新しいプロンプトは、「北欧デザインの母の日ポストカード、ミニマルな花のイラスト、洗練されたタイポグラフィ「Happy Mother's Day」」です。
スタイル効果の「カラーとトーン」に「パステルカラー」を指定して、Image3 で生成します。


左は、蓮の花っぽい点が若干気になるものの、色は綺麗です。文字は読めなくありません。右は、落ち着きのある、女性らしいピンクを基調とした美しいカラーになりました。イラストが良いだけに、文字が残念です。
さて、Image4 ではどうなるでしょうか?


Image4 は、「カラーとトーン」を指定すると写真になることが多いようです。左は、いろいろなオブジェクトが散りばめられたちょっとおもしろいデザインです。右は、やや物足りないながら無難ですっきりとしたデザインです。自分で書き足したい人向けかもしれません。
スタイルの「効果」に「モダンアート」を指定して比較します。まず Image3 です。


あまりモダンに感じられません。暗い絵柄になりました。特に右は文字が残念です。
つづけて Image4 です。


有機的な線で構成された背景になりました。少々生成 AI っぽさはありますが、こういうポストカードは実際にありそうです。「モダンアート」の解釈が、Image3 と Image4 で全く違うのは面白い所です。
最後に、プロンプトの「北欧」に「スカンジナビア風」のスタイル効果を追加してみます。まず Image3 です。


例によって色味は暗めですが、作家性が感じられるイラストになりました。左の画像は、文字に目をつぶれば良い出来だと思います。
さて、Image4 です。


またまた写真になりました。写真になっても、文字に関する改善は明らかです。左は花が少し寂しい気もしますが、右はこれでありかもしれないと思わされる出来栄えです。
今回の一枚はこれにします。タイポグラフィの配置、花のイラストの入り方、配色など、バランスのよいデザインが生成されました。ハートマークが入っているのも、わくわくする感じで、母の日カード向きのイラストと言えるでしょう。
※設定:上記全て、コンテンツの種類=自動、構成=なし、スタイル【視覚的な適用量】=中、スタイル【強度】=中、効果【ライト】=なし、【カメラアングル】=なし
<番外編 >
新しく追加された「ベクターを生成」を試してみます。縦横比が 1:1 固定になるため、今回は直接比較するのではなく番外編にしました。以下、コンテンツの種類に「件名」を選択して生成しています。
生成例:1
プロンプト「北欧デザインの母の日ポストカード、ミニマルな花のイラスト、洗練されたタイポグラフィ」。スタイル効果のカラーとトーンに「鮮やかなカラー」を指定。


カラフルで、サンセリフ体に近いフォントです。「ベクターを生成」は Image3 ですが、文字の扱いが苦手ではないようです。
生成例:2
プロンプト「ボタニカルデザインの母の日ポストカード、繊細なラインアートの花、落ち着いたパステルカラー、洗練されたレタリング」。スタイル効果の指定は無し。


華やかな印象のイラストが生成されました。文字もちゃんと読めるものがデザインされており、配色も良い感じです。
生成例:3
プロンプト「ボタニカルな北欧デザインの母の日ポストカード、ミニマルな花のイラスト、洗練されたタイポグラフィ、落ち着いたニュートラルカラー」。スタイル効果の指定は無し。


ありがちなデザインですが、それなりのクオリティのものが生成されました。文字も読めますし、配色もボタニカルな北欧デザインと、概ね指示どおりです。