企業事例に学ぶ生成AI導入の成功要因 | Acrobat Tech Talk
2025年8月29日、アドビ株式会社 東京オフィスにて「Acrobat Tech Talk」が開催されました。Acrobat Tech Talk は、ドキュメント資産の活用に向けてAI導入を検討している企業や行政機関の関係者が、アドビ東京オフィスに集まり情報交換を行うイベントです。
今回のAcrobat Tech Talkでは米国アドビ本社よりプロダクトマーケティングディレクター 山本晶子を迎え、「ドキュメント × 生成AI」の最新動向や国内外の事例を紹介するセッションが行われました。あわせて、Acrobat AIアシスタントのデモンストレーションやネットワーキングも実施され、参加者が具体的な課題や活用方法を共有しながら学びを深める機会となりました。
AIが変える⽂書作成の新常識
冒頭のセッションで山本は、企業で生成されるデータの約8割が非構造データであることを指摘。その多くがPDF形式で蓄積されている一方で、十分に活用されていない現状が課題として示されました。特に「情報が存在していても検索や再利用が難しい」という点が、業務効率化の大きな壁となっていると強調されました。
続いて、Acrobat AIアシスタントが非構造データの活用をいかに支援できるかを具体的に紹介。営業担当者が提案書を作成するケースを例に、AIが関連文書を要約し、ドラフトを短時間で生成するプロセスが示されました。
また、日本企業における全社的なAcrobat AIアシスタント導入事例が具体的に紹介されました。導入成功の要因として「目標の明確化」「トップダウンとボトムアップの融合」「具体的なユースケース設計」が挙げられ、会場からも関心を集めました。
山本は最後に「生成AIは単なるツールではなく、業務を共に進めるパートナーとなる存在である」と語り、今後の技術進化により企業のドキュメント活用の可能性がさらに広がると展望を示しました。
営業提案書やマーケティング資料作成でのAI活用
続くセッションでは、アドビ株式会社の安藤夕姫が登壇し、Acrobat AIアシスタントの主要機能と活用方法をデモを交えて紹介しました。最大600ページに及ぶ契約書やスキャンデータなどのドキュメントを迅速に解析し、要約や比較、新規ドラフトの作成を支援できる点が示されました。
特に注目されたのは、回答の根拠を明確に示す「アトリビューション(出典表示)」機能です。数百ページにわたる政府統計のような長文文書であっても、「どのページのどの文の内容に基づく回答か」を正確に提示できるため、情報の信頼性が担保されます。また、一度に最大600ページの文書を10ファイルまで読み込み、必要な範囲を指定して利用できるため、古い情報やドラフト版の資料を誤って参照してしまうリスクを防ぎ、正確なドキュメント作成を可能にします。
さらに、営業提案書やマーケティング資料など、日々の業務に直結する具体的なユースケースも紹介され、実際の業務にどのように適用できるかをイメージしやすい内容となりました。加えて、アドビならではの強みとして生成AI「Firefly」との連携も進んでおり、テキストにとどまらず画像を含む文書生成も可能になるなど、活用の幅が広がっている点も紹介されました。
イベント後半では、各テーブルに配置されたアドビのソリューションコンサルタントと共に、参加者が実際にAcrobat AIアシスタントを体験しました。具体的な業務課題を題材にディスカッションが行われ、「便利な機能を発見できた」「疑問をその場で解消できた」といった声が多く寄せられました。また、その後の軽食を楽しみながら登壇者や参加者同士でのネットワーキングでは、「他社の事例を知ることができた」「対面での情報交換はやはり貴重」といった声を頂きました。
今回のAcrobat Tech Talkは、生成AIによるドキュメント活用の可能性を深く探る場となりました。今後も、生成AIを活用した業務効率化と新しい働き方をテーマに継続的に開催予定です。次回のイベントで、また皆さまとお会いできることを楽しみにしています。
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ご参加いただいた皆様、どうもありがとうございました