25年のキャリアを持つ講師が伝える、動画編集の魅力と可能性|講師インタビュー:河野 緑

Adobe Premiereコース」の講師を第1期から勤めてきた河野 緑(こうの みどり)先生は、映像編集講師として、テレビ局や企業、学生から社会人まで幅広いターゲットに向けた講義を開催するほか、映像制作、書籍執筆など多方面でご活躍されています。著書の『知識ゼロからはじめる Premiere Proの教科書』は、Amazonのデジタルエンターテイメント部門でベストセラー 1位を獲得。また、Adobe MAX JapanやCC道場などのイベントにも多数出演するなど、その明るく、楽しく、そして全力で取り組む講義スタイルは多くの受講生から厚い支持を集めています。そんな河野さんの経歴、クリエイティブカレッジに対する思いや日々の取り組みなどについてお話を伺いました。

映像の世界に飛び込んだきっかけは、まさかの業務命令?

もともとグラフィックに興味があり、広告関係の仕事にも携わっていた河野さん。映像の世界に足を踏み入れたきっかけは何だったのでしょうか。

「もう25年くらい前ですかね。グラスバレーという業務用映像関連機器メーカーとの協業でセミナールームを立ち上げることになり、そこで『講師として編集ソフトの導入や使い方などを教えてくれ』と会社から突然言われて。それまでPhotoshopやIllustratorは使っていたんですが、映像系のソフトは初めてだったので、最初は『えっ、私が?』という感じでした。でも クリエイティブなことには変わりないし、昔から映画も好きでしたし、意外と抵抗なく覚えることができました。 むしろやっていくうちにどんどん面白くなって。当時はYouTubeとかまだなかった時代で、海外サイトのチュートリアルとかを夢中で読み漁りながら、ほとんど独学でスキルを身につけた感じですね。それから独立して、講師を続けながら書籍を執筆したり、雑誌の記事を書いたり、時には映像制作の仕事もするようになりました」

河野さんが映像の世界に足を踏み入れたきっかけが、実は会社の業務命令だったというのはちょっと意外でしたね。

持っていて損はない、動画編集スキル

映像関連の仕事を25年以上も勤めてきた河野さん。そんなベテランの目に、映像のどんなところが魅力的に映り、どんな可能性を見出しているのでしょうか。

「今って、『動画編集くらいはできて当然』という空気があるじゃないですか。SNSでもwebサイトでも、動いてて当たり前。コロナ禍でオンライン配信が爆発的に増えたこともあって、動画の存在感が一気に高まったのではないかと思います。以前は『ちゃんとした動画』を作るには、高い機材や大きなチームが必要でしたけど、今は個人でもアイデア次第で勝負できる。これって本当に面白い時代だと思うんです。可能性がすごく広がっているのではないでしょうか。持っていて決して損はないスキルだと思います」

受講生から感じる「熱さ」と「温かさ」

河野さんは、「Adobe Premiereコース」の卒業課題制作「実践ワークショップ」を担当し、卒業課題の立案から作成、提出された作品のレビュー、評価までを行なっています。これまでに 3,000本以上もの課題作品を見てきた 河野さんは、その作品から何を感じとっていたのでしょうか。

とにかく受講生の皆さんの熱量がすごいんです。私が出す課題に対して、構成をきちんと考えて、撮影もして、本当に時間をかけて作ったんだなっていうのが伝わってくる作品がすごく多い。そこにすごい成長の種というか、可能性みたいなのを感じるものがいっぱいあったり、中には本当にもうこのまま進めば絶対クリエイターになれるよみたいな人もいます。そういう制作にかけるエネルギーみたいなものを皆さんからもらっていて、私自身すごく刺激になっています

さらに河野さんは実践ワークショップ以外にも、受講生からの質問に講師がリアルタイムで答えるライブ配信「オフィスアワー」も担当。クリエイティブカレッジ入校式・卒業式などにも積極的に参加し、受講生たちとの交流を深めています。そこで感じたのは、一緒に学ぶ同士の「つながりの強さ」だと話します。

「みんな本当に仲良しで、互いに励まし合ったり、喜びを分かち合ったり、そこにはちょっと驚きました。『これほんとにオンラインスクール?』って。オフィスアワーでちょっと難解な質問が出て私が考えていると、他の受講生がサポートしてくれたりすることもあります。課題発表会では受賞作品に対して『おめでとう!』って声がチャットで飛び交ったり。本当に和気あいあいと盛り上がってくれて、すごく温かい雰囲気なんですよ

大事なのは、小さな成功体験の積み重ね

動画編集は工程が多く、専門用語などもたくさん出てきて、途中で挫折してしまう人も少なくありません。長年にわたって動画編集に携わってきた河野さんに、続けていくために大事なことは何かを聞いてみました。 「最初から完璧を求めすぎないこと。いきなり5分の映像を完璧に作ろうとすると挫折します。まずは15秒。課題を1本完成させるだけでも大きな達成感になります。自分の作品に満足できなくてもいい。『もっと良くしたい』と思えることが次の成長につながるんです。私も今まで100点満点だと思える作品なんて作ったことないですよ」

クリエイティブとは「人を動かす力」

クリエティブなことが大好き!という河野さん。ズバリ、河野さんが考える「クリエイティブ」とは?

人の心を動かすもの、ですね。感動させたり、行動を変えさせたり、何かを伝える力。それがあって初めて『クリエイティブ』と言えるんじゃないかと思っています。

もちろん美しい作品を作ることも大切です。でも、それだけじゃなくて、見る人が何かを感じたり、動いたりする。そこまで含めて、はじめて意味のあるアウトプットになるんじゃないでしょうか」。

学びの場であり、つながりの場でもあるクリエイティブカレッジ

最後に、これからクリエイティブカレッジを受講してみたいと思っている方に向けて、河野さんからメッセージをいただきました。

クリエイティブカレッジは、『学びたい!』という思いにしっかり応えてくれる場所です。そして、講師や仲間とのつながりもすごく温かい。イベントやコラボ企画も豊富で、Premiereだけでなく色彩やデザイン、さまざまな視点で学べるのも魅力のひとつです。無料でこれだけの体験ができる機会は、他ではなかなか得られないと思います。まずはぜひ、気軽に参加してみてください。きっと新しい世界がパッと開けるはずです」

Adobe Premiereコース」は第9期より新しい講師陣を迎え、Premiereの最新機能を盛り込んだ充実した講座内容となっています。河野さんの担当する「実践ワークショップ」も新しい卒業課題のテーマが準備されています。ぜひ一緒に学んでみませんか。

河野 緑

オフィスユニコ 代表 / 映像編集ソフト講師 / 映像クリエイター。映像編集講座の企画・運営、コンテンツ作成、トレーニング書籍の企画・執筆などを手掛ける。主な著書は『知識ゼロからはじめる Premiere Proの教科書』、『イラレユーザーのためのAfter Effects入門』。Premiere Proの新たな入門書を2025年秋に発売予定。

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