アドビ CEOから企業の社会的責任に関するメッセージ

アドビは企業の社会的責任に関するCEOメッセージを公開。2020年、サステナビリティ、ダイバーシティとインクルージョンの分野において、テクノロジーを通して様々な変化をもたらしてきました。

Adobe Corporate Social Responsibility

この1年で世界の情勢は驚くほど変化しました。人々が繋がり、交流し、学び、そしてビジネスを進めていくために、デジタルエクスペリエンスは極めて重要なものになりました。世界が直面している問題を解決するための専門知識を提供し貢献する企業が増えるなど、企業は新たなパーパス(存在意義)を持つようになりました。アドビでは、新型コロナウイルス感染症のパンデミック対応や、お客様、従業員およびコミュニティへのサポートに取り組んできました。

アドビは、人々が世界を変えられるような製品を作ることをミッションとして掲げています。当社の目的は、最も大きな影響を与えることができる分野において、人材、プラットフォーム、クリエイティビティおよびイノベーションを強化し、変化をもたらすことです。

社会に有益なテクノロジー

アドビは、テクノロジーが人々の生活を変え、コミュニティを活性化し、より持続可能性の高い未来を作り出すことができると信じています。アドビの製品は、人々の生活のあらゆる側面において大きな影響を与えてきました。

私たちは、クリエイティビティが人々の生活を助け、他者との繋がりを生み、ひらめきをもたらす、とてつもない力であることを確信しています。Adobe Creative Cloudは、人々にストーリーを伝えるためのツール、コミュニティ、そしてプラットフォームを提供するサービスです。場所を問わず、誰とでも協力できることが求められる世界では、デジタルワークフローがチームの生産性と効率性を向上させます。 Adobe Document Cloudは、人々のデジタルドキュメントへの関わり方を再定義し、生産性を加速させています。Adobe Experience Cloudは、すべての事業がデジタル化された現代において、企業があらゆるタッチポイントから優れた顧客体験を提供することを可能にします。

アドビのテクノロジーは、行方不明の子供や搾取されている子供たちの発見、誰もが簡単に読めるドキュメントの提供、社会正義の推進などに貢献しています。特に血液が必要とされるにもかかわらず、確保が難しい状況にあったパンデミック時には、米国赤十字社とパートナーシップを組み献血申し込みを促進しました。#BlackHealthNowは、アドビのクリエイティブツールを活用し、健康格差に対する意識の向上と行動を促しました。2020年、アドビのデジタルエクスペリエンステクノロジーにより、10年ごとに実施する国政調査が初めてオンラインで実施されました。またAdobe Creative Cloudを使用して、義肢を独自にデザインし、パーソナライズすることで、義手の子供たちに力を与えています。

倫理と誠実性

世界を変えるテクノロジーを世に出す際、アドビは社会に利益をもたらすためにテクノロジーが使われることに全力を注いでいます。アドビはコンテンツの透明性と帰属に関する基準を設定するために、現在150以上のメンバーで構成されるContent Authenticity Initiative(CAI;コンテンツ認証イニシアチブ)を主導しています。昨年、Adobe PhotoshopとAdobe BehanceにCAIの帰属ツールを搭載し、クリエイターが簡単かつ安全にコンテンツ素材の編集に関する情報を付け加えられる手段を提供しました。

AI(人工知能)が強化され普及する中、アドビは責任あるテクノロジーの利用促進と、データに潜在しうる偏見が助長されることの無いよう、責任の範囲、説明責任および透明性の理念に一連のAI倫理原則を定めました。新たに発足したAI倫理委員会が、これらの原則に基づき、AI関連のあらゆる新機能と製品を審査します。

データプライバシーの観点からは、ユーザーに選択肢と権限を与え、データがどのように取扱われるのか透明化することを重視しています。製品開発の段階からプライバシーを考慮し、利用される企業が責任を持って顧客のデータを管理できるように支援していきます。

ダイバーシティとインクルージョン

アドビは、すべての人が平等に扱われ、平等な機会が与えられるべきであると考えています。また、多様性を尊重する職場作りは、正しいことであると同時に、従業員の先にいる幅広い顧客層に対応するためにも不可欠であると考えています(2020年Adobeのダイバーシティ&インクルージョン報告書をご覧ください)。

当社は2018年10月、世界的に男女の給与の平準化を行いました。2020年9月にこれを再確認し、米国における少数民族などのグループに属する(URM;Underrepresented Minority)従業員と非URMの従業員の間における給与の平準化を発表しました。さらに機会均等を推進するための取り組みも行っており、各人口グループ間における昇格や異動の平等性を検討しています。昨年は、アドビのブラックコミュニティの評価、育成および成功を促進することを目的としたTaking Action Initiativeを立ち上げました。職場の多様性が高いほど、ロールモデル、進歩および成長が促される好循環が生まれると確信しているため、多様性のさらなる強化を目標に掲げています。

アドビは、アクセシビリティを念頭に置いて製品を開発しており、政府や業界のリーダーと協力した上でwebアクセシビリティ基準を設定し、インクルージョンを促進しています。また、あらゆる人に受け入れられるインクルーシブなデザインにすることが、アドビのアクセシビリティ戦略の中心であり、より幅広い視点から物事を考え、より多くの意見を求め、さらにアクセシブルな製品を作るよう、デザイナーやエンジニアを教育しています。

デジタルリテラシー

アドビは、人々がクリエイティビティを発揮して目標を達成するためのツール、スキル、プラットフォームを世に出すために継続的な投資を行い、クリエイティビティの民主化をもたらします。

私たちは、Adobe Digital AcademyAdobe Women-in-Technology ScholarshipおよびAdobe Design Circle Scholarship Initiativeなどを通じ、テクノロジーとデザイン分野で活躍できる人材の育成にも取り組んでいます。アドビは、新進の映画製作者による技術開発とストーリーの共有を支援するSundance Ignite Fellowshipを継続するだけでなく、同様の支援を提供するWomen at Sundance Fellowshipを創設した最初のブランドでもあります。新設されたDiverse Voices プラットフォームでは、様々なクリエイターのストーリーを紹介し、インスピレーション、教育、そして繋がりを得るための共通の場を提供しています。

サステナビリティ

気候変動の影響は、私たちがこの地球を守るためにしなければならないことを明確に示しています。2020年を通して、アドビはエネルギー効率の向上、脱炭素化への貢献、再生可能エネルギーの導入など、革新的な手段を取り入れ、当社のサステナビリティ目標を大きく前進しました。温暖化を1.5度以内に抑制する気候ガイダンスに合わせ、当社のScience-Based Targets(科学的根拠に基づく排出削減目標)を引き上げました。私たちの目標は、再生可能エネルギークレジットを使用しない、真の再生可能エネルギーの展開を実現することです。

アドビは、CDP気候変動Aリストに5年連続で選出されました。これは、評価対象となった約10,000社のうち、上位2.8%に与えられる栄誉です。

また、クラウドベースのソフトウェア配信、デジタル文書、AI、3DとAR(拡張現実)およびバーチャルコラボレーション分野におけるアドビのイノベーションは、廃棄物ゼロかつ二酸化炭素ゼロの未来に向け、お客様がより効率的に事業を展開し、サステナビリティ目標を達成することをサポートしています。

その他の取り組み

2020年にアドビが達成した事項を誇りに思う一方で、やるべきことはまだまだ存在します。2021年以降もポジティブな変化をもたらすために、アドビの最高の人材、製品、クリエイティビティ、イノベーションを強化していくことをお約束します。

※アドビの『企業の社会的責任に関する2020年報告書(英語)』はこちらをご覧ください。

※この記事は、2021/4/20(米国時間)に公開されたブログの抄訳です。