プロダンスチーム CyberAgent Legitがダンス映像制作に挑戦!<STEP5 アニメーション 【分身編】>

CyberAgent Legitのメンバーが、ダンス動画の撮影からPremiere ProとAfter Effectsを使った編集まで、映像制作に挑戦する様子をお届けします!

「かっこいい映像を作れるようになる」ために、撮影の心得や編集のノウハウを講師の方々から教わり、実践していきます。

ひと味加えたダンス動画を作りたい方はもちろん、映像制作初心者の方も、一緒に挑戦してみませんか?

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この連載では、CyberAgent Legitのメンバーが、ダンス動画の撮影からPremiere ProとAfter Effectsを使った編集まで、かっこいい映像制作に挑戦する様子をお届けします!

ひと味加えたダンス動画を作りたい方はもちろん、映像制作初心者の方も、一緒に挑戦してみませんか?

<連載内容(予定)>

Step1 完成イメージが大事!コツをおさえて撮影してみよう

Step2 Premiere Proでダンス映像を編集してみよう 〜基礎編〜

Step3 Premiere Proでダンス映像を編集してみよう 〜応用編〜

Step4 After Effectsでダンス映像にアニメーションを入れてみよう 〜カメラワーク作成編〜

Step5 After Effectsでダンス映像にアニメーションを入れてみよう 〜分身編〜 →今回はここ!

Step6 After Effectsでダンス映像にアニメーションを入れてみよう 〜フラットアニメーション合成編〜

Step7 After Effectsでダンス映像をバシッと止めるスタビライズダンスの作り方

最終回 7つのStep総まとめ

Step5 After Effectsでダンス映像にアニメーションを入れてみよう 〜分身編〜

今回のテーマ「After Effectsで、分身する映像を作ってみよう!」

前回から引き続き、TAKUMIさん(CyberAgent Legit)のストリートダンス動画を使い、以下のようなダンス動画を作っていきます!

ダストマンさん作成分身動画

今回もAfter Effectsのワークショップから、YouTubeチュートリアル動画でもおなじみ、 ダストマンさんが講師をつとめます!

テキスト, 手紙
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映像制作に挑戦していただくのは、第一生命D. LEAGUEで活躍されているプロダンスチームCyberAgent Legitのみなさん!

グラフィカル ユーザー インターフェイス, アプリケーション
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※TRACEYさん、enaさん、Kotoriさんはお仕事のため、今回のワークショップは欠席です。

前回、固定カメラで撮影したTAKUMIさんのダンス動画を、手持ちのカメラで撮影したようなカメラワークを加えて動画を作りました。

今回はさらに、TAKUMIさんが分身する演出を加えていきます。

それでは編集ワークショップの様子を見ていきましょう!

1.分身する映像を作ってみよう!

ノートパソコンで作業をしている人たち 自動的に生成された説明

ダストマンさんの解説を聞いて、編集を進めるCyberAgent Legitのメンバー

ダストマンさん:

ダンス動画にカメラワークをつけることができたので、ここからは分身をする編集を実際に行なっていきましょう!

まず、カメラワークをつけたレイヤーの複製を行います。< メニューバー >の[ 編集 ] > [ 複製 ]を選択し、タイムライン上に同じレイヤーを表示させます。

複製は、以下のショートカットキーでも行うことができます。

Windows:Ctrl + D

Mac:⌘ + D

コンピューターのスクリーンショット
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各レイヤーの左端に、ボリュームのアイコンがあり、レイヤーを複製すると、その分、素材の音声も重なって大きくなるので、複製した方のレイヤーは、ボリュームアイコンをクリックして、音声を消しておくようにしましょう。

モニター画面に映るゲーム画面
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次に、7秒23フレームの、TAKUMIさんが右腕を伸ばして静止する場面を切り抜いていきます。

上に配置されているレイヤーを選択し、ショートカットメニューから、[ 時間 ][ フレームを固定 ]をクリックします。

コンピューターのスクリーンショット
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レイヤーは、より上に重なっているものが優先的に表示されるので、この状態で再生すると、7秒23フレームのTAKUMIさんが静止して、先ほどのカメラワークが動いている映像になります。

次に、コンポジションパネル内をダブルクリックすると、画面が元の大きさになり、レイヤーパネルとして表示されます。

このレイヤーパネルは、フレームを固定したレイヤーを切り抜くために使っていきます。

画面左上のツールパネルから、[ てのひらツール ]を選択して、レイヤーパネル内のTAKUMIさんをできるだけアップで捉えてください。

グラフィカル ユーザー インターフェイス
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ツールパネルの中から[ ロトブラシツール ]を選択し、人物の切り抜きを行なっていきます。

ロトブラシツールで人物をドラッグしながらなぞっていくと、背景と人物の境界線で切り抜きをしてくれます。はみ出した部分はWindowsの場合はAltキー、Macの場合はoptionキーを押しながらクリックすると、削り取られます。

TAKUMIさんの全身を囲むことができたら、コンポジションパネルに戻って再生してみると、切り抜いた部分が残されている映像ができます。

ノートパソコンで作業をしている人たち 自動的に生成された説明

助け合って編集するKAI→さん、地獄さん、TAKUMIさん

FISHBOYさん:
このまま再生すると、分身した方が最初から画面に居続けてしまうのですが、場面ごとに消せますか?

ダストマンさん:
タイムラインの、レイヤーの色がついている部分は表示されるので、表示したい部分だけ帯の長さを調節してみましょう!

まず再生ヘッドを7秒23フレームのところに合わせておきます。薄緑色のラインの端にカーソルを合わせると長さ調節のアイコンが表示されるので、再生ヘッドの部分までドラッグして、ラインの長さを削ります。

後半部分も、止まったTAKUMIさんが画面外に出たタイミングに再生ヘッドを置き、ラインの端から削ることで、一部分のみの表示ができます!

FISHBOYさん:
ありがとうございます!これをショートカットキーで、できたりしますか?

ダストマンさん:
以下のような便利なショートカットキーがあります。

【 0秒から途中の再生ヘッドまで削る場合 】
Windows:Alt + [
Mac:option +  [

【 最後から途中の再生ヘッドまで削る場合 】
Windows:Alt + ]
Mac:option +  ]

これらを使うことで、簡単に長さ調節ができます。

この一通りの作業を繰り返すと、分身のダンス動画を作ることができます!

2.応用編!ひと工夫してクオリティを上げていこう

ノートパソコンで作業をしている人たち 自動的に生成された説明

楽しそうに編集を進めるKAI→さん

ダストマンさん:
先ほどの分身のやり方は、止まった人物の後ろからダンスしているTAKUMIさんが出てくる映像でしたが、その逆パターンも作ってみましょう!

同じやり方で13秒12フレームのTAKUMIさんを切り抜いたあと、レイヤーを複製します。複製した上のレイヤーの、タイムリマップ欄のストップウォッチをオフにすると、自動でロトブラシが切り抜きをしてくれます。

ただ、切り抜きを自動で行うため、切り抜きのエッジが所々残ってしまいます。

テレビの画面のスクリーンショット
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これを修正するために使うのが、< エフェクトコントロールパネル >です。ロトブラシツールを使用したことで、エフェクトコントロールパネルに[ ロトブラシとエッジを調整  ]という項目ができています。

コンポジションパネルの画面を見ながら、[ ロトブラシマット ] > [ エッジのシフト ]の値を[ -75% ]まで下げて、腕まわりの白いぼやけがなくなるよう調節します。

トリックをしているスケートボーダー
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ここまでの編集で、止まった人物の前にダンスしているTAKUMIさんが重なる映像ができます。

ダストマンさん:
KAI→さんが「切り抜きを手動でやったことがある」と仰っていたように、ロトブラシツールを使った自動のやり方以外にも切り抜く方法があります!

最後のTAKUMIさんの決めポーズ部分を分身させて、後から重なるような編集を、手動の切り抜きでやってみましょう。

最初にカメラワークを設定したレイヤーを複製し、複製したレイヤーを一番上に重ねます。決めポーズをする16秒11フレームのところで、< ツールパネル >の中から[ ペンツール ]を選択します。

モニター画面に映る男性
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カーブする場所では、頂点になるようなポイントに点を打っていき、ドラッグすることで曲線を引くこともできます。少しクセのある方法なので、最初は難しいかもしれませんが、手作業で切り抜くので、ロトブラシツールよりも仕上がりが綺麗になります。

人物を囲み終わったら、始点と終点を重ねることで、切り抜きが完了します。

レイヤーを表示する長さを調節して、決めポーズの分身編集は完成です。

ダストマンさん:
最後のひと工夫に、手持ちのカメラで撮ったように『画面を揺らす効果』を、動画全体にかけてみたいと思います!

まず、新しい効果を加えるために、[ 調整レイヤー ]を作ります。

< メニューバー >のレイヤーから、[ 新規 ] > [ 調整レイヤー ]をクリックします。

グラフィカル ユーザー インターフェイス
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次に、< エフェクト&プリセットパネル >から[ トランスフォーム ]を探し、トランスフォームを調整レイヤーまでドラッグします。

コンピューターのスクリーンショット
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調整レイヤーを開いて、[ エフェクト ]欄の中にある[ トランスフォーム ]を開きます。

トランスフォームの欄にある[ 位置 ]において、Windowsの場合はAltキー、Macの場合はoptionキーを押しながらストップウォッチをクリックすると、エクスプレッションという、コマンドを打てるボックスが現れます。

ボックスの中に

wiggle(0.5,15)

と打ち込んでみます。

すると、手持ちカメラで撮影したように、画面がフワッと揺れるエフェクトを足すことができます。

今回のワークショップでは、After Effectsの以上の作業で、こちらの動画を作ることができました!

3.Legitメンバー 今回の感想は?

テレビ画面に映っている人たち 中程度の精度で自動的に生成された説明

ワークショップ後のダストマンさんとCyberAgent Legitメンバー

FISHBOYさん:
ダストマンさんがとても丁寧に教えて下さって、すごくわかりやすかったです!

僕らダンサーにとって実践的な内容で、今日からでも使えるテクニックを教えていただけて、とても勉強になりました。

TAKUMIさん:
前回のPremiere Proの内容が難しくて、これから自分ができるのか不安な面もありましたが、今回分身やフレームを動かすことができて、進歩を感じられて、とてもワクワクしました。

次のワークショップも楽しみなので、個人的にAfter Effectsをもっと触っていきたいと思います!

ノートパソコンを使っている男性 自動的に生成された説明

SORAさん:
これまで他の方が作った分身の動画を観てきて、初めてAfter Effectsを触る自分にも作れるのか不安だったのですが、ダストマンさんのおかげで分身動画を作ることができてとても面白かったです。

今回の内容は分身でしたが、その中にたくさんのやり方があり、アイディアを形として残す楽しさを知れて、また一歩成長できたかなと思います。

地獄さん:
はじめてAfter Effectsを触って、途中でミスをしてこんがらがってしまったところもありましたが、動いた時にとても楽しかったので、再挑戦してみたいと思います。次回、アニメーションの編集ができるようなので、ザ・エフェクトっぽい感じを作れるのを、とても楽しみにしています。

SHOSEIさん:
今までAfter Effectsで編集することに憧れはありましたが、触ったことはなく、今回実際に編集をしてみて、難しさを実感しました。教えてもらったことを覚えられるように、自分でチャレンジしてみたいです。

KAI→さん:
今までチュートリアル動画で見ていた人に、今日実際に教わることができてたので夢みたいでした。これまで1人でやっていて、わからないところもたくさんありましたが、質問に答えてもらったり、豆知識をいただけて、とても楽しかったです!

4.次回はAfter Effectsを使った編集講座!

Step4・5を通じて、TAKUMIさんのダンス動画にカメラワークや分身の演出をつける編集に挑戦してみました。次回もAdobe After Effectsを使って、ダンス映像の背景にアニメーションをつけて、映像を作っていきます。お楽しみに!