プロダンスチーム CyberAgent Legitがダンス映像制作に挑戦!<STEP6 フラットアニメーション>
CyberAgent Legitのメンバーが、ダンス動画の撮影からPremiere ProとAfter Effectsを使った編集まで、映像制作に挑戦する様子をお届けします!
「かっこいい映像を作れるようになる」ために、撮影の心得や編集のノウハウを講師の方々から教わり、実践していきます。
ひと味加えたダンス動画を作りたい方はもちろん、映像制作初心者の方も、一緒に挑戦してみませんか?
この連載では、CyberAgent Legitのメンバーが、ダンス動画の撮影からPremiere ProとAfter Effectsを使った編集まで、かっこいい映像制作に挑戦する様子をお届けします!
ひと味加えたダンス動画を作りたい方はもちろん、映像制作初心者の方も、一緒に挑戦してみませんか?
<連載内容(予定)>
Step1 完成イメージが大事!コツをおさえて撮影してみよう
Step2 Premiere Proでダンス映像を編集してみよう 〜基礎編〜
Step3 Premiere Proでダンス映像を編集してみよう 〜応用編〜
Step4 After Effectsでダンス映像にアニメーションを入れてみよう 〜カメラワーク作成編〜
Step5 After Effectsでダンス映像にアニメーションを入れてみよう 〜分身編〜
Step6 After Effectsでダンス映像にアニメーションを入れてみよう 〜フラットアニメーション合成編〜 →今回はここ!
Step7 After Effectsでダンス映像をバシッと止めるスタビライズダンスの作り方
最終回 7つのStep総まとめ
Step6 After Effectsでダンス映像にアニメーションを入れてみよう 〜フラットアニメーション合成編〜
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今回のテーマ「After Effectsで、フラットアニメーションを作ってみよう!」
Step6では、TRACEYさん(CyberAgent Legit)のダンス動画を使い、以下のようなダンス動画を作っていきます!
前回に引き続き、After EffectsのワークショップやYouTubeのチュートリアル動画でもおなじみ、 ダストマンさんが講師をつとめます!
映像制作に挑戦していただくのは、第一生命D. LEAGUEで活躍されているプロダンスチームCyberAgent Legitのみなさん!
※TRACEYさん、BBOY SHOSEIさんはお仕事のため、今回のワークショップは欠席です。
今回はTRACEYさんのダンス動画に、フラットアニメーションを足した動画を作っていきたいと思います。
それでは編集ワークショップの様子を見ていきましょう!
1.図形を使ったアニメーションを作ろう!
ワークショップに参加するCyberAgent Legitのメンバー
ダストマンさん:
今回挑戦してもらう内容も、皆さんダンサーの目線で、「ダンスを魅せる映像」を意識してもらうきっかけになったら良いなと思い、用意しました!
映像を作る楽しさを感じてもらって、ダンスにも活かしていってほしいです。
それでは始めていきましょう!
まずはショートカットキーで新規コンポジションを作ります。
Windows : Ctrl + N
Mac : ⌘ + N
コンポジションに名前をつけて、設定を以下の通りにします。
幅 : 1920
高さ: 1080
フレームレート : 30
デュレーション : 8秒20フレーム
コンポジションができたら、TRACEYさんの素材をタイムラインまでドラッグします。すると、素材がコンポジションパネルに表示されます。
コンポジションの中に素材を入れたら、次は平面レイヤーを作ります。
平面レイヤーのショートカットキーは、以下の通りです。
Windows : Ctrl + Y
Mac : ⌘ + Y
また、メニューバーの [ レイヤー ] から [ 新規 ] > [ 平面 ] をクリックして作ることもできます。
[ 平面設定 ]でカラーをクリックすると、平面色の設定ができます。
この平面レイヤーを黄緑色にしてみます。彩度がほぼ100%、明度を50%にするとパステルカラーになります。違うレイヤーの色を選択するときも、彩度と明度の値を揃えると、統一感が生まれるのでおすすめです。
平面設定を終えて、TRACEYさんのダンス動画を平面レイヤーの上に配置することで、背景として配置することができます。
続いて、ダンス動画の音源が「Dance, Dance, …」と歌詞が始まるところに印をつけます。今回の素材では、2秒2フレームのところです。
再生ヘッドを2秒2フレームに合わせて、TRACEYさんのダンス動画を選択した状態で、以下のショートカットキーでダンス素材を分割します。
Windows : Ctrl + Shift + D
Mac : ⌘ + Shift + D
レイヤーの分割が終わったら、タイムラインパネル内をクリック。レイヤーを選択していない状態にして再生ヘッドを最初に戻します。
次に、メニューバーの長方形のアイコンを長押しして、長方形ツールをクリックします。
コンポジションパネル上で、Shiftキーを押しながら正方形を作ります。正方形を作ると、タイムラインパネル上に[ シェイプレイヤー1] として表示されます。
コンポジションパネルの上の、[ 塗りオプション ] と [ 線オプション ] で、シェイプレイヤーの色を変更できます。
[ 塗り] または [ 線 ] の部分をクリックすると、色の塗り方の設定画面が表れます。色がついた部分をクリックすると、カラーの変更ができます。
今回は以下のように設定してみましょう。
塗り : ( 単色 ) 平面レイヤーと明度・彩度の値を合わせたピンク
線 : ( 単色 ) 黒 ( 太さ ) 2 px
カラーの変更ができたら、分割した2つのダンス動画の下に [ シェイプレイヤー1] を配置します。また、[ 整列 ] パネルで以下の画像のように正方形を中心に移動させます。
再生ヘッドを0秒に戻し、[ シェイプレイヤー1] のトランスフォームを開きます。
[ スケール ] の値を[ 0,0% ] にしてスケールの欄にあるストップウォッチをオンにすると、0秒のところでキーフレームが打たれます。
次に再生ヘッドを1秒に移します。スケールの値の上でマウスをドラッグすると値が変更できるので、画面がシェイプレイヤー1の色で埋まるまで、大きくします。
また再生ヘッドを0秒に戻し、[ 回転 ] の欄にあるストップウォッチをオンにします。再生ヘッドを1秒のところに移し、回転の値を [ 0x+60.0° ] に設定します。
もし、シェイプレイヤー1の下の平面レイヤーが見えてしまう場合は、先ほどのようにスケールの値を大きくしてください。
シェイプレイヤー1の動きがつけられたので、レイヤーの尺を調節していきます。
シェイプレイヤー1を選択した状態で、再生ヘッドを2秒2フレームまで移します。以下のショートカットキーを使って、シェイプレイヤー1の長さを削ってください。
Windows : Alt + ]
Mac : option + ]
次に、長さを調節したシェイプレイヤー1を複製していきます。シェイプレイヤー1を選択した状態で、以下のショートカットキーで [ シェイプレイヤー2 ] を作ります。
Windows : Ctrl + D
Mac : ⌘ + D
[ シェイプレイヤー2] を10フレームずらして、0秒10フレームに最初を合わせます。
同様に、シェイプレイヤー2を複製して10フレームずらす作業を繰り返し、合計で4つのシェイプレイヤーが作られた状態にします。
4つのシェイプレイヤーができたら、それぞれの色を変えていきましょう。
シェイプレイヤー2を選択した状態で、プロジェクトパネルの上の [ 塗り ] で、色を黄色にしてみます。他のシェイプレイヤーも同じように、水色、紫と色を変更します。
これらの作業で、正方形が連続で広がるシェイプアニメーションができました。
真剣な表情で編集を進めるenaさん
2.文字を使ったアニメーションを作ろう!
メニューバーの [ 横書き文字ツール ] を選択し、コンポジションパネル上で文字を打っていきます。
「打った文字を移動させたい」など、素材を選択したい場合はショートカットキーの [ V ] で [ 選択ツール ] に変えてから操作してください。
[ 文字 ] パネルで文字の大きさやフォント、文字同士の間隔などの変更が可能です。文字の塗りと線の色もそれぞれ変えられます。
文字のレイヤーを2秒2フレームから現れるようにしたいので、文字のレイヤーを選択した状態で、以下のショートカットキーを使います。
Windows : Alt + [
Mac : option + [
これで、歌詞のタイミングに合わせて文字が出てきます。
次は、文字のレイヤーを選択した状態で、メニューバーから [ ペンツール ] に変えて、文字を波状にしていきます。
ペンツールで「DANCE・DANCE」の文字を波状にするやり方は、以下の通りです。
❶文字列の左側をクリックして、作品の外側に線の始点を作る。
❷1つ目の [ N ] の文字の上で右方向へドラッグし、線を曲げる。
❸2つ目の [ N ] の文字の下で右方向にドラッグし、2個目のカーブを作る。
❹文字列の右側でダブルクリックして、作品の外側で曲線を終わらせる。
❺ [ DANCE・DANCE ] の文字のレイヤーの [ テキスト ] > [ パスのオプション ] を開き、[ パス ] を [ マスク1 ] に設定する。
次に、波状の文字に動きをつける方法です。
❶ [ DANCE・DANCE ] の文字のレイヤーをダンス動画の下に配置する。
❷2秒2フレームで、[ 最初のマージン ] の欄にあるストップウォッチをオンにする。
❸[ 最初のマージン ] の値を下げて、画面の左側で見切れるようにする。
❹「Dance, Dance, …」の歌詞が終わるタイミング(4秒あたり)で、 [ 最初のマージン ] の値を上げて、画面の右側で見切れるようにする。
❺以下のショートカットキーで、❹のタイミングで文字が切れるようにする。
Windows : Alt + ]
Mac : option + ]
これで、文字が右方向へ動くアニメーションができました。以下のショートカットキーで、[ DANCE・DANCE ] の文字のレイヤーを複製し、複製した文字をコンポジションパネル内で下にずらします。
Windows : Ctrl + D
Mac : ⌘ + D
文字の間隔や大きさを調整したら、以下のようなアニメーションができます。
「Dance, Dance, …」の歌詞のリズムに合わせて、[ シェイプレイヤー1~4] の長さを階段状になるように調節してみます。
こうすることで、曲のリズムに合わせて背景の色が連続で変わっていくアニメーションができました!
慣れない作業に苦戦するKotoriさん
3.図形と文字を組み合わせたアニメーションを作ろう!
続いては、
以下のショートカットキーで、平面レイヤーを一つ作ります。
Windows : Ctrl + Y
Mac : ⌘ + Y
平面設定で、レイヤーの色は白から少し明度を下げた、薄いグレーを選びます。
[ ホワイト 平面1] を選択したまま、再生ヘッドを4秒に合わせ、以下のショートカットキーで長さを調節し、レイヤーを複製します。
Windows : Alt + [
→ Ctrl + Y
Mac : option + [
→ ⌘ + Y
次に、[ エフェクト&プリセット ] パネルで [ グリッド ] を検索し、 先ほど複製した [ ホワイト 平面1] のレイヤーまでドラッグします。
[ エフェクトコントロール ] パネルでグリッドサイズは [ 幅スライダー ] に変更し、幅やカラーを好みで調整します。すると、上の画像のようなグリッドが、白い平面レイヤーの上に表示されます。
グリッドの設定ができたら、また長方形ツールを使っていきます。タイムラインパネル上で、どのレイヤーも選択していない状態にして、メニューバーで [ 長方形ツール ] をクリックします。
[ 塗り ] を白、[ 線 ] は 2px の黒で設定しておきます。
コンポジションパネル上でドラッグして長方形を作り、TRACEYさんのダンス動画の下に長方形の [ シェイプレイヤー5] をずらします。
このレイヤーも以下のショートカットキーで4秒から表示されるようにしておきます。
Windows : Alt + [
Mac : option + [
以下のショートカットキーでシェイプレイヤーを複製し、メニューバーから [ 選択ツール ] をクリックして(またはショートカットキー [ V ] )、バランスよく位置をずらします。
Windows : Ctrl + D
Mac : ⌘ + D
次はメニューバーの [ 横書き文字ツール ] をクリックし、歌詞に合わせて [ WANNA SEE ] と [ YOUR DANCE ] を打ち込みます。
[ 文字 ] パネルで行間や文字色を、白い帯の中に収まるように調整。ダンス動画のレイヤーの下に配置します。
二つの文字列が4秒から始まるよう、長さも調節して完成です。
3.Legitメンバー 今回の感想は?
SORAさん:
2回のワークショップを通じて、動画作りの基礎がわかってきたように感じています。前回は見様見真似で追いつくのに精一杯だったのですが、今回はちゃんと理解できてステップアップを実感できました。
TAKUMIさん:
自分が観てきた映像に関して、これまでは作り方など全然わかりませんでした。でも、2回のAfter Effectsのワークショップを受けてから、「こうやって作られていたのか」と理解できる瞬間が増えて、それがとても楽しいです。
前回教えてもらった内容も、自分で復習してみて手応えを感じられたので、次のワークショップも楽しみです。
4.次回は最終回!After Effectsでスタビライズ編集をしよう!
今回のワークショップでは、TRACEYさんのダンス動画に図形や文字を入れたフラットアニメーションを作成しました!次回もAfterEffectsのMochaAEという機能を使って、スタビライズダンスを作っていきます。お楽しみに!