新しいマルチフレームレンダリング機能を搭載した、より高速に動作するAdobe After Effectsのパブリックベータ版を公開

プレビューの高速化とモニタリングの向上、書き出しと通知の高速化、エフェクトの高速化などが見込めるマルチフレームレンダリング機能を搭載した最新のAdobe After Effects のパブリックベータ版が公開されました。

新しいマルチフレームレンダリング機能がAfter Effects(パブリックベータ版)に搭載

Adobe After Effectsでの書き出しのためのマルチフレームレンダリング機能は、2021年3月にリリースされました。それ以来、開発チームはシステムの全コアCPUを使用してAdobe After Effectsのさらなる高速化のために、きわめて多忙な日々を過ごしてきました。そして本日、Adobe After Effects のパブリックベータ版に、ワークフローのさらなる加速を確実に実現する機能を新たに追加しました。

プレビューの高速化とモニタリングの向上

プレビュー用のマルチフレームレンダリングは、コンポジションのプレビューの際にシステムのCPUコアを活用することにより、クリエイティブプロセスを加速します。Adobe After Effectsは、ダイナミックコンポジションアナリティクスにより、V-RAM、RAM、コアなどハードウェアのあらゆる要素を確認し、コンポジションとコンピューターの構成に基づき、どのようにデザインのレンダリングを行うかをインテリジェントに選択します。

また、ユーザーの創造性を格段に高めるために、最近、スペキュラティブプレビュー機能を追加しました。これは、ユーザーが仕事から離れた間でも、作業を高速化することに役立ちます。Adobe After Effectsがアイドル状態のとき、例えばユーザーが作成した美しいデザインを眺めたり、Eメールを確認したり、あるいはコーヒーを入れたりするために作業を中断しても、コンポジション(およびコンポジション内のプリコンポジション)がバックグラウンドで自動的にレンダリングされます。そして、ユーザーがデザインを再び確認する頃には、準備はすでに整った状態になっています。

書き出しと通知の高速化

コンポジション(特にH.264形式へ)のレンダリングであれば、Adobe Media Encoderでマルチフレームレンダリングと書き出しを行うことにより、他のコンポジションの作業中でも、バックグラウンドで複数のコンポジションをレンダリングすることができ、仕事に費やす時間を最大限に有効活用できます。

通知を受けたユーザーは、コンポジションのレンダリング中に他の作業を進めることが可能に

長い間ご要望いただいていた機能も、今回、いよいよ搭載されました。レンダーキューの通知機能は、ユーザーの貴重な時間を節約出来ます。そのため、ユーザーは堂々とコンピューターから長時間、離れることができます。レンダリングが完了すると、Adobe After EffectsはAdobe Creative Cloudアプリケーションを介して通知を送信し、その内容がユーザーの手元にあるスマートフォンやスマートウォッチに表示されます。

エフェクトの高速化

Adobe After Effectsは、膨大な数のエフェクトを提供しています。これらすべてをマルチコアCPU上で動作するよう移植するのは非常に困難であり、多くの時間を要しました。とはいえ、引き続き前進しており、Adobe MAX 2021 (米国時間 10 月 26 –10 月 28 日) までのパブリックベータ期間中、多数のエフェクトを相次いで最適化し、毎日および毎週、アップデートを行います。

マルチフレームレンダリングに最適化されたAdobe After Effectsが、現在、サポートしているエフェクトの一覧については、FAQ のページをご参照ください。

パートナーのプラグインとハードウェア

Adobe After Effectsは複雑な製品であるため、マルチコア化には長い時間がかかりました。ユーザーの多くはワークフローにプラグインを多用しているため、望む水準のパフォーマンス向上は得られていません。これは、多数のパートナー企業がプラグインの最適化をベータ期間中に開始したためであり、あらかじめ想定されていたことです。

パートナー企業はこれらの改善について全面的に協力してくれており、プラグインを最適化して全システムコアに対応させる作業を進めていますので、どうぞご安心ください。どのプラグインが最適化済みか示せるよう、パートナー企業用に「Multi-Frame Ready(マルチフレームレディ)」のロゴを作成しました。ロゴが表示されたプラグインは、パートナー企業のウェブサイトで確認してください。

また、多くのシステムメーカーが、推奨システムの作成に取り組み中です。ユーザーは、どのようなシステムが自身のデザイン上のニーズに最適かを理解することで、 Adobe After Effectsを最大限に活用することが可能になります。推奨システムが公表され次第、本ブログを更新し、リンクも追加します。ご自身のワークフローに最も役立つアップグレードの選択肢を、調べてみてください。

After Effectsチームがマルチフレームレンダリングをすべてのユーザーのワークフローに役立てるためにご協力いただいたことに感謝します。また、ユーザーの皆様がシステム上でマルチフレームレンダリングがどのように動作するかをテスト頂いていることにいつも心から感謝していています。是非ベータ版をダウンロードいただき、その効果について感想をお聞かせください。

この記事は2021年7月20日(米国時間)に公開されたA faster After Effects is now available for testing: New Multi-Frame Rendering features in public Betaの抄訳です。