Adobe Premiere Pro「音声のテキスト化」機能を正式リリース。-ユーザーは追加料金なしで使用可能- Apple M1 Macにネイティブサポート

動画にキャプションを付ける作業は、精度が低く、時間とコストがかかっていましたが今回のAdobe Premiere Proのアップデートに含まれる「音声のテキスト化」機能によって大幅に作業が効率化しました。Adobe Creative Cloudのユーザーの皆様は追加料金なしでご利用いただけます。Adobe Premiere Pro、Adobe Media Encoder、Adobe Character AnimatorがM1搭載のMacにネイティブ対応し、最新のMacでこれらのアプリケーションをさらに高速化します。

昨今では、大半のビデオは消音状態で視聴されるため、コンテンツクリエイターは、ソーシャルプラットフォームで視聴者を惹きつけるのにキャプション(字幕)が重要であることを理解しています。しかし、これまでビデオにキャプションを付ける作業は、精度が低く、時間とコストがかかるものでした。今回のAdobe Premiere Proのアップデートに含まれる「音声のテキスト化」機能は、キャプション付きビデオをスタンダードにしてくれるツールをクリエイターに提供します。音声のテキスト化を使用することで、他のキャプション作成ワークフローと比較して平均5倍の速さで作業を終えることができます。音声のテキスト化は、Adobe Creative Cloudのユーザーの皆様は追加料金なしでご利用いただけます。

7月のリリースでは、クリエイターの作業時間を短縮し、際立ったビデオを提供するための機能がさらに追加されています。Adobe Premiere Pro、Adobe Media Encoder、Adobe Character AnimatorがM1搭載のMacにネイティブ対応し、最新のMacでこれらのアプリケーションをさらに高速化します。また、テキストやグラフィックの新機能により、タイトルやキャプションの作成がよりクリエイティブになりました。さらに、今回のアップデートおよびパブリックベータ版では、コラボレーション、カラー、パフォーマンスも改善されています。After Effects(ベータ版)には、モーショングラフィックスのワークフローを高速化する強力なマルチフレームレンダリング機能が新たに導入され、Adobe Character Animator(ベータ版)の新機能は、より多くのクリエイターがアニメーション制作を始められるように道を開きます。

Adobe Premiere Proでの音声のテキスト化

動画の視聴形態が多様化する中で、字幕(キャプション)はますます重要になっていきます。調査によると、キャプション付きのビデオのほうが視聴時間が長く(英語)、コンテンツの想起性も高いことがわかっています。また、SEOの観点からも、SRTのような書き起こしテキストのファイルが添えられているビデオは検索結果で上位に表示されます。さらに、キャプションは動画をよりアクセシブルにします。程度の差はあれ、世界の5人に1人が音声の聞き取りにハンディキャップ(英語)を持っているのです。今日のクリエイターなら誰でも、ビデオにキャプションを付けることの重要性を知っていますが、そのプロセスは面倒で時間がかかるものでした。ツール内ですべて手動で作成するか、別のキャプション作成サービスやアプリケーションと行き来しながら作業する必要があったのです。

Adobe Premiere Proがこの問題をすべて解決しました。キャプション作成の各ステップをすべてビデオ編集アプリケーション内で完結できるようにしたのです。また、時間のかかるステップが自動化される一方で、キャプションの編集やクリエイティブコントロールも自在なため、たとえ1本のビデオであっても数時間単位で作業時間を短縮できます。コンサルティング会社Pfeifferが実施した最新のベンチマークレポートによると、Adobe Premiere Proの「文字起こし」と「キャプション」機能 は、5分尺のビデオからテキストおよびキャプションを作成するのに必要な時間を75%削減し、ビデオエディターは52分もの時間を節約することができました。また、テキストパネル上で単語をダブルクリックすると、Adobe Premiere Proのタイムラインの該当する位置にプレイヘッドが移動する、ビデオシーケンス上での移動や検索における新機能も提供され、さらなる時間短縮に貢献しています。

音声のテキスト化は13の言語に対応しており、この機能を先行的にテストしていただいた世界中のユーザーの皆様から、文字起こしの精度の素晴らしさをご報告いただいています。人名の綴りの修正などの変更が必要な場合でも、文字起こされたテキストを簡単に編集できます。文字起こしテキストへの変換処理が終わると、この機能は自動的にキャプションを作成してタイムライン上に配置します。これにはAdobe Senseiの機械学習の力が活用されており、発話のタイミングと同期します。タイムライン上に配置されたキャプションのテキストは、エッセンシャルグラフィックスパネルのデザインツールを使って自由にカスタマイズできます。

Adobe Premiere ProのApple M1搭載Macネイティブ対応

Adobe Premiere Proをはじめとするアドビのビデオアプリケーションは、目まぐるしく変化する世界にもビデオエディターやコンテンツクリエイターがいち早く対応できるように進化を遂げています。今回のアップデートでM1搭載Macにネイティブ対応した Adobe Premiere Proは同等のIntelベースのMacと比べて約80%高速に動作します(『Apple M1チップにネイティブ対応したAdobe Premiere Proベータ版の最新ベンチマーク結果の紹介』ブログ記事を参照)。M1搭載のMacにアップグレードするユーザーが増える昨今、 Adobe Premiere Proの準備も整ったといえるでしょう。7月のリリースでは、Premiere Proに加えて、Adobe Media EncoderとAdobe Character AnimatorがM1に対応しました。Adobe Premiere RushとAdobe AuditionのM1対応は、それぞれ2021年の4月と5月でした。Adobe After Effectsについては、M1ネイティブ対応は、今年の後半にパブリックベータ版としてお届けする予定です。Adobe Premiere Proに搭載されているダイナミックリンクやモーショングラフィックステンプレートなどのAfter Effectsとの連携機能は、すでにM1搭載のMac向けに最適化されています。

Adobe Premiere Pro 15.4Adobe Character Animator 4.4の新機能についてはそれぞれの新機能ご紹介ページをご覧ください。

Adobe After Effectsのマルチフレームレンダリング(ベータ版)

マルチフレームレンダリングは、After Effectsのアーキテクチャを最先端のものにアップデートし、マルチコアCPUを活用して最大3倍のパフォーマンスを実現する機能です。After Effects(ベータ版)では、「プレビューにマルチフレームレンダリングを使用 」オプションが追加され、画面上でのレンダリングのさらなる高速化と全体的な応答性の向上が実現します。また、「投機的レンダリング 」では、Adobe After Effectsがシステムがアクティブでない時間を自動的に検出し、その空き時間を使ってコンポジションのレンダリングを行います。新しいマルチフレームレンダリング機能の詳細については、最新の Adobe After Effectsブログ記事をご覧ください。

Character Animator(ベータ版)のボディトラッカーとパペットメーカー

Instagram、TikTokなどのプラットフォームでアニメーションが人気を集めていることからもわかるように、アニメーションコンテンツがいかにエンゲージメントを高め、視聴者の獲得につながるかを知るクリエイターが増えています。私たちはこれを絶好の機会と捉え、誰もがアニメーションの世界に足を踏み入れやすく、そのワークフローをより楽しめるようにする強力な新機能をパブリックベータ版として公開します。

ボディトラッカー(パブリックベータ版)(英語)を使えば、コマアニメやキーフレームアニメーション作成の経験がないクリエイターでも、動きやジェスチャーを使ってパペットをアニメーションにすることが可能です。カメラに向かって自分の身体を動かせば、パペットも一緒に動きます。

パペットメーカー(パブリックベータ版)(英語)なら、Adobe PhotoshopやAdobe Illustratorを使いこなせなくても、またリギング(アニメーションの可動範囲を決める構造の設定)のスキルがなくても、誰でも楽しく、素早く、多様なキャラクターを作成することができます。ヘアスタイル、スキントーン、アクセサリーなど、キャラクターのスタイルが豊富に用意されており、シンプルなインターフェイスで好きなものを選んで、キャラクターをカスタマイズできます。

また、Apple M1にネイティブ対応したことで、リアルタイムの動作がさらに高速化し、コンパクトでポータブルなAppleデバイスでもワークステーション並みのパフォーマンスを発揮します。 パペットやアートワークの読み込みが2倍速くなり、Adobe Character Animatorのワークスペースの切り替えも、前世代のMacと比較して最大3倍高速化しました。

パブリックベータ版で新機能を試す

パブリックベータ版では、開発中の新機能を試すことができるほか、ユーザーの皆様のフィードバックをアドビ製品チームに伝えることができます。現在パブリックベータ版で提供されている主な機能には、Adobe Premiere Proの新しい読み込みおよび書き出しワークフロー(ベータ版)Adobe After Effectsのマルチフレームレンダリング機能(ベータ版) 、そしてより多くのクリエイターにアニメーション作成の楽しさに触れていただけるAdobe Character Animatorの新機能(ベータ版)などがあります。Adobe Creative Cloudデスクトップアプリの「ベータ版アプリケーション」カテゴリから各ベータ版をインストールできます。

「音声のテキスト化」をぜひお試しください

音声のテキスト化機能は、本日提供を開始したAdobe Premiere Pro 15.4アップデートに含まれており、すぐにお使いいただけます。Adobe Creative Cloudデスクトップアプリを使ってお手持ちのPremiere Proをアップデートしていただけば、音声のテキスト化、エッセンシャルグラフィックスパネルに新しく追加されたタイトルおよびキャプションのスタイリングツール、Adobe Sensei搭載の「シーン編集の検出」のパフォーマンス強化をその目で確かめていただけます。Apple M1デバイスをお使いのユーザー様は、是非 Adobe Premiere ProとAdobe Character Animatorのパフォーマンス向上をご体感ください。

この記事は2021年7月20日(米国時間)に公開された Speech to Text (Free with Subscription) and Native M1 performance on Mac Now Available in Premiere Pro の抄訳です。