プルデンシャル、金融リテラシー向上にCreative Cloud ProエディションプランとAdobe Stockを活用

私はプルデンシャル・ファイナンシャルバイスプレジデントとクリエイティブディレクターを務めています。米国内で手がける各種事業の営業およびエンゲージメント活動の全段階をサポートするマーケティング制作物のすべてについて、コンセプトとデザインの責任を負う立場です。営業のプレゼンや、電子メールキャンペーン、ダイレクトメール、webサイト、ソーシャルメディアと、それらの中間に位置づけられる物事は、何でも守備範囲に含まれます。私が率いるグループの仕事は、マーケティングキャンペーンやエクスペリエンスの提供を通して各種事業部署とそのお客様をサポートすること。企業の皆様にはプルデンシャルをパートナーにしたいと思っていただき、そして個人の皆様には、引退後へ向けた貯蓄をし、予期しない事態に備え、日常的にも賢くお金をやりくりして、良好な財政状態を実現し維持していただくことです。そう、なかなか大変な仕事です。ステークホルダーの数、生み出す成果物の数(2020年のわずか1年間で12,000件を超えるマーケティング制作物を制作)、そこに盛り込むディテールの量は膨大です。クリエイティブの膨大な力を戦略的に利用し、高度化させ、圧倒的なスピードと俊敏性をもって活動を展開する必要があります。

このグループの仕事量がそこまで膨大なのは、4つのまったく異なる事業をサポートする必要があるからです。各事業には、社内の製品グループからエンドカスタマーまで様々なオーディエンスがいますし、異なるオーディエンスには異なるニーズがあり、それぞれに十分配慮した扱いが必要です。正直言って、もしもCreative Cloud ProエディションとAdobe Stock素材がなかったら、これほどの量のコンテンツを生み出す活動はとうてい不可能だと私は思っています。

膨大な数のマーケティング素材を制作するという難題

私たちのオペレーション体制は非常に大規模であるため、異なるオーディエンスのそれぞれに向けてオリジナルの制作物を制作することは、コストがかさみますし、実行も困難です。例えば、建設現場で働く方々をターゲットにしたキャンペーンを考えてみてください。ニューヨーク市の現場で働く人の服装や周囲の環境は、コロラドの現場とはずいぶん違うことでしょう。マーケティング素材のイメージ選びにおいては、そういった事柄への配慮が必要です。以前ならカメラマンに1、2日出張してもらえば済む話でしたが、世の中は劇的に変わってしまいました。出張もままならず、行く先でもテレワークが広く実施されている今、職場で働く姿を写真に収めるという話はなかなか成立しません。しかも、私たちの仕事にはタイトな納期がついて回り、きわめてスピーディな進行が要求されるため撮影の日程も確保できない場合が多いのです。そういう事情に対応しながら、適切に確実に仕事を遂行しなくてはなりません。そこで私たちは、描写を見て疎外感を覚える人が誰もいないように、一切の制作に取り掛かる前の段階で、ターゲットオーディエンスの多様性を綿密に調査します。最近では、Judaline Cassidy氏の事例から大いに刺激を受けました。ニューヨーク市の配管工組合員になった史上初の黒人女性であり、また、建設関連の職場に女性の配管工、大工、電気工などを送り込むTools & Tiaras運動を発足させた人物です。彼女は「配管工の世界で自分の存在はないがしろにされていると感じた」と言います。私たちはそういうエピソードに触発されて、マーケティング素材の描写が誰かに疎外感を抱かせてはいけない、しっかり調査しよう、という思いを強くしたのです。

私たちのプロセスは、共感マップの作成、発見セッションとデザインスプリント、そして大量の内部テストを実施しながら進みます。アジャイルの原則に従って作業し、リサーチの成果を、デザイン上の判断の根拠としてビジネスパートナーに示します。どのようなビジュアルが人の共感を呼ぶのかを戦略パートナーやクライアントに説明する(私たちのテスト実施方法や結果を導き出した手法についても説明する)ことには、共同作業への導入をしっかりと済ませ、いっそう優れたデザイン素材を生み出せるようにする意味があります。

Adobe Stockでニーズに合ったビジュアル素材を大量に見つけ出すには

リサーチの成果を取りまとめ、制作すべきマーケティング制作物のタイプを把握した後は、2億7,000万点以上ものAdobe Stock素材の中から、対象を適切に描写したイメージを手早く抽出します。「似た画像を検索」機能を使うと、カラースキームに類似性がある素材を見比べて最適な素材を探すことができます。「使用頻度の低い順」検索フィルターを指定すると、キーワードに適合するものの中から、Adobe Stockで一度もダウンロードされていない、「どこかで見た」と思わせない素材を選ぶことができます。

キーワード、「似た画像を検索」、「使用頻度の低い順」フィルターの組み合わせは、完成作品の独自性を高め、サービス対象の多様な顧客のあり方を正しく描写するために役立ちます。Adobe Creative Cloud ProエディションではAdobe Stockの通常ライセンスの素材を無制限で利用できます。したがって、作業効率を高めながら良質なコンテンツを確実に生み出しつつ、オーディエンスをしっかり捉え、的確にブランドを伝えることができます。

パンデミック以前の世界では、クライアントの職場に伺うことは珍しくありませんでした。実際に働いている方々と知り合い、職場環境を肌で感じて、素材作りに生かすことができたのです。それが不可能になった今は、職場の様子や従業員の姿を伝える写真を送っていただくようにしています。提供いただいた写真をAdobe Stockのビジュアルサーチにドロップすれば、元の写真に似たビジュアルを検索することができます。この機能は、アドビのAI技術Adobe Senseiで実現されているものです。

Adobe Stockには、オーディエンスとのつながりを築くきっかけとして有効なストック画像だけでなく、アイコンやイラストなど、目に留まりやすい魅力的なアートワークがたくさん揃っています。そうした素材は、複雑な金融概念を噛み砕いて伝える目的や、とっつきやすくする目的のためにいつも役立っています。

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動画も、ストーリーを伝えて関心を引く非常によい手段になります。私たちはこれまでに制作したデジタルキャンペーンの中でも、画像を使って関心を引いた後にAdobe Stockの動画オーディオ素材で豊かなエクスペリエンスを提供し、メッセージを届けるという手法を多数採用してきました。この方法は、キャンペーンに動きを持たせ、プレゼンやマイクロサイト、パンフレットなどを見る人の心をつかみ、感情的なつながりを築くために有効です。パンデミック状況下で、お客様やステークホルダーにはオンライン動画の視聴行動が増えています。私たちの仕事でも、動画素材を使った制作活動の量がおよそ64%も増えました。

採用するビジュアル素材を決めた後、実際に使うにはダウンロードする必要があります。私たちは、入手したすべての素材をAdobe Creative Cloudライブラリで常に同期させ、Adobe Sparkの中で共有しています。これは大規模なマーケティング制作物の制作に大変適した環境で、画像や動画をライブラリに登録しておけば、どの素材をどこで使ったかを簡単に追跡把握できます。このような管理手段がないと、例えば、一つの画像をまったく違う2つのパンフレットに使い回してしまうといったミスが発生し、場合によっては大きな問題につながりかねません。

プルデンシャルのクリエイティブプロセスの実例:American Workerキャンペーン

このワークフローは、最近手がけたキャンペーン「American Worker」において非常に効果的に機能しました。様々な個人の皆様が財政的レジリエンスを高めるうえで役立つコンテンツを、Adobe Stockの画像と動画を使って制作しました。

新型コロナウイルス禍は、物理的な健康リスクの範疇をはるかに超える深い影響を世の中に及ぼしました。マーケットは激しく動揺し、失業率が上昇。比較的余裕のある方々の多くも、当座をしのぐために引退後のための蓄えを切り崩すことを余儀なくされました。アメリカの労働者の大半が経済的な安定性について不安を抱えていたこと、そして今もそうであることが、この状況下で浮き彫りになったのです。

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その中にあっても、プルデンシャルをパートナーにしている企業では、こうした万一の事態に対応する金融ソリューションや福利厚生を提供して従業員をサポートできているという事実があります。私たちは、この事実を今こそマーケットに伝えることにしました。それが世の中のためになるからです。企業の従業員を守ることは、生活する人のために家を建てる方々を守ること、子供たちのために教育を施す方々を守ることにほかなりません。

とはいえ、そのキャンペーンを作るのは難しい仕事でした。歴史上まれに見る厳しい状況の真っ只中に、適切に伝わるメッセージをきわめて正確に送り出さなくてはなりません。オーディエンスの共感を引き出し、理解されているという感覚、そして、自分たちには従業員をサポートする力があるという感覚を持ってもらうための適切なイメージを見つける必要がありました。

そこで私たちは、どのような産業部門の従事者をコンテンツとして取り上げるかをまず決定しました。そのうえで共感マップを作成し、見えてきた手がかりを総動員して、オーディエンスの立場を理解することに努めました。心から共感していただける正しい内容のキャンペーンを確実に作りたかったからです。

努力のかいあって、キャンペーンはきわめて好意的に受け止められ、当社ビジネスのあらゆる側面に展開を広げていくほどの好評を博しました。私たちは、キャンペーン当初の想定をはるかに超える広範な販売システムをサポートするため、大がかりなブランドガイドラインを策定する必要に迫られました。取り上げたコンテンツには、労使関係法規に関するものや医療、官公庁、企業部門が含まれています。どの分野についても、仕事に従事する方々の姿を正しく描写できるよう、私たちは綿密な分析を重ねました。

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すべての人に情報アクセスの手段をもたらすデジタルワークフロー

私たちは、社内、社外のどちらに関しても、金融リテラシーを得る機会や情報アクセスの手段をあらゆる人に提供したいと考えています。アドビの力は、多様なターゲットオーディエンスに向けて膨大なアウトプットを送り出すために役立っています。Adobe Stockの強力な検索機能を利用し、コンテンツを分類し、Creative Cloudライブラリを構築できるようになって、この仕事のあり方は決定的に変わりました。コロナ禍の影響でコンテンツの多様性や充実した動画体験に対するニーズが高まった現在、この力にはとりわけ大きな意味があります。これがあるからこそ、私たちはすべてのプロジェクトに合理的なワークフローを導入して多大な時間を節約することができ、プロジェクトの第一歩の検討段階から、しっかりとクリエイティブグループを交えて話し合うことが可能になったのです。

Adobe StockとAdobe Creative Cloud Proエディションを活用してオーディエンスの姿を的確に捉え、ブランドを的確に伝えるコンテンツを生み出しているプルデンシャル。同社の事例について詳しくは、こちらのオンラインセミナー録画(英語)をご覧ください。

いかがでしたでしょうか?Adobe Stockでは、今回ご紹介したオーディオなど、あらゆるアセットを自由に使えるクレジットパックをお勧めしています。事前に購入したクレジットを好きな時に好きなアセットに交換して使えるだけでなく、まとめて購入することでお得にラインセンス取得していただくことが可能になります。Adobe Stockのプランページから詳細御確認ください。

この記事は2021年6月7日にBridget Espositoより作成&公開されたPrudential empowers financial literacy with Creative Cloud Pro Edition and Adobe Stock抄訳です。