クリエイティビティを存分に発揮できる環境で、将来につながる「考える力」を育む ~同志社女子大学メディア創造学科~

学生1人に1台、Adobe Creative Cloudが入ったノートパソコンが支給され、いつでもどこでも制作に取り組める環境を提供している同志社女子大学メディア創造学科。幅広い教養と深い専門性と両方の学びを目指している同校を紹介。

リベラル・アーツと高度な専門性を学べるメディア創造学科

京都の地にキャンパスを構える同志社女子大学。幅広い教養を身につけるリベラル・アーツ教育と高度な専門分野の学びを標榜し、21世紀の社会を切り拓く感性・知性を持つ女性の育成を目指しています。

2002年に創設された学芸学部メディア創造学科では、「アートとデザイン」「マスメディアとカルチャー」「エンターテインメントとビジネス」「メディアとテクノロジー」の4分野での学びを展開。メディア全般にわたって多角的に学べる体制が整っています。「体制づくりにあたっては、横軸となる多様性と、縦軸となる専門性の深さと両方を意識しました。」と、学科開設当初から関わってきた森公一教授は語ります。教員陣には、社会学系、情報工学系、テレビ業界やエンターテイメント業界などから幅広い人材がそろっています。「リベラル・アーツの理念を持ち、メディアの全体像を学んだ上で専門性を深められるのが、本学科の特長です。情報系や芸術系専門の学校にはない良さだと思います。」と、森教授。

同志社女子大学 学芸学部メディア創造学科  森 公一教授

社会で基礎となる「一生ものの考える力」を養う

「メディアに関する幅広い教養を身につけて、どこへいっても活躍できる人材を育成したい」という理念を持つ同学科。力を入れているのは、雑多な情報を単に収集するのではなく、基礎となる「考える力」を養うことです。「クリエイティブシンキング、ロジカルシンキング、そしてクリティカルシンキングの3つの考える力が大事です。」と森教授は言います。何かを作る時にアイディアを出すのがクリエイティブシンキング。アイディアを実社会に当てはめていくのに必要なのがロジカルシンキング。さらに俯瞰して、「本当にこれでいいのか?」と洞察して見直すのがクリティカルシンキングです。これらは、学生が将来どの分野へ進んでも役に立つ基礎力。同学科では、実践的な学びを通してこの力を身につけることを目指しています。例えば映像制作のプロジェクトで、アイディアを出し、グループで協力し、修正を加えながら作品を完成させるというような活動です。アドビ製品のようなデジタルツールは、作ってみて手軽に手直しができるので、試行錯誤をしながら「考える力」を養うのに向いている道具でもあります。これらの実践的な活動を通して、「一生ものの考える力」が養われるのです。

同志社女子大学 外観

学生がいつでもどこでも制作に取り組める理想的な環境

同学科では、実践的な学びをサポートする体制にも注力しています。入学時には、学生1人に1台ノートパソコンを貸与。パソコンにはAdobe Creative Cloudも含め、授業に必要なソフトウェアがすべてインストールされています。そのため、どの学生も平等な環境から学習をスタートすることができます。

学内にはパソコンが設置された演習室が4つありますが、「自分のパソコンなしでは制作が成り立ちません。」と、3年次生の牛建未夢さんは言います。自宅でも作業を進められるので、作業効率がとてもよいとのこと。今は、授業の課題制作で主にIllustratorとInDesignを活用しています。アドビツールを使い始めた当初は、使い方がわからず戸惑うこともありましたが、課題をこなすうちに習熟していきました。「今では自分でデザインできる幅が広がってとても楽しいです。」と語ります。

また、メディアサポートセンターの存在も活動を支える柱です。「学生にとって、いわば駆け込み寺的な場所で、なくてはならないものです。」と同学科の髙木毬子准教授は言います。メディアサポートセンターには、サポートスタッフが常駐しており、学生がパソコン操作につまずいた時に援助したり、作品作りの際に必要なスキルのレクチャーをしたり、テクニカルなこと全般を支援してくれます。高木准教授のオンラインによるデザインの授業でも、遠隔授業ならではのトラブルをセンターのスタッフがZOOM上で解決してくれるので、とても心強いとのこと。「学科を創設する時、このようなセンターが必須と考えました。」と語るのは森教授。技術的なサポートを専任でやってくれるスタッフがいるからこそ、教員陣は教えることにパワーを集中することができるのです。盤石なテクニカルサポートに支えられて、学生は質の高い教育を受けられるという好循環が生まれています。

同志社女子大学 学芸学部メディア創造学科3年次生 牛建 未夢さん

コロナ禍でもオンラインで海外とつながる学習を実践

同学でもコロナ渦の影響を受け、遠隔授業を実施しました。「けれども、ピンチをチャンスにすることができました。」と高木准教授は語ります。コロナ禍以前から、髙木准教授のゼミではドイツの学生と協働して「1つの書籍の装丁を各自がリデザインする」というプロジェクトに取り組んでいました。コロナ禍以前は、日本とドイツで別の時期に行い、それぞれできあがった作品を鑑賞し合うという形でしたが、昨春からは、オンラインで同時期に行う形にしました。中間発表の場を設けて、制作途中のものを各自が発表し、感想を伝え合う機会が生まれたのです。「制作の授業では、お互いの作品を見てフィードバックし合うことがとても有益です。オンラインだと、各自の作品のディテールまで手元のパソコンでじっくり見ることができるため、かえってメリットを実感できました。」という髙木准教授の言葉には、オンライン授業の新たな可能性に気付かされます。

同志社女子大学 学芸学部メディア創造学科  髙木 毬子准教授

社会で通じる力を培うことで、多様な進路が開ける

幅広い一般教養を身につけながら深い専門性を培うメディア創造学科。その結果、卒業生の進路は多岐にわたっています。近年は情報通信系分野での女性人材へのニーズが高く、SEなどの専門職に就く人も増えています。一方で一般企業に就職する学生も少なくありません。また、学科の専門性を活かして、映像プロダクションやデザイン系を目指す学生もいます。森教授は「様々な職種に就く学生がいるのが、本学科らしくて良いところだと思っています。これからはメディア芸術の専門ではない一般企業でも、アートやデザインのセンス、技術がますます必要になってくるでしょう。」と語ります。就職にあたって、かつては学歴や試験などが重要視されましたが、近年は、インターンシップなどを通して、現場で他の人と協力しながらプロジェクトを推進する力を評価されて就職につながるケースも増えてきています。

また、3年次生の牛建さんは、「就職を考える時、アドビツールのスキルが身についていることは他の学生と比べて大きなアドバンテージだと考えています。」と言います。たしかに、どのような職場でも、自分のアイディアをわかりやすく伝える感性とスキルは役に立つことでしょう。

幅広いリベラル・アーツ教育と、学生が実践的に専門性を磨けるサポート体制。同学科の充実した教育環境から、これからの社会で求められるクリエイティビティが養われ、今後も多様な人材が輩出されるでしょう。