アドビとIBM、インテリジェントドキュメントトランスフォーメーションで提携し、デジタルエコノミーを推進

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アドビとIBMは、インテリジェントドキュメントトランスフォーメーションにより、企業の顧客体験(CX)向上を支援する計画を発表しました。

2020年は、多くの企業がリモートワークを強いられ、前例の無いほど混乱した状況に迅速に対応する必要に迫られました。そんな中、顧客体験の価値を優先し、デジタルトランスフォーメーションに迅速に対応した企業は、コロナ渦でもビジネスを継続し、さらに成長につながる基盤を築くことができました。このように改革に積極的なエクスペリエンスリーダー達は、この2年間で3倍の収益成長を達成しており、デジタルエコノミーをチャンスとして活かすことのメリットを証明しています。

デジタル体験の変革はまだ始まったばかりです。マーケティング部門は顧客のデジタル体験のトランスフォーメーションにいち早く取り組んだ部署で、いまでは顧客獲得から、サービス提供、ロイヤリティ、リテンション、アップセルまで、顧客関係のライフサイクルをエンドツーエンドで劇的に改善しようとする取り組みが、マーケティングのみならず全社的に広がっています。

しかし、顧客を念頭に置いて設計されていない既存のプロセスをデジタル化するだけでは、真のエクスペリエンストランスフォーメーションは実現できません。消費者はあらゆる場面で、より直感的でシームレス、かつパーソナライズされたデジタル体験をサービスプロバイダーに求めるようになっています。そのため、顧客に影響を与えるビジネスにとって不可欠な業務は、それが人によるものであれ、ドキュメントによるものであれ、顧客を中心に置いた、インテリジェントで、効率的、そして100%デジタルでなければなりません。

インテリジェントドキュメントトランスフォーメーションをともに実現

エクスペリエンスリーダーであるアドビとIBMは、Adobe Document Cloudのデジタルドキュメントソリューションの強みと、IBMコンサルティングのビジネスデザイン部門であるIBM iXのデジタル戦略や人間中心のデザイン、ドキュメントオートメーションに関する深い専門知識を組み合わせることで、戦略的なパートナーシップを拡大し、インテリジェントドキュメントトランスフォーメーションに注力していきます。

エクスペリエンスデザインからカスタムソリューションまで、実績のある専門知識

アドビとIBMは、人間の体験を中心に据えたエクスペリエンスデザイン、システムの統合、データ、AIなどの機能に関するIBMのコンサルティングの専門知識と、アドビによる先進的なデジタルドキュメントトランスフォーメーション技術を組み合わせ、さらにエンドツーエンドのドキュメントプロセスの自動化や、IBM iX Experience OrchestratorIBM iX Digital Forms Accelerator、Contactless Customer JourneyなどのIBM独自のシステムでデジタルを加速させ世界中のあらゆる業界のお客様にインテリジェントドキュメントトランスフォーメーションをデザイン、提供することができます。

IBM iXのアドビ プラクティスのグローバル製品リードであるJay Trestain(ジェイ トレステイン)氏は次のように述べています。「顧客満足度の向上と顧客ライフサイクルの加速を目指す企業は、デジタル戦略アドバイザリーサービスとグローバルに展開するエンドツーエンドの完全なデジタル体験ソリューションを提供してきたIBM iXの実績を信頼していただきたいと思います。当社の専門知識とアドビのデジタルドキュメント処理における30年のリーダーシップを組み合わせることで、企業が効率性を高め、一つのプロセスのサイクルにかかる時間を短縮し、より正確に、より多くの業務を迅速に変革できるようになります。」

デジタルエコノミーの先へ:さらなる効率化を目指して

優れた顧客体験の提供と、ビジネスの効率化は互いに影響しあう存在です。企業が顧客体験を刷新する際、同時に無駄なプロセスを省き、セキュリティとコンプライアンスを向上させ、コストを削減するようなシステムを設計することができます。例えば、https://www.adobe.com/content/dam/dx-dc/pdf/jp/total-economic-impact-adobe-acrobat-dc-jp.pdfによると、企業がAdobe Signの電子署名と自動承認を用いてデジタルドキュメントの業務を構築した場合、一般的に署名プロセスのサイクルにかかる時間効率が28倍に改善され、電子署名1件あたり28ドルの節約になり、Adobe Signへの投資に対して平均420%の費用対効果(ROI)を得ることができます。

アドビの戦略開発担当副社長であるSimon Williams(サイモン ウィリアムズ)は次のように述べています。「両社のインテリジェントドキュメントトランスフォーメーション機能は、IBMとアドビのパートナーシップをさらに深めるものであり、企業が掲げるデジタル体験の変革目標への道筋を加速させ、成功させるための強力な手段となります。エンドユーザーには、満足度とロイヤリティの向上につながる有意義なメリットがもたらされ、企業には、収益の拡大と俊敏性がもたらされます。」

パンデミックの初期に、IBMはマネージドインフラストラクチャサービス事業であるKyndrylのスピンオフの一環として、転勤を必要とする多数の従業員のために独自の取り組みを実施しました。IBMの人事部は、セキュリティとコンプライアンスを遵守しながら短期間ですべての転勤届を処理し、リモートワークで働く従業員の協力のもと、すべてのプロセスを完了させる必要がありました。Adobe Signを使用することで、IBMは従業員に優れた体験を提供し、ドキュメントの処理時間を80%削減し、セキュリティとコンプライアンスの要件を満たし、印刷、投函、保管のコストを大幅に削減することができました。

アドビは、IBMとのインテリジェントドキュメントトランスフォーメーションにおけるパートナーシップを日本を含めたグローバルで展開し、企業におけるAdobe Experience Cloud、Adobe Document Cloudを活用した顧客体験(CX)向上支援を提供していくことを目指します。

両社がどのように協力しているのか、また、企業がインテリジェントドキュメントトランスフォーメーションを設計・提供するためにどのような支援を行っているのかに関する詳細はこちらをご覧ください。

本ブログは2021年11月10日に米国で公開されたブログの抄訳です。