21世紀の必須スキル:デジタルリテラシーが世界に変化をもたらす若者を育み、学業と卒業後の成功を導く

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写真提供:100cameras.org 3人の少女がカメラの液晶画面を見ている

現代の若者はデジタルネイティブの第一世代であり、PC、インターネット、スマートフォン、ソーシャルメディア、バーチャルリアリティなど、日進月歩のテクノロジーに囲まれて育っています。あらゆる点でビジュアルテクノロジーに接しているZ世代は、ビジュアルの力を本能的に認識しているでしょう。

デジタルスキルとクリエイティブスキルを学び続けることで、学業でも社会で働くときも必要となる、世界に影響を与えるようなビジュアルコミュニケーションのスキルを身につけることができます。文字だけではなく、動画、写真、プレゼンテーション、インフォグラフィックなどを駆使して、気候変動や社会的不公正などの重要な問題について啓蒙し、意識を高め、より深いつながりを築いていくでしょう。デジタル・クリエイティビティは、これまで以上に学業や社会で活躍する若者や世界に変革をもたらす若者を後押ししています。

Adobe MAX 2021では、生徒や学生が創造性を発揮し、21世紀に不可欠なスキルとしてデジタルリテラシーを身につけるための取り組みをおこなっている教育機関や関連団体に話を聞きました。そのような教育機関では独自のプログラムを展開し、生徒や学生がコンテンツの消費者からコンテンツのクリエーター(制作者)、イノベーターへと飛躍できるようにサポートしています。

テキサス大学サンアントニオ校:アドビ製品を活用して学業の底上げに取り組む

テキサス大学サンアントニオ校(UTSA)は、キャリア準備に力を入れ、将来活躍するために必要となる様々な知識とスキルを提供しています。そのため優先事項としたのがデジタルリテラシーです。UTSAはAdobe Creative Campusとして、全教職員と学生がAdobe Creative Cloudを利用できるようにしました。

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写真提供:テキサス大学サンアントニオ校(UTSA)大学生がベッドに寝そべって電子機器を使用している

UTSAは、デジタルリテラシー学修の効果を確かめるために、Civitas Learning、LinkedIn、アドビが共同で実施する調査を実施しました。そして、その結果は期待を大きく上回るものでした。

全学生を対象に調査をおこなった結果、Adobe Creative Cloudを使用した授業を受講した学生は、そうでない学生と比べて8%高い成績を収めました。1%の増加でも重要な変化であるため、これは定着率の大幅な増加を意味します。

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クリエイティブスキルは学業だけでなく初期キャリアの成功にも大きな影響がありました。新卒者はLinkedInのプロフィールにクリエイティブスキルを記載すると、初任給が最大16%高いことがわかりました。また、過去3年間でプロとしてのクリエイティブスキルを持つ人は給与の上昇率が最大3倍でした。これはあらゆる業種と職務に共通しており、デジタルリテラシーはすべての学生に重要であることを示しています。

「Adobe Creative Cloudを学校で使えるようにすることで、学生の制作活動をサポートし、社会で役立つスキルの向上を促しています」UTSAアカデミックイノベーション担当副学長、Melissa Vito博士

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ウィンストン・セーラム州立大学:学生に社会貢献を指導

「学ぶために来て、貢献するために旅立て」がウィンストン・セーラム州立大学(WSSU)のモットーです。代表的な歴史的黒人大学(HBCU)であるWSSUは、学生が地域や社会全体に変化をもたらせるように、必要な知識とツールを提供することを目指しています。

「本学の学生には卒業後に社会貢献をおこなうことを求めています」WSSUの司法研究科准教授であるJack Monell博士はこのように語っています。「社会正義はあらゆるコミュニティで実現しています。それが何であれ、自分が得意とする才能を他の人のために使うように教えています」

学生が地域社会に貢献し、社会問題への関心を喚起するために、テクノロジーが重要な役割を果たすことが多い現在、HBCUとして初めてAdobe Creative Campusに指定された同大学のMonell氏は、Adobe Creative Cloudをカリキュラムに取り入れ、学生がより良いデジタルコミュニケーターになれるようにしています。

Monell氏の社会正義の授業では、学生が社会問題を発見し、地域のパートナーと協力して解決策を生み出すことを課題として取り上げています。学生は、街頭でのインタビューや作品のビデオ撮影を編集して、Adobe Spark(現在Creative Cloud Express)を使ってクラスメートやコミュニティ全体に向けた心に響くプレゼンテーションを作成します。

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画像提供:ウィンストン・セーラム州立大学(WSSU)Adobe Spark(現在Creative Cloud Express)を開いたスマートフォンの画面

WSSUの社会正義のプロジェクトには、既に人生を変える役割を果たしたものもあります。2014年、司法研究科准教授兼学科長であるDenise Nation博士は、1976年に暴行罪で不当に有罪判決を受けたアフリカ系アメリカ人、Ronnie Long氏の事件に関するプロジェクトを展開しました。歴史学、政治学、社会正義学の教授陣がLong氏の話をカリキュラムに取り入れると、学生たちから大きな反応が得られ、書簡を送り、教員と共にLong氏を支援する抗議活動をおこなうまでに発展しました。また、デジタル知識を駆使し、Twitterのアカウントを立ち上げてからAdobe Spark(現在Creative Cloud Express)やAdobe Premiere Rushを使ってビデオプレゼンテーションを作成し、Long氏の話を広く知ってもらうための活動に取り組みました。6年間の活動を経て、2020年8月ついにLong氏は自由の身となったのです。

「教育現場で社会正義が実現されると、たいてい教職員が賞賛されるでしょう」とMonell氏は語ります。「しかしこの例では学生が最前線で創造性を発揮して、Ronnie Long氏の事件に注目を集めるコンテンツと戦略を生み出しました。教員はコーチとして見守るだけで、重要な役割を果たしたのは学生たちでした」

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Planet Forward:デジタルジャーナリズムを通じて世界の問題を提起する学生を支援

受賞歴のあるジャーナリスト、Frank Sesno氏は、CNNで20年間活躍した後、次世代の主張に刺激を与え刺激を受けるためにジョージ・ワシントン大学に転職しました。Planet Forwardというマルチメディアプラットフォームを設立し、持続可能性と環境に関するトピックを創造的に教え、取り組み、祝福するストーリーを学生が公開する場を提供しています。

「今の若者はこれまでの世代にはないほど多くの情報量、発信力、影響力を手にしています」とSesno氏は語っています。「そのエネルギーを活かして仲間を募り、動かすことができれば、大きな成果を発揮できるはずです」

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写真提供:Planet Forward 男性が小さな子供に画像を見せている

現代のメディアは、幅広い視聴者層向けにストーリーを伝えるため、視覚的要素、データ、グラフィック、アニメーションが数多く必要になります。そのためPlanet Forwardを運営するSesno氏とメンターたちは、学生が殻を打ち破り、新しく創造的な方法で自分のストーリーを伝えるように促しています。

学生のTerrius Harrisさんは、詩と写真を組み合わせて人間と生物が共存する様を表現しています。Francesca Edralinさんは、10代の気候変動活動家からブロンクスの食糧難に対処するガーデニング教室まで、様々なテーマのドキュメンタリーを撮影しています。

すべての学生がジャーナリストというわけではありません。環境法専攻のDeepti Bansal Gageさんは、世界の様々な側面について深く考えるきっかけとなるストーリーを伝えたいと考えてPlanet Forwardに参加しました。あるプロジェクトでは、種の保存をテーマとするAdobe Spark(現在Creative Cloud Express)ページを作成しました。食料、シェルター、水、薬など、読者が重要と考えるテーマを選び、小さな生き物がそのテーマにどのような影響を与えるかを学べるようにしました。

「このAdobe Spark(現在Creative Cloud Express)ページでは、視聴者がクリックしたり、ビデオを見たりして、インタラクティブな体験ができます」とSesno氏は語ります。「視聴者を引きつけることができる、非常に効果的でよく考えられた方法です。学生には、視聴者にとって忘れがたいアイデア、画像、情報を提示するように伝えています。Planet Forwardが大きな影響力を秘めているのはそのためです」

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写真で若者の声を届ける100cameras

100camerasは世界中の困難な経験をした若者に、写真を通して自分の経験を処理し、伝えることを教えるというユニークなビジョンを持つ非営利団体です。

「これまでの調査から、目を向け、意見を聞いてもらえていると感じる機会がないと、人はその場を離れる傾向が高いことが統計学的にわかっています」と創業者兼CEOのAngela Popplewell氏は説明しています。「若者が自分自身のことやコミュニティでの役割を前向きに捉えられるように、若者の声を高め、広げたいと考えています」

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写真提供:100cameras.org

100camerasは地域の学校や青少年団体その他の指導者と提携して、語り手、自己表現、写真撮影のスキルを生徒たちに教えるカリキュラムを作成しています。写真は100camerasのwebサイトやAdobe Stockを通じてプリント販売され、収益は子どもが所属するコミュニティに全額還元されます。このプログラムは自分を表現する機会を若者に提供するとともに、自ら発信することでコミュニティに影響と価値がもたらされることを示しています。

100camerasと頻繁にコラボレーションしているビジュアルアーティストのAundre Larrow氏は、被写体に敬意を払った倫理的な伝え方の推進に、100camerasのモデルが大きな意味を持つと考えています。100camerasでキュレーションされて販売される画像はすべて、その地域に住み、本人を取り巻く人々、場所、世界を尊重している若者が語り手となり、自らの視点で撮影したものです。

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写真提供:100cameras.org

「子供たちが写真を通して自分のことを発信できるように支援することが私の使命です」とLarrow氏は語ります。「100camerasのモデルで、子どもたちに自分の感情が重要であることを教え、人々が彼らの作品を評価していることを示しています」

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ビジュアルストーリーで世界を変える

デジタルメッセージやニュースなど、デバイスに表示される情報に常に接する中で、若い世代はデジタルメディアの表現力を身につけ、創造性を駆使して、自分のストーリーを伝え、より多くの視聴者に向けて世界を変えるコミュニケーションの方法を学んでいます。