[ペーパーレスからはじめるDX] Acrobat SignとMicrosoft365アプリの連携で業務ワークフローを自動化

業務プロセス自動化のイメージ

Acrobat Signは、契約や承認プロセスをデジタル化する電子サイン機能を提供し、さまざまなシステムと連携することでドキュメントワークフローそのものの自動化を支援するドキュメントソリューションです。今回は2022年3月29日に開催されたオンラインセミナー「Microsoft365導入企業様向け!Adobe Sign(現Acrobat Sign)とMS365の連携で実現する署名ワークフロー自動化」から、Acrobat SignとMicrosoft 365を連携し、契約書の作成から署名依頼、契約締結後の契約書の管理までシームレスに自動化する方法を紹介します。

(セミナーはこちらからオンデマンドでご視聴いただけます。)

アドビ製品とマイクロソフト製品との強固な連携

業務で日常的に活用しているWordやExcel、PowerPointなどのマイクロソフト製品。アドビとマイクロソフト社は、CEO同士がインド出身ということもあって経営層同士が密に連携し、戦略的パートナーシップを締結しています。製品連携にも積極的で、Adobe Document CloudプラットフォームはMicrosoftプラットフォームと密に連携しており、現在もマイクロソフト製品との連携強化に向けて投資を継続しています。

Document Cloudと連携できるマイクロソフト社の製品は、以下にあるようにOfficeやファイル管理システム、コミュニケーションアプリなどさまざまな分野に及んでいます。

・Office × Document Cloud

WordやExcel、PowerPointやOutlookにアドオンを提供し、Officeのメニューを通じてAcrobat PDFファイルへの変換や、Acrobat Signを使った署名依頼の送信などを実行できます。

Microsoft Office製品とAdobe Document Cloud製品の連携イメージ

・SharePoint × Document

SharePointから文書ファイルを指定するとDocument Cloudのメニューが表示されるので、そのメニューから文書のPDF変換を実行したり、Acrobat Signによる署名ワークフローを実行したりできます。署名が完了したファイルはSharePointに自動保管できます。

・Microsoft Teams × DocumentCloud

Teamsとの連携は(1)Teamsのアプリケーションとして提供されている「Adobe Acrobat for Microsoft Teams」を使った共有レビューの実行、(2)マイクロソフト社が提供している承認アプリケーションとAcrobat Signの連携、(3)Teams内の対面会議中にお互いが顔を見ながら対面署名できる「Adobe Sign for Microsoft Teams」(現在開発中)の3つがあります。後ほど詳しく説明します。

・Microsoft Power Automate × Document Cloud API

アドビでは、業務プロセス内にアドビのドキュメントソリューションを組み込むためのAPIを提供しています。これらのAPIに関し、コーディングレスで実装できるようにMicrosoft Power Automateでコネクタを用意しています。署名ワークフローを実現する「Adobe Sign API」、PDFファイルの作成・操作のための「PDF Service API」、WordテンプレートとJSONデータからPDFとWord文書を生成する「Document Generation API」の3つです。これらのAPIとPower Automateのコネクタを活用することで、文書の作成から署名依頼、保管までの業務プロセスを容易に汲み上げていくことができます。

Teamsを使ったドキュメントワークフローの改善

具体的なワークフロー改善方法について見ていきましょう。Teamsは、場所を問わずに複数人が会議や共同作業を進めることができるコミュニケーションプラットフォームです。Acrobat for Teamsにより、PDFファイルの共有レビューの依頼を出したり、コメントが書き込まれたり、コメントに対する返信を行ったりすると通知されるようになっており、スムーズな共同レビューが進められます。文書はOneDriveやSharePointに自動保管することもできます。

さらに承認アプリとAcrobat Signを連携することで、Acrobat Signによる承認依頼を行えるほか、署名のステータスを確認したり、Power Automateを組み合わせることでより複雑なフローを実現することができます。

社内で文書を作成・承認した後は、現在開発中のAdobe Sign for Microsoft Teamsを利用し、取引先などと対面会議しながら文書の内容をお互いに確認、Acrobat Signを通じた署名依頼/署名を行うことができます。会議を録画すれば合意形成プロセスの証憑にもなりますし、対面での署名となるので本人性もより高くなります。

業務プロセスデジタル化のイメージ

こうして交わした契約書や業務委託依頼などは、Power AutomateでSharePointなどの文書管理システムに自動保存するように設定しておくことで、文書の作成から承認、署名依頼と締結、保存というドキュメントワークフローがデジタル内で完結できます。

より高度な自動化を実現するPower Automate

Power Automateはマイクロソフト社のPower Platform上で動作し、定型業務や反復作業を自動化するサービスです。Acrobat Signでは、このPower Automateのコネクタを活用したさまざまな自動化テンプレートを用意しており、これらのテンプレートを業務システムに組み込むことで、より高度で複雑な処理を実行できます。テンプレートでは、具体的には「署名が完了したドキュメントをSharePointもしくはBoxに自動保管する」「署名が完了したドキュメントをダウンロードする」などのようにさまざまなアクションが用意されています。

Power Automateを活用したAdobe Signのプロセス自動化のイメージ

これらを組み上げ、「SharePoint内の文書の承認をPDFとしてDocument Cloudにアップロードし、Acrobat Sign経由で署名を依頼する」「署名ステータスを確認する」「署名が完了したらドキュメントをダウンロードしてSharePointに保存する」といったように、契約書の準備から署名、保存までを自動化できます。契約書の社内作成をTeams上で行えば、制作から契約プロセスの完了、電子帳簿保存法に対応した文書保存までを一気通貫でデジタル化できるようになるのです。営業管理や調達管理といった業務システムに組み込むことも可能なので、業務そのものをまるごとデジタル化、自動化できます。

Power PlatformとAdobe Signの連携イメージ

セミナー参加者からは「TeamsのPDF共同レビューはぜひやってみたい」「契約書の署名依頼から自動保存まで一気通貫でデジタル化できるというのは便利だ」とペーパーレス化に意欲的な声が多く聞かれました。そしてTeamsとAcrobatでの契約書レビューや署名フローのデジタル化、そしてPower Automateでの署名済み文書管理の自動化と、一歩ずつ進めていくことで業務のDXにつながるはずです。

(セミナーはこちらからオンデマンドでご視聴いただけます。)

アドビのWebサイト内では様々な動画やお役立ち資料をご用意していますので、これを参考にアドビのドキュメントソリューションを活用し、脱ハンコ・ペーパーレス化をはじめてみましょう。

*2022年3月にAdobe SignはAcrobat Signへリブランドしました。オンデマンドセミナー内では旧ブランド名であるAdobe Signとしてご紹介していますのでご留意ください。

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