平和、愛、人生、そしてカルチャーシフト Adobe StockアーティストGerardo Rojas Juárez
クレジット:Adobe Stock / Gerardo Rojas Juárez
ペルーのリマで生まれ育ったGerardo Rojas Juárezさんは「自分のルーツは自然だ」と言います。代々続く家系に生まれたJuárezさんは、幼少期に両親のカメラを持って外に繰り出し、想像力を掻き立てるような写真を撮ることもありました。
「子供の頃から絵を描くことが好きで、このことがアートの世界へ触れる大きな第一歩となりました。こういった時期もあって私は想像力が豊かになり、成長し続けることができているのだと思います。今でも想像力を膨らませることが好きで、自然の中にいると当時の幸せな自分に戻ったような気分になります」とJuárezさんは語ります。
現在23歳のJuárezさんは、写真家、イラストレーター、ビデオグラファーとして、愛、自然、友情、子供、セルフイメージなどを反映した作品を生み出しています。このように創作活動を幅広く行うJuárezさんは、創作力も多様性に富んでいます。
「絵を描くときは、光と手の動きが絵画で表現されているルネサンス美術からインスピレーションを受けています。また、家族が集まるたびに父親が撮っていた写真からも同じように刺激を受けています。その頃から趣味で絵を描いていましたが、今はフルタイムでやっています」とJuárezさんは話します。その一方で、人生そのものがインスピレーションの最大の源であるとし、自然の光を作品に取り入れながら自分の作品にドラマと力強さを与えています。
大学の講義、業界での経験、芸術的な仕事を通して磨かれた技術
Juárezさんは、子供の頃から大好きだったイメージメイキングを大学でも学びました。ペルーにあるUniversidad Peruana de Ciencias Aplicadas(UPC)でコミュニケーションと広告を専攻し、写真の講義でテクニックや共同作業の進め方を学びました。その後、グラフィックデザイナーとして広告業界で働くようになり、ブランド戦略やイラストなど様々な業務に携わるようになりました。
「ある意味、クリエイティブな写真の完成に向け踏む創造的なプロセスを学んできたので、今の仕事にとても満足しています。広告やファッションの写真にもトライしました」とJuárezさんは言います。しかし最近は「魂に語りかけるような、よりありのままの写真」、つまり感情を奮い起こすようなリアリティを追求した写真を創作したい意欲に溢れています。そしてAdobeの活動を知り、Adobe Stockのための写真制作を開始しました。
「自分で撮った写真をいじって新しい作品にすることが好きなんです。私のアイデアがもっと形になるように、写真に手を入れたほうがいいと感じることがあるからです。抽象的な形や、時にはタイポグラフィを使って写真に遊びを持たせたりします」とJuárezさんは言います。しかし、Juárezさんの作品が伝えるメッセージには必ず、愛、想像力、そして人生という彼の核ともいえる概念が取り入れられています。
クレジット:Adobe Stock / Gerardo Rojas Juárez
クリエイティブな発想と綿密な計画、そしてコラボレーション精神で
Juárezさんの創作活動は、その場の衝動やインスピレーションと大学で学んだ撮影の構成に役立つプランニング手法をバランスよく組み合わせています。撮影前には、参考資料の確認、スカウトやリサーチを行ったり、使用する照明などを考えます。Juárezさんは、色と被写体が持つ要素の調和を図りながら補完的な構図を作り上げることにこだわり、太陽の光に包まれた雰囲気を出せる暖色系の色を好みます。さらに、モデルのスタイリングを行ったりもします。
「ブランドが関わる大きなフォトセッションであれば、そのブランドと協力しながら写真のイメージを決めます。しかし、パーソナルなフォトセッションであれば、クライアントが本当に見せたい写真や満足いくような写真を話し合いながら作り上げています」
クレジット:(左)Adobe Stock / Gerardo Rojas Juárez、(右)Adobe Stock / Gerardo Rojas Juárez
恐れから離れ、光の中へ
Adobe StockのArtist Development Fund(アーティスト開拓ファンド)では、Juárezさんが誇りを持って所属するLGBTQ+コミュニティを表現したオリジナルのイラスト、ビデオ、写真のコレクションを制作しました。彼の母国ペルーは保守的な国であり、クィア文化やLGBTQ+コミュニティに対する寛容性の高さやサポート体制において他国よりも遅れています。そのため今回の写真制作はJuárezさんにとってとても意味があることでした。
「私は多くのステレオタイプや、ホモフォビアまたはトランスフォビアに対して誤って解釈している環境で育ちました」とJuárezさんは言います。「このような知識の欠如を目の当たりにして、こう思いました。『もし自分たちのストーリーや色んな人たちがいることを伝える機会があるのなら、Adobe Stockは絶好の場だ。今までそういった機会に恵まれなった人たちと一緒に動いて、たくさんの人に知ってもらいたい』と。ペルーでは長年にわたり、コメディ番組などでメディアが提供する誤った情報がネガティブなステレオタイプを助長し、LGBTQ+コミュニティは軽蔑的で攻撃的な扱いを受けてきました。大量のストック写真を作成し、様々な表現や生き方を知ってもらいたいという気持ちが、今回の制作において大きなモチベーションになりました」
Juárezさんと同じ志を持つクリエイターたちによる勇敢で美しい努力は、古い文化に新たな変化をすでにもたらしています。これは、大きな影響力と共に今後末永く活躍するであろう若きアーティストによる真の成果であり、まさに快挙と言えるでしょう。
「私は今までにLGBTQ+の支援に関するビジョンを分かちあうような様々なブランドとコラボレーションする機会がありました。多種多様なコンテンツの共有やインクルージョンの考えが広まったこともあり、恐れずに自分を表現する新しい世代がすでに存在しています」
Adobe StockでGerardo Rojas Juárezさんのポートフォリオを是非ご覧ください。アーティスト開拓ファンドへの応募や、クリエイティブブリーフの検索、作品の提出に関する詳細は、Adobe Stock支援プログラムのサイト(英語版のみ)をご覧ください。
この記事は2022年5月11日に Sarah Rose Sharp により作成&公開された Peace, love, life, and culture shift with Adobe Stock artist Gerardo Rojas Juárez の抄訳です。