【海外事例】イーストロンドン大学、デジタルワークフローで校務を最適化

イーストロンドン大学でのAdobe Acrobat Sign導入と活用法

135か国から17,000人以上の学生が学ぶイーストロンドン大学(UEL)では、ワークフローの合理化と連携の強化が極めて重要です。2020年12月、UELはアドビとパートナー提携し、Adobe Acrobat Signを導入することで紙への依存度を下げ、校務を最適化しました。

「新しいテクノロジーや、どうすればA地点からB地点までより速く、安く、安全に移動できるかという効率化に関する記事を読むのが好きです」。こう語るのはUELのデジタルアダプション&エンゲージメントチームリーダー、Ionel Ursu氏です。「日々の仕事を改善するためにテクノロジーをどのように利用できるかを話し合い、サービス自体の強化に取り組む時間を増やすことが私の職務です」

大学のミッションであるVision 2028のメインとなるのがデジタル化の推進であり、このミッションには英国でキャリア開発に特化した大学となり、イノベーション、サステナビリティ、インクルージョンに優先的に取り組むことが含まれます。UELの将来の目標であるMicrosoft製品とAcrobat Sign、その他のアドビのツールとの統合は、このビジョンを達成する足掛かりとなり、ワークフローの最適化と学生生活の向上を実現しながら、紙の使用と書類の発送に伴う二酸化炭素排出量の削減に貢献するでしょう。

Acrobat Signを使ったプロセスの効率化

COVID-19の感染拡大により、UELのプロセスを急遽デジタル化する必要性が生じ、これがAcrobat Signを採用するきっかけとなりました。パンデミック前は、電子サインの必要性に若干の疑問がありましたが、世界的なロックダウンが起き、リモートワークが主流になると、従来の郵便システムに頼っていては署名入り文書をタイムリーに受け取ることは難しくなりました。

17,000人の学生への就職紹介と実習契約の管理履行、1,000室以上の賃貸契約は膨大な作業であり、可能な限り効率化する必要があります。また、紙とペンによる署名が必要な場合、その契約書が郵送中に紛失し、さらに遅延が発生するリスクもあります。

UELでは、電子サインのメリットと豊富な機能を評価し、学生のフォーム、契約書、同意書、その他様々な文書をタイムリーに処理するために、Acrobat Signを採用しました。サプライヤーや請負業者との取引などでは、4000万ポンド相当(約64億)の調達契約を管理することもあるため、文書を処理する際の効率性と安全性の維持は非常に重要です。

Ursu氏は主な使用例としてさらに2つを挙げ、次のように語っています。「英国内外の教育機関との学術提携では、覚書を交わす必要があります。また、国際オフィスでは、留学生と大学間で多くの文書に署名する必要があります」。UELには150か国以上の学生が在籍し、世界中の教育機関と連携しているため、Acrobat Signを使うことで距離に制約されない簡単なワークフローを構築できました。

さらに、UELビジネスセンターでもAcrobat Signを使って効率化を図っています。このセンターで、UELは小規模ビジネスを始めるオーナーに必要なオフィススペースとデジタルインフラを提供しています。学生と小規模ビジネスのオーナーが入居するには、申込書、賃貸借契約書、サービス契約書などが必要で、Acrobat Signはこのワークフローの最適化に極めて重要な役割を担っています。

結果

現在Acrobat Signは、UELの複数の部門で使用されています。昨年だけで電子サインの利用が119%増加し、エンドツーエンドのプロセスで11万時間以上短縮、合計で9万ポンド以上(約1,460万円)プラスの経済効果がありました。

現場が静かなことが何よりUELの成功を証明していると、Ursu氏は次のように語っています。「何かあれば私に苦情が殺到するはずなので、現場が静かなことが成功を物語っています」

Acrobat Signの導入以来、時間の短縮、取り扱いの容易さ、情報のセキュリティと追跡性の向上など、様々な面でワークフローを最適化できました。

「ビジネスセンターでリース契約とライセンス契約にAdobe Acrobat Signを採用したことは大きな転機となりました。これまでの紙ベースのシステムは悪夢のようでしたね。常に契約書の署名待ちで、承認用の署名やスキャンをしなければならない文書も山積みでした」。UELのビジネスセンターマネージャーであるDuncan Boak氏はこう語っています。

「それがAcrobat Signを使えば、2回のクリックですべての署名者に文書一式を送信できます。効率化の効果は絶大で、比較的安価な取引コストをはるかに上回るはずです。業務がスムーズになりプロらしく処理できるため、クライアントにも好評です。間違いなくこれからの時代に必携の機能です」

UELにおけるAcrobat Sign活用の今後の目標

Ursu氏の最終目標は、Acrobat Signを最大限に活用することです。「UELの学生には全員入学時に使ってもらい、すべてをAcrobat Signで処理したいと考えています」

Ursu氏はAcrobat Signを導入するメリットのある部門が他にもあると考えています。文書のチェック機能は、多くのパスポートや文書をスキャンしているUELの国際部に有益な機能です。人事部は雇用契約書の作成にAcrobat Signを利用することを計画、法務部と財務部は業務での利用拡大に意欲的です。

他にも、NHS職員の研修、研究開発チームのパートナーのタイムシート、学生のAcrobat Signの活用など、様々な場面での活用が検討されています。

そして現在、アドビとUELは、Acrobat SignとUELの既存のマイクロソフトアプリケーション、アドビツール、内部の学生管理システムとの統合プロジェクトに取り組んでいるところです。

UELは今後もAcrobat Signの利用を拡大し、全学のワークフローとプロセスの中心に据える予定です。