「Hippie Modernism: The Struggle for Utopia(ヒッピーモダニズム:ユートピアへの闘争)」展では、家具や、オルタナティブな生活様式、没入型で参加型のメディア環境、オルタナティブな出版とエフェメラ、その時代の実験的な映画が紹介されています。この展覧会では、その時代の様々な先駆的芸術に加え、機能的なデザイン、コンセプチュアルアート、情報デザイン、生活圏の構築、独自の出版の例を展示しています。こうした多くのアイデアが誕生してから50年が経過した現在、これらの考え方は、New Naturalism(ニュー ナチュラリズム)トレンドの中で素材を制作する際の試金石となっており、社会のシステム、価値観、理想の大きな再構築が進む中で、その今日的な妥当性が注目を集めています。
園芸家で植物愛好家のKelly D. Norris氏は、著書『New Naturalism』の中で、生育し続ける多年生植物を活かしたホームガーデニングのビジョンを示しています。これはオランダのデザイナーPiet Oudolf氏が広めた考え方にもとづくものです。Oudolf氏は、現代建築と植物界の繁栄を共存させる国際プロジェクトの推進者として知られています。ファッション分野においては、New Naturalism(ニュー ナチュラリズム)の影響で、濃いメイクや複雑なスタイリングではなく自然志向のすっきりしたルックスや素材が重視され、エコでレトロなスタイルの採用が多くなります。このトレンドは持続可能性への配慮をうたう製品との相性がよく、例えば、最近開発が進んでいるキノコ菌糸体素材のレザー、サトウキビ素材のスニーカーなどのファッション新素材によく馴染む性質があります。
New Naturalism(ニュー ナチュラリズム)には、そのインスピレーションの源泉である自然環境と同じく、高い順応性と流動性が備わっています。スタイリストやデザイン構成に携わる人が、シンプルな要素を使ってインパクトのあるビジュアルを生み出すスキルを磨くうえで、このトレンドは非常によい機会となります。New Naturalism(ニュー ナチュラリズム)の実践者は、どこにでもある材料だけを用いて身近なモノ、素材、生活環境の美しさを称えつつ、入手しやすい持続可能な材料を生かす伝統的な価値観に自分なりの考え方を付け加えることができます。