「デジタルクリエイティブ基礎」受講生がキービジュアル制作にチャレンジ!〜北海道大学教養深化プログラム
北海道大学大学院では、大学院共通の教養深化プログラムで、アドビが提供する講座「デジタルクリエイティブ基礎」を開講しています。デザインの基礎知識をつけながら数々のアドビ製品を使ったデジタルコンテンツの制作の基礎を学べる内容で、教養深化プログラムの中で最も受講者の多い講座です。2022年9月22日(木)には同講座の修了者を対象にフォローアップイベント「みんなで作ろう来年のキービジュアルを」を開催。事前に作品を募集し、イベント当日に参加者がオンラインで公表を受けました。
デザインの時代に表現力をつける
イベント冒頭では同大大学院文学研究院教授 教養深化プログラム プログラム長 加藤重広先生が挨拶。「今われわれが生きている時代はデザインの時代」と表現し、学会の発表などにおいても“どのように伝えるか”という情報のデザインがいかに重要かを説明しました。そして、「これを機会に、さらにスキルを上げて、長期的な展望でデザインの能力を高めていってください」と参加者に呼びかけました。
イベントを進行するのは同大大学院文学研究院特任助教 平川全機先生と、アドビ エデュケーションエバンジェリスト井上リサ。ゲスト審査員に、アーティストでもある同大大学院教育推進機構オープンエデュケーションセンター特任講師 朴炫貞先生と、アメリカでの映像制作キャリアを持つアドビ カスタマーサクセスマネージャー小木哲也を迎え、参加者の作品を講評していきました。
力作にプロの視点で講評
今回の作品制作の目的は、来年度講座の受講を考える後輩に“受講したい!”と思ってもらうことです。まず作品を紹介したのは近藤虎太郎さん。「授業の売りである『アドビ』が目立つようにして、なるべくシンプルに、伝えたいところをわかりやすくするように心がけました」。デザインは複数パターン制作しました。
近藤さんの作品より
朴先生は、「いろいろなバージョンを作ってみると同じ素材で違う表現ができて、表現が変わるとメッセージも変わってくるということを実感したのではないかと思います。今後は、レイアウトをするときの根拠をもう少し自分の中で考えてみると、よりよい作品につながるのではないかと思います」とアドバイスを交えてコメントしました。
続いての作品は、逆さに配した東京タワーや配色が印象的なFernando Ursineさんのキービジュアルです 。「クリエイティブな作品を作るために色合い、言いたいことなどいくつかの要素を考慮する必要があるとあらためて感じました」。
Ursineさんの作品
小木は、「何を意味しているんだろう?と感じさせる抽象的な表現に引き込まれました。色合いも配置も面白いと思います。例えばどこかにQRコートが埋まっていたりして、この先のコンテンツがあるんじゃないかと期待させるような感じがありますね」とコメントしました。
ここでサプライズとして、進行を務める平川先生の映像作品が披露されました。講座に伴走してきた平川先生自身も制作にチャレンジしていたのです。デジタルクリエイティブ基礎講座の内容や対面授業のメリットなどが伝わるよう意識して編集したとのこと。実際に制作してみた感想は「楽しいですね」。クリエイティブワークの面白さを先生も実感する機会となったようです。
平川先生の動画作品より
朴先生は、「先生の気持ちがとても伝わる映像です。いろいろな場面やタイポグラフィで “こんなことをやるからぜひ来てね”という気持ちが伝わってきました。それは細かい情報を伝えることより大事なことだと思います」とコメントしました。
最後は米田夏輝さんによる映像作品。スピード感のある音楽に合わせてテンポ良くシーンが切り替わっていきます。「学内でアドビのアプリケーションの授業をやっているということを知らない人が私の周りにもいたので、北大の日常のカットをはじめに入れて、レクチャーの様子や、受講して感じたことなどを入れました」。米田さんはアドビ製品の利用経験が長く、映像制作経験も豊富だそうです。
米田さんの動画作品より
小木は、「純粋に見ていてワクワクしました。音楽のビートにあわせてカットしていくのはけっこう大変なんですよね。細かく調整したんだろうなというのがわかりました。同世代に刺さるカットの仕方だと感じます。文字だけの場面やテロップを表示する長さに気をつけるとさらに良くなると思います」と、具体的なアドバイスと共にコメントしました。
発表が終わったところで、アドビが用意したプロの手による講座紹介動画を視聴。参加者に提供されたのと同じ撮影映像にインタビュー映像を交えて編集されていて、印象的で講座の様子もよく伝わってきます。プロフェッショナルの実例として参考になるポイントが多くとても良い勉強となりました。
創り続けアウトプットすることが大切
最後はゲスト審査員による全体の講評です。朴先生は、参加者がまず制作物を仕上げて発表したことを評価し、「形にして人前に出すという一連のプロセスがとても大事です」と伝えました。そして、新しいツールを学んだことは、外国語を学ぶのと同様に、新たなコミュニケーションの手段を手に入れたということだと伝え、「とても楽しいクリエイティブの世界にもうみなさん入っていると思いますので、これからも創り続けていってください」と呼びかけました。
小木は、「みなさんの熱量を感じました。テクニックはやり続ければ後からついてきます。何かを作りたいとか伝えたいという気持ちをどれだけアウトプットしていくかが重要です。私も学生時代の気持ちを思い出させてもらいました」とコメント。そして、「とにかくチャレンジしてみよう、発表してみようというのは勇気がいることですが、そのスタンスを大切にしてください」と応援の言葉をかけました。
おふたりの話から、学んだ技術を駆使して自分なりに考えて制作してみることの大切さが伝わってきます。「デジタルクリエイティブ基礎」は今後も継続して、受講生のみなさんの伝えるスキルを伸ばしていくサポートをしてまいります。