【海外事例】Education Software Solutions (ESS)とグロスターシャーカレッジがAdobe Acrobat Signで入学手続きを改善
大学や専門学校の入学日は学校側にとっても学生たちにとっても節目となる一日であり、学生が最初の新学期に履修する科目の登録をおこなう日でもあります。キャンパスによっては学生が長蛇の列をなし、テーマパークのアトラクションに乗るように建物をぐるぐると回り歩いて、履修の登録窓口で書類に署名するのを待つ光景も見られます。
教育機関においては、学生の履修登録書への署名が政府から必要な補助金の交付を受ける条件となることがあります(補助金は学校が質の高い学習体験を提供するために必要な財源です)。署名は経営に直結するため、COVID-19の予防措置によってキャンパス内の移動や社会的接触が制限されるとしても、手続きの遅延は好ましくありません。
ビジネスの持続性を確保し、(特にeコマース、モバイルアプリ、何でもすぐに手に入る時代に育った学生向けに)入学手続きを一新するため多くの教育機関が注目しているのが、教育ソフトウェアソリューション(ESS)です。ESSはロンドンを拠点に49か国で19,000以上の顧客を持つ教育管理ソフトウェアの大手であり、多くの教育機関が既に同社のUNIT-e情報システムを管理の合理化のために使用していますが、ESSによれば、パンデミックを機に同社のシステムと電子サイン用のAdobe Acrobat Signとの連携に対する利用者の関心が加速しています。
グロスターシャーカレッジで電子サインが大好評
Acrobat Signを積極的に導入している教育機関の一例として、英国内に3つのキャンパスを持ち、革新的でキャリア開発を柱とするグロスターシャーカレッジがあります。ESSの利用歴は10年近くに及び、ここ数年ペーパーレス化の方法を探っていましたが、昨今のパンデミックにより学生の履修登録をデジタル化する必要に迫られたことで、ペーパーレスに対する取り組みがさらに加速しました。
2020年の夏には、校内でのコース登録ができませんでした。
グロスターシャーカレッジのデータ管理責任者であるNeil Pratt氏はこのように語っています。「履修登録の設定と電子サインソフトウェアのテストには、2~3か月しかかかりませんでした。Adobe Acrobat SignをESS UNIT-eのシステムに連携させたことが功を奏し、シンプルかつ短期間で導入できたのです」
この連携によるメリットとコスト面を考慮し、同大学は他の電子サインソリューションではなくAcrobat Signを選択しました。導入は秋までに完了し、この1年間で登録した学生の数は5,000人以上に上ります。「ESSポータルの使いやすさは抜群です。登録窓口の担当者にとっても、学生にとっても非常に効率的になりました」とPratt氏。
学生が自宅にいるときや休憩時間の間でもパソコンですばやく登録フォームに署名できるという利便性があり、作業中や外出先であってもモバイル端末を使って署名することが可能です。電子サインのプロセスは画面を数回タップするだけなのでほとんどの場合1~2分もかからず、キャンパスを行き来する移動の手間を減らすことができます。
「学生や職員は、もう以前の履修登録方法には戻れないのではないでしょうか。Adobe Acrobat Signがどれほど便利かを知った今、もう電子サインを手放せません。」とPratt氏。電子サインが完了すると、各書類のデジタルコピーが学生宛てに電子メールで送信され、学生と管理者は大学のポータルサイトで書類を閲覧できるようになります。
効率化によるメリット
従来、グロスターシャーカレッジでは入学希望者全員の履修登録書を印刷し、入学当日に学生が記入および署名できるようにしていました。新しいソリューションでは、すべての合意書が最初から電子的に作成および保管されます。紙の合意書がなくなったことで、紙ファイルの収集、スキャン、破棄を依頼するサードパーティベンダーにかかる費用を年間約7,000ポンド(9,000米ドル以上)節約できました。
「入学申込者のうち実際に登録するのは65%前後のため、毎年35%の印刷フォームを無駄にしていましたが、今は、6,000枚のA3両面用紙の印刷コストを削減できました」とPratt氏。「紙を使わなくなったため、印刷関連のコストもまったく発生しません。オフィスにあった書類キャビネット6台を撤去したため、5台の机を置くスペースができ、教習用のスペースが増えました」
登録処理を担当するチームの生産性が向上し、スタッフの多くをデータの品質チェックなどの重要な業務に振り向けることができ、資金を最大限に活用できるようになりました。また、キャンパス間で登録書類を持ち運ぶ必要がなく、紛失リスクも軽減されました。
「ESSとの連携により、署名入り文書の作成、送信、安全な保管が非常に容易になりました」
ESSのおかげでAcrobat Signの導入を専門的かつ迅速に完了できたと、Pratt氏は次のように評価しています。「ESSのチームは、我々が必要とするときにいつでも非常に迅速に対応してくれます。履修登録書の電子サインのワークフローを円滑に稼動できたのもそのおかげです」「そして何より、この統合ソリューションは、業務の継続性と有効性を維持するために必要なものを提供してくれます」
信頼と認識を高めるESS
「当社はイギリス全土の教育機関に対して啓発活動をおこない、電子サインが大学の資金源である政府機関に認可された技術であることを周知しています。電子サインは法的に有効で、テスト済みであり、安全性が高く、監査可能、検証可能です」と、Education Software Solutions(ESS)のコマーシャルディレクターであるRob Clark氏は語っています。
ESSの調査によれば、紙ベースの登録フォームは電子サインを使ったプロセスよりも4倍コストがかかります。紙、印刷、スキャン、保管、廃棄にかかる相対的な費用に加え、郵送コストも削減できることから、Acrobat Signによる自動化のメリットがより明確になります。さらに、日付の書き換えや文書の改ざんを防ぎ、認証を容易にし、トラッキング、管理、保管を効率化して、ファイリング時のエラーを減らすというメリットもあります。また、管理者はより価値の高い業務に時間を割くことができ、学生にとって使いやすいプロセスを採用することで、教育成果に寄与し、環境の向上を図ることができます。
「若者は使いやすさを求めます。履修申請にモバイルアプリの購入と同じくらいの使いやすさを期待しているのです」とClark氏。「学生は署名したものを印刷して渡されることを好みません。また、大学には持続可能な社会を実現するための大きな課題があります。電子サインとペーパーレスの処理はそれらの課題を解決するものです。ESSのAdobe Acrobat Sign統合ソリューションを採用する組織は、学生の期待に応える教育機関と見なされます」
ESSソフトウェアにおけるAcrobat Signの活用事例は、種類、量ともに今も進化を続けています。例えば、大学がキャンパス内でCOVID-19の検査をおこなうため、学生の同意を文書化する必要が生じたときは、ESSの統合電子サインワークフローが迅速に稼働し、学生とスタッフを安全にキャンパスに戻すことができました。
「もともとAdobe Acrobat Signを選択したのは、当社の別の事業でアドビと協業していたからです。Adobe Acrobat Signは実装が非常に簡単なため、すぐに使っていただくことができます。また、ユーザーのニーズの変化に対応するため継続的にサポートが得られるのも助かります」とClark氏は語っています。
今後ESSは、電子サインの自動化プロセスをMicrosoftなどの主要なプラットフォームと連携させていきたいと考えています。同時に、グロスターシャーカレッジのようなお客様に対しては、購買など他の部門でも電子サインを使用して請求書の承認や様々な契約プロセスを合理化できるように支援しています。Clark氏は次のように語っています。「Adobe Acrobat Signのメリットは口コミですぐに広がり、教育機関全体で導入意欲が高まっています」
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