学生インターン主導のイベント「UNBOX YOURSELF」〜15秒のTikTok動画で自分を表現

「15秒の動画で自分を表現しよう!」……そんな瑞々しい感性に満ちたイベント「UNBOX YOURSELF〜自分の姿、クリエイティブに解き放て!〜」が、アドビ学生インターンの発案で実施されました。このイベントは、「Identity:アイデンティティ」をテーマにTikTokで公開する動画を制作し、プロからの採点と講評を受けることができるというものです。参加者は、9月30日(金)にAdobe ExpressとAdobe Premiere Rushのワークショップを受け、翌日作品を制作して提出し、10月2日(日)に講評を受けました。

学生インターンがイベントを企画

今回のイベントを発案、企画したのはアドビの学生インターンで国際基督教大学教養学部国際関係学専攻3年生のジョン・ヨンキョンさん。ジョンさんは大学で出会う学生たちが、育ってきた文化や国、言語などの環境によって、外見やひとつの基準では定義できないさまざまな要素からなるアイデンティティを持っていると感じてきました。ジョンさん自身も韓国からの留学生として、韓国語、英語、日本語を使いこなし日本で学んでいます。今回、学校の枠を越えて広く多くの学生に、自分自身のアイデンティティを考えるきっかけを提供できたらと考えてイベントを企画しました。

アイデンティティは、言い換えれば、「自分らしさ、自分が自分である理由」。イベント初日には、ゲストにTikTok/YouTubeクリエイターのMC TAKA氏を迎えて、インスピレーショントークが行われ、クリエイティブや自分らしさについて考えるヒントをもらいました。

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進行のアドビ Creative Cloud エバンジェリスト 仲尾毅と学生インターンのジョン・ヨンキョンさん(左)と、ゲストのTikTok/YouTubeクリエイター MC TAKA氏(右)

クリエイティブは日常にあるもの

MC TAKA氏はTikTokの英語力検証動画などで人気のクリエイター。商社勤務の経歴や、MC、通訳としての顔も持っています。独自の視点で動画を発信し続け現在TikTokで50万以上のフォロワーをかかえています。

MC TAKA氏は、“クリエイティブ”という言葉の捉え方について次のように話しました。「皆さんが目の前に見ているもの全て、どれも誰かの創造力で生まれたものなんですね。例えばパソコンとかマウスとかメガネとか、この部屋の壁とかカーテンとか、外の車とか道路とか標識も。この世の中ってクリエイティブでしか出来上がっていないし、クリエイティブがあって初めてこの世界で生きていけるんだと思っています」。さらに、物だけでなく、普段の会話の言葉や人間関係の作り方なども、人のクリエイティブな部分だとし、「クリエイティブって人生の中心にあるもの」と、参加者のイメージを塗り替えていきます。

そしてどのようなクリエイティブが得意で不得意かは人によって違い、試してみることが大切だと指摘。MC TAKA氏自身、TikTokを始めたのはコロナ禍がきっかけで、それまで動画編集の経験はなかったそうです。「動画の配信をするまで動画の編集センスはないと思っていたんです」と振り返ります。それでも未経験の世界に自ら飛び込んでやってみると、動画を編集して配信することに自分の適性やセンスがあることに気づいたそうです。「やってみなかったら動画のセンスがあるとは気づいていなかったんですよ。やってみなかったらたぶん一生、動画でこのような仕事も活動もしてなかったと思います」と、自らの経験を共有しました。

「みなさんクリエイティブって聞くとプロにならないと……と考えしまうと思いますが、クリエイティブっていうのはもっと思ったよりも日常にあるものです。難しく考えるんじゃなくて軽い気持ちで何か作ってみてください。いろいろなものに挑戦してみて失敗すると、何が自分にあっていて何があっていないか自然と淘汰されてわかりやすい答えが出てくると思います。ぜひ皆さん、クリエイティブっていうことばに怯えないで、いろいろ試してもらえればと思います!!」MC TAKA氏はこう話し、これから動画制作に取り組む参加者の背中を押してくれました。

さらにMC TAKA氏は「自分らしさ」の捉え方が変化したかつての経験を紹介し、参加者は多様な視点をインプットすることができました。初日は、参加者同士がグループになり自分らしさを考えるディスカッションタイムと、Adobe ExpressとAdobe Premiere Rushのチュートリアルも行われ、各自制作への準備が整いました。

さまざまなタイプの力作が集まる

翌々日の講評日は、MC TAKA氏と国際基督教大学准教授 アムール=マヤール, オリビエ先生を審査員に迎え、アドビのエデュケーションエバンジェリスト井上リサと共に、作品の公開審査と講評が行われました。

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(上段左、左より順に)通訳で活躍した学生インターン御厨結 さん、アドビ井上リサ、学生インターンジョン・ヨンキョンさん、(上段右)国際基督教大学准教授 アムール=マヤール, オリビエ先生、(下段)MC TAKA氏

提出された動画作品は、力強いメッセージを伝えるものから、雰囲気のあるエモーショナルな作品、アイデアが際立つ作品などさまざま。動画の構成やクオリティに加えて、アイデンティティを表現するメッセージ性などから総合的採点されました。得点にはTikTok上のオーディエンスからのLike数も加算され、上位3作品にはAdobe Creative Cloudの無料サブスクリプション1年分が贈られました。見事上位の評価を得た3作品をご紹介しましょう。

<1位>

1位は、ソーダ オータカさんの「自信を持ってなかった過去の自分へ」と題した、自作のアップテンポな曲に演奏シーンなどで構成したショートミュージックビデオです。重ねた歌詞の文字はAdobe Expressで作りました。自分のアイデンティティである音楽と “立派じゃない自分を否定してほしくない”というメッセージを表現したそうです。

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ソーダ オータカさんの作品より

MC TAKA氏は、「この動画は圧倒的だなと思っていました。一番いいねが多いのも納得がいきますね」と話し、ズームアウト、ズームインなどの動画編集の工夫や、演奏以外の日常シーンを入れた構成などを高く評価しました。また、曲ついては、「いろんな人へ勇気を与えられる可能性がある歌詞だなと思いました」とコメント。 アムール=マヤール先生も文字の重ね方やループのさせ方など動画の構成を評価しました。MC TAKA氏はさらに今後に期待するアドバイスとして、ストレートに思いを伝えるだけでなく、あえて説明しすぎずに視聴者が行間を読んで想像力を働かせる余地を作ることも提案しました。

<2位>同点2作品

同点2作品となった2位は、 mine さんの、横浜から都心に向かう様子などを表現した落ち着いたトーンの動画作品です。葉を触ると場面が転換するトランジションがグラフィカルで印象的。音楽も映像も自然にループするように整えられています。足跡のアニメーションは部分的にAfter Effectsで編集しました。自分のアイデンティティは育ってきた環境や今所属する大学の影響が大きいと考えそれらを表現したそうです。

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mine さんの作品より

アムール=マヤール先生は採点ボードを2つあげて高得点をつけ「この動画はとてもいいですね。デザインもとても好きです」とコメント。場所の移動を動画の配置などでうまく表現できていることや、複数の動画と足跡のアニメーションで構成されたデザインなどを高く評価しました。MC TAKA氏も同様に「センスをすごく感じています。アイデアも完璧です」と、トランジションの工夫や動画の編集テクニックを評価しました。おしかったポイントとして、動画の解説を聞かないと、動画を見るだけではアイデンティティの表現意図が伝わりきらなかったことをあげ、今後に期待を寄せました。

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明るく盛り上がる採点シーン。すべての作品にていねいなフィードバックが行われた

<2位>同点2作品

同点2位のもう1作品は、Ariさんの、おみくじを模したデザインの動画です。文字が読めないくらいのスピードで、点滅しているかのように次々にフレームが切り替わっていきます。Ariさんは、おみくじのクレーム対策で大吉を増やしているというニュースを見て、そんなことをする必要はないと考え、中吉だけの動画を作ったそうです。

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Ariさんの作品より

MC TAKA氏は「この動画は流してみるものではなくて止めて楽しむもの」と、クリックしておみくじのようにして楽しめることを解説し、「ショート動画という媒体を使った遊び心を感じたのと、アイデアが素晴らしいと思いました。面白かったです」と評価しました。アムール=マヤール先生もデザインや音楽、配色などを高く評価。一方で、アイデンティティの表現という観点が足りなかったことを伝えました。また、今後の知識として、激しく点滅する動画が健康上の配慮をする必要があることをアドバイスしました。

クリエイティブな活動を広げる学生をサポート

アドビのツールを使うのが初めての参加者も多い中、たくさんの素晴らしい動画作品が集まりました。全ての作品の講評を終えたアムール=マヤール先生は、「これからもクリエティビティを持って、創り続けてください」と参加者に呼びかけました。また、MC TAKA氏は「努力は夢中に勝てない」という言葉を紹介し、自分が夢中になれるものを見つけてほしいと伝えました。

今回企画をした学生インターンのジョンさんは、「周りの方から助けていただいて、本当にやりがいのあるとても素敵なイベントを企画することができて、とてもうれしかったです」と笑顔で挨拶しました。これを受けて井上は、「私たちアドビは、学生がやりたいと思った気持ちをサポートするのに全力を尽くしているので、“うちの学校でこういうイベントをやりたい”というのがあったら、ぜひ声をかけてください」と呼びかけました。これからも、多くの学生の皆さんがクリエイティブな活動に気軽に触れられる機会を広げていきたいと思います。