Photoshopなら理想の空間をすばやくかたちにできる|店内グラフィックを自らデザインする美容院・drop

drop メインビジュアル

屋内, 窓, テーブル, 部屋 が含まれている画像 自動的に生成された説明

drop 店内

表参道交差点から徒歩5分、原宿2丁目商店街に位置する美容院・drop

表参道で20年続く美容院・drop

東京の人気ファッションスポットのひとつ、原宿・表参道。
ハイブランドのショップが立ち並び、700を超える美容院がひしめくこのエリアは、日本のみならず世界有数の美容院激戦区として知られ、その高い技術力を求めて、遠方からも多くの人が足を運びます。

「drop」はその中心地で20年にわたり、ひとりひとりの髪と丁寧に向き合いつづけてきた美容院です。店内に足を踏み入れると、什器から小物に至るまでヴィンテージスタイルで統一された内装に、オーナーのデザインセンスが光る写真やグラフィックが散りばめられ、居心地のいいクリエイティブな空間が広がります。
訪れた人がほっと一息つけるようにと店内にはカフェを併設。オリジナルブレンドのハーブティーやこだわりのコーヒー、クラフトビールを楽しめるようになっています。

理想を実現するために自分たちでデザインする

drop 店内

シャツやDM、オリジナル商品まですべてdropでデザインされている

dropでは店内の空間に存在する、あらゆるグラフィックを、オーナーを中心としたスタッフがデザインしています。デザイナーに依頼するのではなく、スタイリスト自らが手がける、その理由はどこにあるのでしょうか。drop設立からデザインワークを担当する木島一さんに話を伺いました。

「理由はシンプルで、自分たちが好きなものを表現するのなら、やっぱり自分たちで作るのが一番いいと思ったからです。
オーナーが思い描く空間、ビジュアルのイメージをみんなで話し合って、コンセプトが決まったら僕がそれを詰めていく。このスタイルは20年前、dropを立ち上げた頃から変わっていません。
最初に自分たちでデザインしたのは、年末にお客さまにお送りするDMだったかな。それから、店内のちょっとしたグラフィックを作ったり、Tシャツを作ってみたり、パッケージもデザインしてみたり……少しずつ作れるものを増やしていきました。いま着ているTシャツも、僕が自分で作ったものなんですよ(笑)」

drop 木島一さん

drop スタイリスト・木島一(きじま・はじめ)さん

webや店舗の内装など、自分たちで作ることができないものでも、素材や質感、デザインの細部に至るまでディレクション。現在の内装を決めるときには、床や壁の色だけでなく、床板の幅まで話し合ったというエピソードからも、空間への並々ならぬこだわりが垣間見えます。

「webやDM、メニュー、パッケージのようなグラフィックだけでなく、来ていただくお客さまとの接点すべてにおいて、“dropという空間がどうあるべきか”を自分たちで考え、かたちにする。それが僕たちにとってのデザインなんです」

こう話す木島さんの本業はあくまで美容師であり、デザインを専門に学んだわけではありません。しかし、デザインへの興味は持っていたそうです。

「高校生のとき、友だちとバンドをやっていたのですが、メンバー募集のチラシをコラージュで作ったことがあって。こういう作業は好きだったんですよね。
当時は美大に入りたかったけれど、母に『美大に行っても仕事にならないからダメ。手に職をつけなさい』と言われてしまって(笑)。美容師をしていた姉の仕事場に行き、“こういう仕事もいいな”と思った。それがいまの道に進んだきっかけです。
友だちにはCDジャケットのデザインを手がけているような人もいて、“そっちに行きたかったな”と思うこともありましたが、“より魅力的に見せる”という点では、美容師の仕事もグラフィックデザインにも近い、クリエイティブな仕事なんですよね。そう気づいてからは美容師の仕事も楽しくなりました」

drop 高校時代のチラシ

木島さんが高校時代に作ったバンドメンバー募集のチラシ

一度は諦めたデザインへの道。しかし、dropという空間を作り上げるなかで、木島さんのセンスとグラフィックデザインのスキルは確実に活かされています。デザイナーになるというかつての夢は、すでに叶っているとも言えるのではないでしょうか。

「休みの日にグラフィックデザインをすると、自分でも気分転換になるんですよね。美容師の仕事とは違う楽しさがありますから」

それまで諦めていたことがPhotoshopなら実現できる

drop Photoshopを操作する木島さん

木島さんは2022年からAdobe Creative Cloudを導入。Adobe Photoshopを使ったデザインワークに取り組んでいます。それまでとは違うデザインツールにとまどいはなかったのでしょうか。

「はじめてPhotoshopを使ったときは、何をどうしたらいいのか、まったくわかりませんでした(笑)。ただ、触っていくうちにおもしろい機能を見つけたり、手作業では難しい表現方法を発見したり……触っていくうちにできることが広がっていきました。
Photoshopを触る前は、“アナログにはアナログでしか出せない味わいがある”と思い込んでいました。でも、Photoshopならデジタル的な表現も、アナログ的な表現もできる。しかもいくらでもやり直せるから、自分の理想形をいくらでも追求できる。“デジタルでも自分が思い描いたイメージがかたちにできる”とわかったときは感動的でしたね」

drop ノベリティ

2023年3月に20周年を迎えたことを記念して作られたノベルティ。ラベルデザインは木島さんがPhotoshopで制作した

パソコンを使ったデザインワークが本業ではない木島さんにとって、Photoshopの習得に困難はなかったのでしょうか。

「わからないことがあったとき、Photoshopを使える友だちに使いかたを聞いたことはありましたが、基本的には自分で触っているうちに覚えていった……という感じでしょうか。
“こういうことができないかな?”と思って検索しても、自分が目指す表現そのものを解説してくれるわけではなくて、知りたいことになかなか辿り着けない。とにかく触る時間をつくって、自分が求める表現を探っていきました。
“時短テクニック”のような動画もたくさん見つかりましたが、料理でもデザインでも“簡単にできる!”みたいなアプローチは好きじゃなくて(笑)。時間がかかってもいいから、よりいいものが作りたい。そういう気持ちで取り組みました」

drop デザイン案

Photoshopで制作した20周年ノベルティのためのデザイン案

実際に木島さんがPhotoshopで作ったデザインを見ると、アナログ的なリアルを追求するためのさまざまな工夫が見て取れます。目指す理想形が見えているからこそ、そこに至るための努力を惜しまない姿勢の表れとも言えます。

「色面を作るときも、均一に塗るのではなく、ブラシで色を混ぜながら塗ってみたり、ブラシの種類を変えてエイジングを入れてみたり、写真をコラージュするときにあえて雑に切り抜いてみたり。機能を調べながら試行錯誤を繰り返しました。“いかにもデジタル”なはっきりとした表現ではなく、自然ななじみを表現したいと思ったんです。
美容師の仕事でも、髪を染めるときに根本からきれいに染めてしまうと、“いかにも染めてきました”という仕上がりになってしまいます。そこであえて、根本には地色を残し、なじむようにする。そういう感覚は共通するものがあると思っています」

drop アナログ表現の追求

背景は色を重ねた厚塗り表現に。ブラシの種類を変えてインクのはねを表現

「文字はパースに対してなじむように変形をかけて、文字同士の距離(字間)も細かく調整しています。いままではパソコンに入っているフォントでデザインをするしかありませんでしたが、Adobe CCなら、Adobe Fontsからたくさんのフォントを選ぶことができるのもいいですよね。フォントはデザインの世界観を決める重要なパーツですから」

色面の質感、字間にまでこだわるその目はまさにデザイナーの目。木島さんは、イメージを理想形に近づけるための道具としてPhotoshopやAdobe Fontsを使っているのです。

「そうですね、僕のなかではPhotoshopやAdobe Fontsはあくまで表現したいことを実現するためのツールに過ぎません。でも、かたちにするまでの速度は、Photoshopを使うようになって、確実に速くなりました。
慣れれば慣れるほどすばやく作れるようになるし、アイデアを実現するスピードが速いほど試行錯誤もスムーズにできる。結果的によくなかったとしても、やってみないとわからないことはたくさんありますから」

drop Photoshop画面

Adobe Creative Cloudを使い始めてまだ日が浅い木島さんですが、Photoshop以外のツールにもさまざまな可能性を感じています。

「デザインにアナログ的な要素を取り入れるために、家から油画の道具を持ってきたところだったのですが、Adobe Frescoの水彩、油彩表現は本当にリアルでびっくりしました。ここまでできるのなら、もうデジタルで十分ですよね。PhotoshopやAdobe Frescoに触れたことで、デジタル・アナログに対する考えは180°変わりました」

drop 内観

ぼやけた写真 低い精度で自動的に生成された説明

drop 外観

drop
web |https://www.drop-nicedreams.com/

Photoshopに触れてモノを視る目も変わった

プロ向けツールを使い、より表現できることが広がったことは、木島さんのデザインに対する考えかたをも変えるきっかけになったと言います。

「Photoshopを使うようになって、モノを視る目も変わったと思います。かっこいいものを見たときに、どうしてそれがかっこいいのかを分析し、そのエッセンスをどうしたら自分のデザインに取り込めるのか、Photoshopで再現できるのかを考えるようになりました。
dropが目指す表現をデザイン的な視点で見て、それを実現する。そのプロセスをより理想的なかたちで実現できるのは、Photoshopのおかげです。Adobe Creative CloudにはPhotoshop以外にも、映像やwebも作れるクリエイティブなツールがあるので、次は、Adobe Illustratorにも取り組んでみたいですね」