ビデオ製品の「次」をリアルで体感!Adobe Video Meetup #1レポート
目次
- 待望のリアルイベント!
- 急速に進化中のビデオ製品
- 動画のレビューを省力化する「Frame.io」
- 学びポイントが満載!「社内YouTuber」
- 動画制作を後押しするアドビ製品のさらなる情報
- 次回は2023年5月25日
待望のリアルイベント!
春の足音も徐々に聴こえ始めた2023年3月1日。アドビのオフィスにてAdobe Video Meetupが開催されました。このイベントは、映像制作をより一層効率化できるビデオ製品・サービスの新機能などの情報や、実際にAdobe Creative Cloudを映像制作に活用されているユーザーの講演などと共に、企業ユーザー同士の交流・情報交換の場を提供する目的で開催されました。
会場は空席なしの満員御礼。コロナ禍でリアルイベントが激減していたここ数年を巻き返す勢いで、実際に同じ時間・空間を共有した催しへの期待の高さが感じられます。まずは、司会進行を務めるアドビの三好 航一郎氏が本日の概要を説明。
今回は、アドビからの5名に加え、3名のゲストスピーカーをお迎えして、短時間ながら幅広い内容での開催となりました。
急速に進化中のビデオ製品
最初は、アドビの名久井 舞子氏の発表。アドビが実施したクリエイティブプロの現状における調査で、多くのクリエイターが需要を満たす事の難しさを感じているという調査結果が紹介されました。
続けて、過去半年に追加された、Premiere Proのアップデートを解説。短い期間内でも、非常に多くの新機能や改良などが行われているのがわかります。
動画のレビューを省力化する「Frame.io」
そして話題は、今回のメインテーマの一つでもある「Frame.io」へ。2021年8月の買収後、Premiere ProやAfter Effects内の専用パネルからの直接アクセスなどCreative Cloudとの連携性を高めている同サービスについて、まずは基本的な概念やフローなどの紹介が行われました。
撮影結果を遠隔地でも即座に確認「Camera to Cloud」
その流れで、スピーカーはアドビの宇野 香織氏にバトンタッチ。撮影した映像を、インターネット経由で遠隔地へ即座に共有できるFrame.ioのソリューション「Camera to Cloud」の概念説明へと移ります。
Camera to Cloudは、使用するカメラの種類にかかわらず、宇野氏が手にしているATOMOS Ninjaなどのサードパーティ・ベンダーのハードウェアにHDMIやHD-SDIで接続することで、簡単に実現することもできます。
実際に、ATOMOS製品を使って作られた作品のメイキングを上映。ロケ地は沖縄で、ビーチで舞うダンサーを、カメラマンが自在なアングルで撮影しています。
カメラからの映像は、ATOMOS Ninjaの中にProres 422HQのハイレゾデータで記録されると同時に、フルHD・30pのプロキシデータも生成され、それが「Frame.io」へとアップロードされます。
東京にいるクライアントは、撮影の報を電話で受けつつ、Frame.io上の映像を確認して感想や指示を伝達。地球上のどこにいても、現場への立ち会いに近い形でのコミュニケーションをとりながらの収録が可能となります。
会場でCamera to Cloudを実演
ここで(メイキングにクライアント役で出演もされていた!)ATOMOSの伊藤 祐二氏による実演デモへと移行。
ATOMOS社の提供するクラウドサービス「ATOMOS CONNECT」の説明があった後、会場に用意された機材で、実際に撮影〜共有のデモが行われました。
伊藤氏の機材で撮影された会場の映像が、間をおかずアドビスタッフの手元のウェブブラウザで表示しているFrame.ioへと即座に反映され、会場からも感嘆の声が!さらに、映像の特定箇所にフリーハンドでの描画やテキストを追加してのレビューも行われ、Frame.ioのこの上なくスピーディーなレビュー機能の持つポテンシャルが示されました。
学びポイントが満載!「社内YouTuber」
発表はさらに加速!株式会社クレディセゾンで「社内YouTuber」として活躍するサイソンKAZUYA氏と、島野 絵理香氏の講演に!
サイソンKAZUYA氏は、元々営業マンとして活躍している中、社内ベンチャーのプログラムにおいてYouTubeチャンネルの開設を提案して見事採用。現在では、YouTubeによる発信経由で多くのカード契約を成約させているそうです。
YouTubeチャンネルは、社内ベンチャープログラムで230件の応募から勝ち抜いて実現
島野氏は、元々事務系の部署に所属していた所を、自ら志願しクリエイティブ系の業務に携わるようになりました。現在では動画クリエイターにとどまらずWebディレクションやSNS関連のクリエイティブ業務を率いる立場としても活躍されています。
社内で事務職からクリエイティブ職へと転身した島野氏
営業を後押しする社内YouTuber活動
サイソン氏のYouTuber活動は、公式チャンネルにとどまらず、さまざまなYouTuberとのコラボレーションにまで拡大。
コラボやテレビ出演など、バラエティ豊かに展開するYouTuber活動の例
その結果、従来は対面により「一人力」での営業に留まっていたのが、様々な相乗効果ではるかに大きい営業活動へと至った「リアルな」プロセスが語られました。
YouTuber活動により、営業手法が大きく広がった
社内制作では、Premiere Proを始めとするCreative Cloudのツールはもちろん、Frame.ioによる共有・レビューもフル活用。常に共同作業をしているサイソン氏と島野氏ですが、実際に顔を合わせるのは今回のミートアップがだいぶ久しぶりとの事!アドビのソリューションの活用により、オンライン経由であっても綿密な共同作業が行われ、それが結果へと繋がっている実例が示されました。
社内での動画制作にはFrame.ioがフル活用され、効率の良い体制が確立している
発表の後半は質疑応答のコーナーへ。会場からも数多くの質問が飛び出し、今回最高に盛り上がったひと時となりました!
会場から数多くの質問が寄せられ、この日一番の盛り上がりに!
サイソン、島野の両氏は、ひじょうに気さくかつ情熱を持って質問に回答され、参加者の皆さんにとってこの上なく大きな学びとなったはずです。
質問に対して気さくに回答する両氏
動画制作を後押しするアドビ製品のさらなる情報
小休止をはさんで、アドビの横堀 直和氏からFrame.ioのエンタープライズ企業向けプランについての解説。マルチチームサポート機能では複数のクライアントを抱える制作元でも、案件ごとのアクセス権限を厳密に切り分けてのセキュアなワークフローを行える点が紹介されました。
Frame.io「マルチチームサポート機能」
近年問題になることの多いSNSへの情報流出においても、Watermark ID機能によってFrame.ioのプレビュー画面に視聴しているユーザーの名称やIPアドレスが表示されることで、リスクを最大限に軽減。オンラインでのレビューソリューションに一抹の不安を抱えていた方も、懸念が大きく払拭される内容でした。
充実度を増す「Adobe Stock」
ラストは、アドビの川島 修治氏から、素材提供のソリューション「Adobe Stock」の最新事情についてご紹介。世界中の大半のクリエイターが使用しているCreative Cloudと直結しているAdobe Stockは、他の素材販売サービスとは一線を画した充実度を誇っています。
従来のキーワード検索だけでなく、例えばYouTube Shortsなどで需要の急増している「縦アングルの動画素材」といった条件でも素材を検索できる点をご紹介。実に1億5,000万点におよぶ素材からイメージに合致したものを選び出す様々な機能は、ぜひ本記事をご覧の皆様にもご活用頂きたい所です。
次回は2023年5月25日
これにて、今回の発表は全て終了。次回は2023年5月25日に開催予定です。
発表された内容だけでなく、ご来場頂いた皆様それぞれが出会うことによるシナジーに、大きな期待を抱かずにはいられません。