kintoneを連携させた電子サインで有期社員の契約業務を省力化

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【企業紹介】株式会社エヌ・ティ・ティ・ロジスコ

NTT(日本電信電話株式会社)100%出資のNTT グループ会社。1994 年4 月にNTT グループで唯一の3PL 会社として営業を開始。経営ビジョンに「私たちはお客様の物流を進化させ続け、お客様と社会に美しく透明な流れをつくる会社です」を掲げ、その実現に向けたミッションである『「お客様にご満足いただける安全かつ最先端の物流」を提供し、「お客様のSC 最適化に貢献」する』を遂行するため、日々取り組みを強化している。強みは「NTT のDNA」であるAI・IOT 等最新の技術力とベンチャー精神。

【インタビュイー】

千葉物流センター長

小林 徳仁氏

【インタビュイー】
千葉物流センター 運営統括担当

吉岡 諒氏

NTT グループ唯一の物流3PL(サード・パーティ・ロジスティクス)企業であるNTT ロジスコ最大の物流拠点である千葉物流センターでは、業務を支える約600 名の有期社員に関わる契約業務にAdobe Acrobat Sign とkintone 連携ソリューションを採用。契約業務の大幅な省力化に加え、タレントマネジメント基盤や電子契約の発注基盤としての活用も進みつつある。

■ 導入の経緯

有期社員の膨大な契約処理による業務負担が課題に

NTT ロジスコの主要拠点の一つが、JR 二俣新町駅から徒歩5 分の好立地にある千葉物流センターだ。同センターの特長の一つが、AI 画像認識をはじめとする最先端技術の積極的な導入活用である。千葉物流センター長の小林 徳仁氏は、狙いをこう説明する。

「物流業界は今日、人手不足という課題に直面していますが、その一方で特にBtoC 物流の現場では、誤出荷が大きな課題になっています。そこで当センターでは、誰でも作業できる仕組みの構築を実践しています。その一つがAI 画像認識の導入で、誤出荷回避のほか、検品業務への活用に向けた取り組みも開始しています」

エンタメ分野のグッズやCD、DVD などを数多く取り扱う関係上、時期や時勢、施策などによって上下する物量の波動が極めて大きいことも同センターの特徴の一つとなっている。商品の発売日には24 時間稼働することもあるという波動への対応で大きな役割を果たしているのが、契約社員やパート社員の存在である。センターで働く約700 名の従業員のうち600 名ほどを有期社員が占める中、以前から大きな課題になっていたのが契約更新業務の煩雑さだった。運営統括担当の吉岡 諒氏は当時の状況について次のように語る。

「千葉物流センターは弊社の中で最も従業員が多い拠点で、私がこちらへ配属されたときは管理しなければならない契約数に驚かされました。人事総務の業務を担当できるスタッフが2 名しかいなかったので、この少人数体制のまま、業務負担を減らすためにはどうすればよいのかを考えるようになりました」

■ 選択のポイント

契約業務の省力化にAdobe Acrobat Signに注目

NTT グループの個人情報保護方針に準じて業務を行う同社が、有期社員の新規雇用において取り交わす契約書、同意書は12 通あり、採用現場では記入例も用意して口頭で説明していたという。また契約社員は年に1 回、パートの従業員は3カ月に1 回行う有期社員の雇用契約書の更新は、書類2枚を全員分封入してセンター内の部門リーダー経由で配付回収していた。改善に向け、吉岡氏が注目したのが電子契約の活用だった。

「最初は人事管理系のパッケージシステムを検討したのですが、導入には業務手順の見直しが避けられず、事業所レベルでの導入は難しいことが分かりました。別の方法を調べる中で出会ったのが、従来のやり方のまま、契約手続きを電子化できるAdobe Acrobat Signとkintoneの連携ソリューションでした」

クラウド型の業務アプリ開発プラットフォームであるkintone を連携させることで、様々な工程を省力化して電子契約を進められる。例えば、Excel で管理している従業員データをkintone に取り込んで契約書を作成し、メールで署名依頼を一斉送信できるため、従来の書類作成、書類送付、書類署名、署名済書類の確認といった手間を大幅に効率化できる。また、kintone 内に格納されている有期社員の住所などの過去のデータが新規契約書に自動で反映されるため、従業員側は多くの記入や署名を必要とせず、承認するだけで契約更新が完了する。

2022 年6 月、吉岡氏はまず1 カ月の無料トライアルを利用して機能を検証。その上で3 カ月間にわたる実証テストを実施した。

「NTT グループのセキュリティ基準を満たしているか、本社にも確認した上で、安心して試用できました。実証テストでは少人数の契約更新と新規契約手続きを行い、従業員から要望の多かったパスワードの2 段階認証の設定や、案内メールの見落としに対応するリマインド機能を追加しました」

kintone との連携設定は、アドビのサポートを活用して吉岡氏自身が行っている。書類の検索性や対面での署名にも対応可能な点も、同社が高く評価したポイントだ。

「紙ベースの契約と電子契約が混在する状況は避けたいと考えていましたが、スマートフォンを持っていない従業員には、用意したタブレットを渡してログインしてもらい、その場で承認してもらえるので助かりました」


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■ 導入効果

全有期社員と取り交わす契約書類の電子化を実現

2022 年9 月に本格運用を開始した雇用関連書類の電子化は、当初の狙い通り業務の効率化に大きな役割を果たしている。

「土日のみ出勤する契約を行った有期社員の場合、以前だとタイミングによっては手続きに2 週間以上かかってしまうことも珍しくありませんでした。しかし毎日でも送信できるリマインダー機能の効果もあり、昨年12 月の更新では全ての手続きを2 日目で完了しています。これまで契約の更新月に10 時間程度発生していた残業に関しては、12月は一切せずに対応できました」

業務工数の大幅な削減も注目したいポイントだ。

「新規雇用の契約時には、人数の多寡を問わず事務処理に1 時間半ほど時間がかかっていましたが、今では契約に要する時間を10分程度に短縮できています。また、年に4回ある有期社員の契約更新の度に約600人分、1 人当たり2 枚の書類を処理してきたため、電子化できた書類の総量は、年間で4,800 枚以上となります。この膨大な枚数の書類を、以前はファイリングして10 年間事務所に保管しなければいけませんでしたが、今はその手間もなく、事務所のスペースが圧迫されることもありません。電子化への移行は人事総務のスタッフだけでなく契約する有期社員にも好評で、どの世代の従業員にも問題なく浸透しました」

■ 今後の展望

自由度の高いソリューションならではの新たな活用が進行中

現在同社は、千葉物流センター以外の拠点においても有期社員の雇用契約に電子サインを導入する準備を進めている。

「今回千葉物流センターで活用し始めたAdobe Acrobat Sign とkintone の連携システムは、社内でも高く評価され、既に大阪の物流センターでも同様のシステム構築に取り掛かっています」(小林氏)

また、雇用契約以外の用途では、電子契約発注においてもAdobe Acrobat Sign を基盤にした仕組みの導入が進んでいるという。Adobe Acrobat Sign とkintone の連携は、同社のDX においてさらに大きな役割を果たすことが期待されている。

協力:業務/ 法令対応コンサルティングパートナー:ケインズアイコンサルティンググループ

※掲載された情報は、2023 年2 月現在のものです。

【USER PROFILE】

株式会社エヌ・ティ・ティ・ロジスコ
https://www.nttlogisco.com/


所在地(本社):東京都中央区日本橋2-1-3 アーバンネット日本橋二丁目ビル4 階
(千葉物流センター):千葉県市川市二俣717-88
設 立:1991 年(1994 年営業開始)
資本金:40 億円
従業員数:2,815 人(2022 年4 月現在)
事業内容:物品の運送・保管及び荷役、貨物利用運送事業、物流システムの開発・運用・保守、物流に関する調査・研究・コンサルティング等


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【詳細情報】

https://www.adobe.com/jp/sign.html

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ASJST1944 04/24