筆書体とデザイン書体のきほん|文字とフォントのことはじめ05

文字とフォントのことはじめ|文字見本

個性豊かな筆書体とデザイン書体

文字・フォント・デザインの情報をお届けする連載「文字とフォントのことはじめ」、第5回は筆書体とデザイン書体について取り上げます。
筆書体には楷書、行書、草書のような伝統的な書風から生まれたものから、勢いのあるデザイン筆文字や毛筆フォントまで数多くのバリエーションがあります。
デザイン書体は、明朝・ゴシック・丸ゴシックといった枠組みに捉われない、自由なデザインが魅力で、Adobe Fontsでもおよそ150の日本語フォントファミリーが提供されています。
ここではそれぞれの書体の特徴から、Adobe Fontsで利用可能なフォントまで紹介していきましょう。

筆書体ってどんな書体?

筆書体とはその名の通り、筆で書いた文字をもとに作られた書体を指します。
もっともベーシックな筆書体は、書の基本となる篆書、隷書、草書、行書、楷書の5つの書風で書かれたもので、伝統と格式が求められる文書やデザインでは、いまなお欠かすことができない重要な書体です。
現在でも使用頻度の高い楷書と隷書はさまざまなメーカーからフォントがリリースされている一方、行書、草書のフォントはそれほど多くなく、篆書に至ってはごく限られたメーカーからしかリリースされていません。
筆書体にはほかにも印章の文字に使われてきた古印体、歌舞伎の演目等の文字に使われる勘亭流など、歴史と文化のなかで生まれてきた、さまざまな文字があります。

書の基本となる5つの書風。左から篆書、隷書、草書、行書、楷書(図はすべてAdobe Fontsで利用可能な白舟書体)
参考:書の基本五体・楷行草隷篆パック https://fonts.adobe.com/collections/five-basic-calligraphy-styles

こうした伝統的な書体とは一線を画し、アニメやゲームの文字として、または和食や居酒屋などの文字として、近年、人気を博しているのがデザイン筆文字、毛筆フォントなどと呼ばれる、個性的なデザインの書体です。
墨汁が飛び散るような勢いのあるものから味わいのあるものまでさまざまなバリエーションがあり、その書体を使うだけでデザインとして成立できる、力強い文字の世界観を備えています。

表情豊かな毛筆フォントはいまのフォントトレンドのひとつ

もうひとつ書体のジャンルとしておさえておきたいのが、いわゆる手書き系です。
サインペンで書いたものや硬筆で書いたものなど、使用する画材はさまざまなバリエーションがあり、Adobe Fontsでは「筆書体」カテゴリからこうしたフォントを探すことができます。

文字にやさしいイメージを与える手書き系書体

デザイン書体ってどんな書体?

デザイン書体とは、明朝・ゴシック・丸ゴシックといった書体カテゴリに属さない、個性的なデザインの書体のことを指します。
分類が難しいユニークなデザインのものもある一方で、明朝体のようなデザイン書体、ゴシック・丸ゴシック体のようなデザイン書体もあります。その分類はフォントメーカーによっても異なるため、明確な定義が難しいジャンルとも言えます。

明朝体、ゴシック体、丸ゴシック体の特徴を備えたデザイン書体

デザイン書体は、Adobe Fontsでは「デザイン」のカテゴリに属し、2023年7月現在、およそ150もののフォントファミリーが提供されています。その数は「明朝」「ゴシック」などのカテゴリと比べても倍以上。ひとつひとつがデザインの決め手となり得る、高いデザイン性を備えています。

文字とフォントのことはじめ|Adobe Fonts画面

個性的な文字のデザイン書体を探すには、Adobe Fontsの「分類」で「デザイン」を選択

Adobe Fontsで使える筆書体とデザイン書体

Adobe Fontsで使えるおもな筆書体やデザイン書体にはどのようなものがあるのでしょうか。
数多くの書体のなかから、カテゴリに分けてピックアップしました。
*フォント名の後につく( )はAdobe Fontsで利用できるウェイト・スタイル数を示します。

基本の書風、伝統的な書体

デザインをするうえで、必ず揃えておきたい筆書体が楷書、行書、隷書といったベーシックな伝統書体です。招待状、案内状、賞状のようなフォーマルなデザインから、上質な和のテイストを表現したいときまで、幅広い用途で利用することができます。

勢いや味わいを感じる筆文字・毛筆書体

伝統的な書風・書法ではなく、自由に絵を描くかのように文字を書く毛筆系デザイン書体は、近年、ますます利用の場を広げています。力強い「黒龍爽」、やさしい印象の「AB-太郎」など、書体ごとに異なる表情を持っており、大きく、ダイナミックにデザインすることで、より文字の質感を際立たせることができるでしょう。

親しみやすい手書き系書体

手書きで書いたような文字を再現する手書き系書体は、直筆の手紙を読んでいるかのような親しみを文字に与えることができます。Adobe Fontsで提供されている手書き系書体は、文字のひとつひとつに、書き手を連想させるような個性的な表情を備えています。

バラエティ豊富なデザイン書体

Adobe Fontsでデザイン書体を探す際、おさえておきたいのが視覚デザイン研究所(VDL)の書体です。キャッチーで読みやすい、高品質な書体が数多く揃い、ウェイトも数多くリリースされているので、書体を生かしたデザイン展開を考えたいとき、強い味方になるはずです(Adobe Fontsでは各書体・1ウェイトの提供)。

視覚デザイン研究所(VDL)  https://fonts.adobe.com/foundries/visual-design-laboratory

個性的なフォントを探しているのなら、FONT 1000の書体もオススメです。
Adobe Fontsで提供されているフォントには、漢字の収録数が限られているものの、ユニークでグラフィカルな書体を数多く取り揃えています。
FONT1000 https://fonts.adobe.com/foundries/font1000

Adobe Fontsにはここで紹介した以外にも、数多くのデザイン書体があります。
新しい書体も随時、追加されているので、定期的にチェックすることで、これまで知らなかった新しい書体に巡り会えるかもしれません。
書体は文字に表情を与える重要なツールであり、書体を数多く持っていることは自身のデザインの幅を広げることにつながります。
Adobe Fontsの多彩な書体を使いこなし、より訴求力のあるデザインを作り上げましょう。

Adobe Fonts イメージ

文字の表現力を広げるフォントが揃うAdobe Fonts

アドビでは、クリエイティブには欠かせない道具のひとつであるフォントを、より自由に、柔軟に使えるクラウドフォントサービス「Adobe Fonts」を展開しています。2023年7月現在、その数は日本語フォント650超、Adobe Fonts全体では25,000以上。膨大なフォントをメディアを問わず、商用/非商用問わず、自由に使うことができます。
書体名がわからなくても「明朝」「ゴシック」「丸ゴシック」「筆書体」「デザイン書体」といった書体の分類から探すことができ、イメージしたフォントにすばやく辿り着けるようになっています。

“もっといろいろなフォントを見てみたい、使ってみたい!”

そう思えたらまずは一度、Adobe Fontsを開いてみましょう。
そこには高品質でユニークなデザインの書体が待っているはずです。

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おもな記事使用フォント

A:HOT-白舟楷書教漢  Open

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