【初級】#5 シェイプツールでいろんな図形を作ろう|初心者のための「本当はむずかしくない」はじめてのPhotoshop
第5回は、バナーデザインの模写を通してPhotoshopの「シェイプツール」について学びます。
Photoshopの基本的な操作については、第1回の記事「【初級】バナーの模写でPhotoshopをマスター」をご覧ください。ファイルの作成から文字の入力、制作したデータの書き出しまで解説しています。
今回の記事で模写するバナーデザイン
今回は「エンジニアスクールの半額キャンペーン」のバナーデザインを模写します。リスキリングでエンジニアを目指す方向けのスクールが、半額で受講できるキャンペーン広告です。
次の画像を右クリックメニューから保存してください。
今回模写するバナーデザイン
使用している写真素材は、以下のAdobe Stock無料素材からダウンロードをお願いします。
左上の男性のイラストを使用します
ダウンロードする際、ファイル形式は[PNG]を選択します。
PNGは背景を透過した状態で使用することができ、Adobe Stockでは背景が白と灰の市松模様のものが背景透過のファイルです。
目次
- 新規ドキュメントの作成と模写用バナーの配置
- 多角形ツールでギザギザの円を作成
- 両端が角丸の半円を作成
- イラストと文字の配置
- ファイルの保存と画像の書き出し
- 別パターンの模写にチャレンジ
- まとめ
新規ドキュメントの作成と模写用バナーの配置
Photoshopを起動したら、まずは新規ドキュメントを作成して模写用のバナーデザインを配置します。一連の手順は、第1回の記事「【初級】バナーの模写でPhotoshopをマスター」をご覧ください。
模写の準備が整った状態
また、選択状態のレイヤーを判別しやすいように「バウンディングボックス」と呼ばれる四角形の境界を表示すると、操作の判別が容易になります。
[移動ツール]を選択するとオプションバーに[バウンディングボックスを表示]の項目が表示されるので、チェックします。
多角形ツールでギザギザの円を作成
バナーデザインの中央にあるギザギザの円は[多角形ツール]で作成します。
[多角形ツール]を選択して、幅と高さ230pxのシェイプを作り、[プロパティ]パネルでギザギザの形や個数を指定します。(初期状態は五角形の設定です)
多角形ツールで五角形を配置した状態
作成したシェイプの[プロパティ]パネルを開き、[アピアランス]に、以下の値を指定します。
- 塗り:#94d0bf
- 角数を設定:24
- 角の丸みの半径を設定:5px
- 星の比率を設定:80%
- 星のくぼみを滑らかにする:チェック
[星のくぼみを滑らかにする]が表示されていない場合、パネル下部の[・・・]をクリックすると表示できます。
ギザギザの円を配置した状態
また、多角形ツールを使うと、星型や十字型、お買い得商品に貼られるギザギザの円など、多くのバリエーションが作成できます。
アピアランスの[角数]や[星の比率の設定]などを変更して、いろんな図形を作成してみましょう。
キャッチコピーの周囲に散りばめられている「あしらい」がポップな印象を与えています。あしらいとはデザイン業界で「装飾」の意味で使われます。
あしらいを外すと、途端にさみしい印象になります。適度にあしらいを追加することで、にぎやかな雰囲気を演出できます。
今回のあしらいで用いる図形は以下の5種類です。
左側の4種類は、それぞれ[四角形ツール][三角形ツール][楕円形ツール]の基本的な使い方で作成可能です。塗りのカラーは黄色は[#ffe873]、青色は[#a1d8f8]を使用します。
基本的なシェイプツールの使い方は、第2回の記事をご覧ください。
一番右側の「両端が角丸の半円」は、シェイプのパスを少し加工する必要があります。
両端が角丸の半円を作成
レイヤーにシェイプが重なって操作しづらい場合は、操作しないレイヤーを非表示にすると扱いやすいです。
両端が角丸の半円は[楕円形ツール]で円を作った後に[パス選択ツール]を使って、パスの一部を削除して作成します。
[楕円形ツール]を使って幅と高さ40pxのシェイプを作成して、[プロパティ]パネルの[アピアランス]以下の値を指定します。
- 線の色:#a1d8f8
- シェイプの線の幅を指定:10px
続いて[パス選択ツール]を使って、円の一番下のパスを選択し[deleteキー]で除去すると、線で作られた半円を作成できます。
[パス選択ツール]でシェイプを選択し、オプションバーの[シェイプの線の種類を設定]→[線の線端タイプを設定]を開き、中央の[角丸]を選択します。
両端が角丸の半円
これで両端が角丸の半円が完成しました。
作成したシェイプを、背景(下絵)と比較しながら、[移動ツール]を使って位置やサイズを少しずつ調整して配置します。
あしらいのシェイプを配置した状態
このような単純な図形のあしらいを配置するときに「角度をばらつかせる」とバランスよく仕上がります。垂直や水平を合わせた角度で配置すると安定した鈍重なイメージになるので、宙に浮いているような軽やかな雰囲気を作りましょう。
イラストと文字の配置
イラストは切り抜いて配置します。[切り抜きツール]を使って、不要な部分のトリミングします。
周囲の辺をドラッグして、必要な範囲のみに絞り込みます。範囲が指定できたら[オプションバー]の[◯]をクリックして、切り抜きを完了します。
イラストの切り抜きが完了した状態
[ファイル]メニューから[保存]をクリックすると、元画像が上書き保存されます。
模写用のPSDファイルに戻り、[ファイル]メニューの[リンクを配置]から、切り抜きを行ったPNGファイルを配置します。
背景(下絵)と比較しながら、[移動ツール]を使ってサイズと位置を調整して配置します(この際、縦横比が狂わないように注意しましょう)。
イラストの配置が完了した状態
イラスト素材の活用のひとつに「イラストから配色を作る」方法があります。
使用しているあしらいの配色は、イラスト素材のカラーを元に配色を行いました。全体のトーンを統一できるので、配色に迷う方はお試しください。
最後に帯と文字を入力し、文字サイズやテキストの位置を整えます。フォントは「筑紫A丸ゴシック」のボールドを使用します。
模写が完了した状態
ファイルの保存と画像の書き出し
お疲れ様でした! これで今回のバナーデザインの模写は完了です!
ファイルの保存と、作成した画像の書き出しを行いましょう。書き出し方法は、第1回の記事をご覧ください。
別パターンのデザイン模写にチャレンジ
同じ素材を使って別パターンのバナーデザインを用意しました。
ギザギザの円の数や形、あしらいの形状などが変化しているので、じっくり観察して模写にチャレンジしてください。
また、模写が完成したバナーデザインは「#はじめてのPhotoshop」のハッシュタグを付けて、SNSでシェアしてみましょう!
まとめ
今回はシェイプツールを使ったさまざまなシェイプの作り方について解説しました。
- 星型やギザギザの円は「多角形ツール」を使って作る
- 「線で作られた半円」はパスを除去して作る
- 適度なあしらいはにぎやかさを演出する
- あしらいの角度をばらつかせて軽やかな印象に仕上げる
- イラストから配色を活用できる
次回は、ペンツールやパス選択ツールを使った自由な図形の作り方を解説する予定です。