Substance 3D 製品 2023 年 6 月の大型アップデート情報
Florian Obchette の作品
Substance 3D エコシステムは、3D アーティストを支援するアプリとコンテンツの集合体です。 6 月は、Substance 3D の製品群に数多くの機能が追加されました。この記事では、製品ごとに、新機能を順番に紹介します。
Substance 3D Painter 9.0
Substance 3D Painter の最新バージョン 9.0 には、プロダクトデザインやゲーム制作に役立ついくつかの素晴らしい機能が含まれています。
パスツール
Painter の新しいパスツールを使うと、メッシュ表面に 3D カーブを作成できます。これにより、デザイナーやアーティストは 3D モデルに縫い目のようなディテールを簡単に配置することができます。パスツールは、ペイントレイヤーやエフェクトを使用して 3D モデルにベクターのパスを作成するという、使い慣れた直感的な手段を提供します。ブラシの属性、およびパスを指定するポイントは、どちらもデザインプロセスの任意のタイミングで変更可能です。また、パスを Painter の対称ツールでミラーリングすることもできます。
新しいデフォルトのベースマテリアル
Painter の新リリースには、58 種類の新しいマテリアルが追加され、これまでデフォルトとして提供されていたマテリアルを置き換えました。これらの新しいマテリアルは Painter 専用にデザインされたもので、全体的な品質が向上し、パラメータ調整によるパーソナライズの範囲が広がっています。どんなスキルレベルのデザイナーでも、あらゆるプロジェクトで完成度の高い結果を得るために利用できます。旧バージョンの Painter に含まれていたマテリアルは、Substance 3D Community Assets から引き続きご利用いただけます。
Painter の更新についてより詳しい情報はこちらの記事(英語)をご覧ください。
Substance 3D Designer 13.0
テクスチャをつくり出すデザイナーのために、Designer のこのリリースにはいくつもの改善が行われました。
スプライン
様々なスプラインノードが Designer に追加されて、マテリアル作成プロセスの一部として、正確にカーブしたラインを描画し、編集し、組み合わせられるようになりました。特定のプロファイルを作成するために、基本形状を 2D 変換とワープに通す必要はもうありません!
これにより大きな可能性が広がります。例えば、カーブをパスにマッピングすれば、パイプやケーブルのようなディテールを、マテリアルの一部として作成できます。または、深度データを使いカーブが他のカーブとねじれさせるとか、さらには、カーブに沿って追加のシェイプをばら撒くことさえできます。スプラインノードは、ポイントの組み合わせにより曲線の形状を決定するため、最終的な形状の完全な制御が可能です。
今回の更新では、グレースケール画像の任意のパターンを正確な曲線に変換できる、新しい一連のパスノードも追加されました。
ポータル
新しいドットノードを使用すると、入力と出力が「ポータル」を通っているかのように、グラフ内の接続を隠すことができます。これはグラフを見やすくするユーザー体験の大きな改善です。もちろん、この機能は全くのオプションで、グラフ上ですべての接続を確認したい人は以前と同様に操作できます。スパゲッティのように絡まったノードのグラフを見る必要はもうありません。
ホーム画面
Designer を初めてお使いの方も、長年お使いの方も、他のアドビ製品と同様の新しいホーム画面を利用できます。この画面から、新しいグラフをすばやく作成したり、最近開いたすべてのファイル一覧を表示したり、学習リソースへのリンクを検索できる学習セクションにアクセスできます。
Designer の更新についてより詳しい情報はこちらの記事(英語)をご覧ください。
Substance 3D Stager 2.1
Stager に新しく追加された機能を使うと、デザインの調整をすばやく反復することができます。
高速 GPU ノイズ除去
製品をレンダリングしている場面を想像してください。GPU を活用した新しい AI 搭載ノイズ除去により、これまで画像のレンダリングにかかっていた典型的な時間の数分の一で、高品質なレンダリングを行えます。描画モードではデフォルトで有効になっており、高速なレンダリングが実現されているはずです。
USD によるインターオペラビリティ
USD ファイルフォーマットのサポートが強化され、Stager と他の Substance 3D アプリやサードパーティ製アプリとの間で、包括的なラウンドトリップのワークフローが可能になりました。Stager は、地表面の設定やバックプレートなど Stager 固有のデータも含め、USD を介して、完全なシーンを読み込みおよび書き出すことができます。
アニメーションの改善
この Stager のアップデートには、様々なアニメーションの改善が含まれます。最も重要なのは、アニメーションをプレビューしながらシーンを編集できることで、ワークフロー全体を大幅にスピードアップします。また、再生やビデオ書き出し時の正しい再生速度を保証するため、アニメーションのフレームレートを設定できます。フレーム設定はタイムコードとして表示されます。
ビデオ書き出し
Stager は、外部アプリケーションに依存することなく、アニメーションを GIF または MP4 形式の動画ファイルとして書き出せるようになりました。必要に応じて、アニメーション全体、または指定した範囲を書き出せます。
Stager の更新についてより詳しい情報はこちらの記事(英語)をご覧ください。
Substance 3D Modeler 1.3
Substance 3D Modeler は、3D アセットをモデリングするすべての人のために、いくつもの視覚的あるいはインタラクティブなアップデートを行いました。
キャプチャーモードのハードウェアによるレイトレーシング
アーティストは Modeler 内で、高品質なレイトレーシング照明を施したモデルのスクリーンショットを作成できます。レイトレーシングを利用するには NVIDIA RTX GPU が必要です。
ブーリアン操作のプレビュー
乗算の操作を実行する際、操作を確定する前に、クレイのレイヤーがどのように組み合わされるかが視覚化されて、より適切に選択を行えます。ブーリアンに使う形状が他のコンテンツにどのような影響を与えるのか、正確に、自信を持って、あるいは実験的に確認できます。そのため、加算、減算、乗算などの操作を適用する前に、クレイを相対的に配置する操作がしやすくなります。
シーンノードのコピー&ペースト
プロジェクト階層の異なる場所の間で、オブジェクトを移動できるようになりました。シーンのノードをコピー&ペーストするだけで、プロジェクト階層を思い通りに整理できます。
Modeler の更新についてより詳しい情報はこちらの記事(英語)をご覧ください。
Substance 3D Assets
様々な 3D アセットのコレクション
Substance 3D Assets は、18,000 を超えるアセットを収録した、現時点で世界最大の 3D アセットライブラリです。そして、あらゆる種類の 3D プロジェクトの効率を高めるために、すぐに使えるプロにより制作された新しい 3D アセットを追加し続けています。
今回のアセットライブラリへの定期更新には、様々なポーズをした 50 以上の人型が含まれており、アーティストは独自にジオメトリをデザインすることなく創造的に作業できます。これらのモデルをワークフローに取り込むと、ファッションや製品デザインの紹介に使ったり、キャラクターデザインをつくり込むためのベースとして使用したりできます。
このライブラリには、解剖学的、あるいは不気味な表現が欲しいプロジェクトで使用できる、さまざまな頭蓋骨のモデルも含まれています。
今すぐ Substance 3D Assets をチェックして、素晴らしい 3D コンテンツを入手しましょう。
6 月は数々の主要な更新がありました。次の記事ではさらに更新情報をお伝えします。
この記事は The Substance 3D Collection: New Releases for June 2023(著者: Grant Kay)の抄訳です
- https://blog.adobe.com/jp/publish/2023/07/05/cc-immersive-wpp-designs-innovative-experiences-emerging-media-substance-3d-collection
- https://blog.adobe.com/jp/publish/2023/05/31/cc-immersive-tsumiki-industrial-vr-painter
- https://blog.adobe.com/jp/publish/2023/04/03/cc-immersive-substance-3d-meetup-vol2