【初級】#6 パスを操作して自由な形を作ろう|初心者のための「本当はむずかしくない」はじめてのPhotoshop
第6回は、バナーデザインの模写を通してPhotoshopの「パスの操作」について学びます。
Photoshopの基本的な操作については、第1回の記事「【初級】バナーの模写でPhotoshopをマスター」をご覧ください。ファイルの作成から文字の入力、制作したデータの書き出しまで解説しています。
今回の記事で模写するバナーデザイン
今回は「登山者向けのメディアサイト山歩道」のバナーデザインを模写します。コロナ禍でニーズが高まった登山をはじめる方向けに、おすすめの登山コースやグッズを紹介するメディアです。
次の画像を右クリックメニューから保存してください。
今回模写するバナーデザイン
使用している写真素材は、以下のAdobe Stock無料素材からダウンロードをお願いします。
- 新緑に囲まれた山道を楽しむ女性の写真:https://stock.adobe.com/jp/516528802
新緑に囲まれた山道を楽しむ女性
目次
- 新規ドキュメントの作成と模写用バナーの配置
- 手書き風の円を作成
- 円の中に写真を配置
- 文字の配置と加工
- 文字の入力
- ファイルの保存と画像の書き出し
- 別パターンの模写にチャレンジ
- まとめ
新規ドキュメントの作成と模写用バナーの配置
Photoshopを起動したら、まずは新規ドキュメントを作成して模写用のバナーデザインを配置します。一連の手順は、第1回の記事「【初級】バナーの模写でPhotoshopをマスター」をご覧ください。
模写の準備が整った状態
また、選択状態のレイヤーを判別しやすいように「バウンディングボックス」と呼ばれる四角形の境界を表示します。
[移動ツール]を選択するとオプションバーに[バウンディングボックスを表示]の項目が表示されるので、チェックします。
手書き風の円を作成
中央にある円は正円ではなく、少し歪んだ円形です。正円よりもナチュラルなイメージを与えるので、「柔らかさ」や「優しさ」を表現できます。
はじめてPhotoshopを操作するとき、手書き風の円をペンツールで作るのは少し難しいです。
「正円のアンカーポイントを調整する」と、バランスの良い自然な形を簡単に作ることができます。
まずは[楕円形ツール]を使って、幅と高さが230pxの正円を作ります。
[移動ツール]で作成した円を選択し、ツールを[パス選択ツール]へ切り替えます。
位置を調整したい[アンカーポイント]を選択し、下絵に合わせてアンカーポイントを移動します。
[アンカーポイント]とは、パスの線上にある小さな正方形のことです。
下絵に合わせてアンカーポイントの調整が完了した状態
円の中に写真を配置
円の中に写真を配置するにはクリッピングマスクを使います。
[ファイル]メニューの[リンクを配置]から、Adobe Stockでダウンロードした写真を配置します。
このとき下絵が見えなくなるので「下部のレイヤーを非表示」にします。
配置した画像レイヤーの不透明度を[30%]に変更すると、位置やサイズが調整しやすいです。
下絵と比較しながら[移動ツール]を使ってサイズと位置を調整して配置します。
サイズと位置が調整できたら下部のレイヤーを表示して、画像レイヤーの不透明度を[100%]に戻します。
[レイヤー]メニューから[クリッピングマスクを作成]を選び、クリッピングマスクを作成します。
写真の配置が完了した状態
文字の配置と加工
Adobe Fontsの「Hina Mincho」というフォントを使うため、こちらのリンクからファミリーを追加しましょう。
フォントサイズ[100px]で「山」「歩」「道」のテキストを個別に入力します。
カラーには[#000000]を指定し、下部のレイヤーを非表示にすると下絵と比較しやすいです。
テキストレイヤーを選択した状態で、[書式]メニューから[シェイプに変換]を選択します(Illustratorをお使いの方は」テキストのアウトライン」と同じ機能だとお考えください)。
[シェイプに変換]を実行すると、文字から図形に変換されるので[シェイプレイヤー]としてパスの操作が可能になります。
文字がシェイプレイヤーに変換された状態
「山」「歩」「道」の文字はそれぞれ一部が加工されています。文字を加工することで違和感が生まれ、そのまま配置する場合よりも強く目を引くことができます。
赤い部分が加工された場所
文字の加工を行うときのポイントは「伸ばせそうな場所を探す」点です。
文字を分解してパーツを移動する方法もありますが、バランスをとるのが難しく不格好に仕上がります。
[パス選択ツール]で伸ばしたい[アンカーポイント]をドラッグで選択します。このとき不要なアンカーポイントを選択しないように注意しましょう。
[方向キー](または[矢印キー]とも呼ぶ)をクリックしながら位置を調整します。
その他の文字も下絵と比較しながら位置を調整します。
文字の加工が完了した状態
文字の入力
右下の「日本の山」「世界の山」の文字は、「座布団」と呼ばれる四角いシェイプを背面に敷いています。
座布団を使うと文字の視認性が高まるので、背景と文字のコントラストが低い場合に活用します。
すべての文字を入力して、白い文字は[#ffffff]、緑色の文字は[#258d48]を指定します。
下部のレイヤーを表示させれば完成です。
模写が完了した状態
ファイルの保存と画像の書き出し
お疲れ様でした! これで今回のバナーデザインの模写は完了です!
ファイルの保存と、作成した画像の書き出しを行いましょう。書き出し方法は、第1回の記事をご覧ください。
別パターンのデザイン模写にチャレンジ
同じ素材を使って別パターンのバナーデザインを用意しました。
手書き風の円の形状や、文字を加工している場所が変わっているので、じっくり観察して模写にチャレンジしてください。
また、模写が完成したバナーデザインは「#はじめてのPhotoshop」のハッシュタグを付けて、SNSでシェアしてみましょう!
まとめ
今回はパス選択ツールを使った自由な形の作り方について解説しました。
- 手書き風の円は正円を崩して作る
- 文字の変形は伸ばせる箇所を探す
- 視認性が低い場合は座布団を敷く
次回は、パターンオーバーレイを使った背景パターンの使い方を解説する予定です。