人気YouTuber 金子晃之さんが教える!Acrobat徹底活用術
Vol.1 PDFの「編集機能」を100%使いこなしてみよう!
こんにちは!ITスキルのテクニックを紹介するYouTuber、金子晃之です。
僕は、普段は自分のYouTubeチャンネルで、仕事に役立つITに関する情報発信を行なっています。今回はAdobeの公式YouTubeチャンネル「Adobe Document Cloud」で動画を配信させていただき、その内容と連動した記事を、このAdobe Blogに掲載します。
題して、「Acrobat徹底活用術」。記念すべき第1回目は、Acrobatの「編集機能」を使いこなす方法についてご紹介します。
皆さん、Acrobatには便利な機能がたくさん備わっているのを知っていますか?PDFを日常的に使用する人は多いですが、その反面、実はAcrobatの機能を使いこなせている人は少なかったりするんですよね。
僕も仕事柄、Acrobatの使い方について質問を受けたりしますが、「使いこなすのが難しい」というより、ほとんどの人が単純に「機能を知らない」から使えていないのが現状のように思います。
この記事を読めば、今日からでもAcrobatの便利なテクニックを使えるようになりますし、解説の様子は「Adobe Document Cloud JP」のYouTubeチャンネルでも動画で解説しますので、ぜひ両方とも最後までご覧くださいね。
PDFは編集できない?
PDFを普段から使用している人がよく勘違いしているのが、「PDFは編集ができない」という思い込みです。
実はAcrobat Pro(Acrobat有償版)であれば、「PDF編集機能」を使用することによりファイルの中身を自由に変更することができます。しかも、編集のやり方はすごく簡単。難しい操作は一切ありません!
ちなみに、Acrobat Reader(Acrobat 無償版)も文字の追加は可能です。その時に使用するのが「テキストコメント(テキストボックス)」という機能。ですが、「テキストコメント」では新たに文字を作成して上から貼り付けるだけ。文章自体を修正することはできないため。かなりの制限がかけられてしまいます。
例えば、下記の「住所」と「名前」の欄をAcrobat Readerの「テキストコメントを追加」を使用して書き換えてみました。
こちらが元のPDF文章です。
「テキストコメント」を使用して住所欄を書き換えてみました。
このような一部の文章であれば、Acrobat Readerでも十分編集が可能です。ですが、元の文字の大きさと同じように細かい調整ができなかったりします。
また、Acrobat Readerにある「テキストコメント機能」は、あくまでも「文字を上から貼り付けている」ような状態である点に注意してください。
例えば、下記のような文章を編集したいという状況では、このテキストコメントの機能では対処できません。
テキストコメントで作成した文字を昼食のメニューとして挿入したい
このテキストコメントで作成した文字を先ほどと同じように修正しようとすると、下記のように後ろの文字を動かすことができないため、上書きされている状態になります。
テキストコメントでは文字が上書きされてしまう
このように、テキストコメントだけでは修正に限界があります。ただしAcrobat Proの編集機能を使えば、このような問題も一発で簡単に修正することが可能です。
では、Acrobat Proを使用するとどんな風に文章を直接編集できるのでしょうか。
Acrobat Proを使用してPDFを編集する
それでは早速「Acrobat Pro」でPDFを編集していきます。作業はすごく簡単。
PDFを編集するには、まず画面左上にある「編集」をクリック。
クリックすると、文書全体にOCR処理(※)がされます。OCR処理がされる事によって文字が書かれている場所の修正ができるようになります。
(※)OCRとは画像データになっているテキスト部分を文字データに変換する技術のこと
あとは、文章をクリックして選択して変更すればOK。
このように、文字が上書きされることなく「修正」されるので、既存の文字に左右されることなく修正が可能です。
また、既存の文字とフォントに違和感がある場合は、2万以上のAdobeフォントの中から似たフォントをアクティべートすることで、違和感のないフォントをご使用いただけます。
※追加・修正した文書のフォントが元文書内のフォントと違う場合、フォントを変更できます。詳細はこちらをご参照ください。
これだけで既存の文字を簡単に変更することができます。文書作成ソフトで編集しているのと同じような感覚で使えるので、誰でも細かい機能を覚えずに変更ができるはずです。
フォント、サイズ、配置なども自由自在に変更可能
PDFにある文字を直接編集しているので、当然ですが文書作成ソフトのように文字の大きさや色なども、自由自在に変更することが可能です。
やり方は「変更したい文字を選択」すると、左側に編集画面が表示されます。そこから簡単に「フォント」「文字の大きさ」「フォントの色」など様々な項目を変更が可能です。
また、文字の周りの枠線をドラッグして動かすことによって、好きな位置に文字を配置することもできます。
文字を単純に修正するだけなく、文字の大きさや色なども含めて、編集機能を使えばPDFファイルでも細かい修正までラクラク。PDFは編集できない、なんて思い込みだということがお分かりいただけるでしょうか。
文字の追加
文字の追加も編集画面の「追加ボタン」から追加が可能です。一見、無償版でも使用できる「テキストコメント(テキストボックス)」機能にも見えますが…
このように追加した後は、文章の編集と同じように、好きな場所に好きな文章を入力することができます。もちろんフォントが変わったりすることもありません。
画像の位置・サイズ変更
Acrobat Proの編集機能は文字だけではなく「画像」も自由自在に変更可能。画像の追加はもちろん、既存の画像の位置変更なども気軽にできます。
既存の画像を変更する場合は、変更したい画像を選択してドラッグするだけ。
このように、右側にあった画像が、左側に移動しました。
大きさを変更したい場合は、画像の周りにある「白い丸」をクリックしながらサイズ変更をします。このようにサイズ変更すれば、文字と画像が被っていたとしても後から修正することが可能です。
周りの白い丸を使用して好みのサイズに変更できます。
ちなみに、画像を新しくPDFに追加したい場合は編集画面の「画像」から追加もできます。
追加後のサイズ変更は先ほどと同様。周りの白い丸をドラッグすればOK。
一部分だけを使用する「トリミング」
さて今度は、一部分を使用したいときに便利な「トリミング」という機能をご紹介。これは、全体は不要だけども、一部分だけ使用したいというときにすごく便利な機能です。例えば、下記のような資料から「詳細や金額の表だけ使用したい」といった場合にトリミングが活躍します。
編集画面から「トリミング」を選び、切り抜きたい部分をドラッグして選択。
選択ができると、選択個所が枠で囲われます。
トリミングの黒い枠線の中をダブルクリックすると「ページボックスを設定」という画面が表示されますので、そのまま「OK」をクリックしてください。
そうすると、トリミングで選択した箇所のみ切り抜かれて表示されます。あとは、保存することによって、その部分のみをPDFとして使用することが可能です。たくさんのPDF資料から、該当箇所を選んでまとめたい場合など、とても便利です!
PDFを墨消し
社内やお客様にPDFの文書を共有する際。一部分だけは見せたくないというときありますよね。そんなときに使えるのが、墨消し機能です。
よくあるパターンだと、他の編集ソフトなどでモザイクや、最初に紹介したテキストボックス機能を使用して上から黒塗りしたりすることもあります。しかし、その方法ではデータはそのまま残っているケースもあるんです。
その点、PDFの墨消し機能は完全に元のデータまで消して、見えない状態にしてくれます。こちらもやり方は簡単!
編集画面の「PDFを墨消し」をクリック。
「テキストと画像を墨消し」をクリック。
あとは、消したい部分を選択するだけです。
「墨消しを適用」と表示されますので、「非表示情報を完全に削除」にチェックを入れて続行を選択します。
そうすると、選択した箇所が黒塗りになり、元の文章が見えなくなりました。
何かのソフトで元の文字を解析しようとしても、元データから削除されているので見られる心配はありません!
※ただ、自分で「Ctrl+Z」などのショートカットキーで戻そうとしても、データが完全に削除されてしまっているため戻すことはできませんので、ご注意ください。
目指せ「編集機能100%活用」!続きは動画で
今回紹介したAcrobat Proの「編集機能」。いかがでしたでしょうか。これらの基本的な操作を覚えるだけでも、十分PDFを使いこなすことができます。もし知らなかった機能などあったら、今日から試してみてくださいね。
さらに動画では、編集機能の中でももう少しレベルアップして、
・ヘッダー、フッター
・透かし
・しおり機能
など
さらに高度なテクニックも含めてご紹介していきますね!こちらも合わせてぜひご覧ください。