Webライター「5歳」が訊く、Adobe Acrobat ユーザーインタビュー vol.1 | 人呼んで「業務効率化の鬼」!? 教育現場DXに奮闘中の小学校の先生に出会った!!

こんにちは、Webライターの5歳と申します。のっけからめちゃくちゃ笑顔ですみません!

A person smiling at camera Description automatically generated

DX、DXと声高に言われるようになってもう何年経ったでしょう? 各方面でデジタル化が進み便利になる一方、まだまだ進んでいない業界や職種もたくさんありますよね。

デジタル化が進めば、業務効率化で残業がなくなり、労働時間もどんどん減って、その先には、1日3時間労働でプライベート充実しまくり!アニメ三昧!漫画三昧!ライフ・イズ・ビューティフルな未来が!?と夢想する僕ですが、どうですか? あなたの周りはDX、進んでます?

今回、私5歳がお送りするのは、これからますますDXが期待される業界で、すでにAdobe Acrobatをはじめとしたデジタルツールをフル活用している方にスポットを当て、そのノウハウに迫ってみよう!という企画です。

(※ちなみにAdobeさんとは去年の自転車日本縦断企画のときから仲良しの会社で、今回もご指名いただきました!Adobeさんあざーす!)

というわけで、第一弾のインタビューでお伺いすることになったのは千葉大学教育学部附属小学校。これは全くの僕のイメージですけど、教育現場ってまだまだこれからDXとか頑張らないといけない感じしません?で、こちらの小学校で先生をしている僕の弟に相談したところ…。

「それだったら取材するのにうってつけの先生がいるよ!」と教えてくれたのです。

弟曰く
「たぶん効率化の鬼」
「たぶんデジタルの化身」
「たぶんAdobe Acrobat(しかも有償版)を日本で一番使いこなしている小学校教師」と

のこと。もうこれは取材するっきゃない!!

ということで到着しました!いやー、小学校とか久しぶりでテンション上がっちゃうな!

ちなみにこれが僕の弟です(本邦初公開)。

さっそくマイブラザーに連れられ今日インタビューをする、
効率化の鬼、こと中山先生の元へと案内していただきました。中山先生〜〜!

中山先生:こんにちは、Adobe Acrobatを日本で一番使いこなしていると紹介された小学校教諭の中山です。

──なんか効率化の鬼と呼ばれる雰囲気が漂ってますね〜。

中山先生:いや〜、そう紹介していただけるのは光栄ですが、日本一では絶対ないと思います。

──でも実際に僕の弟からはそう聞いてますので、凄い先生なんだと思ってお話を伺いにきました!

中山先生:お手柔らかにお願いします…。

教育現場のDX。実際のところ進んでいるの?

鬼とも早速2ショット。

──今日は貴重なお時間ありがとうございます。まずは先生の自己紹介をお願いします。

中山先生:千葉大学教育学部附属小学校で図工を担当しています。本校に着任して2年になりますが、その前は別の中学校で技術科を担当していました。今は身近な材料を使って、色んなものづくりを子どもたちと楽しんでいます。また、校内のICT関係のことも担当しています。

──僕が中学生の頃もコンピューターの授業ってありましたが、今は授業時間が昔に比べて増えていたりするんですか?

中山先生:3年前から進められているGIGAスクール構想(※)では「生徒1人に対してコンピューター1台を整備する」ということになっているので、触れる時間は倍増していると思います。

(※GIGAスクール構想とは、2019年に開始された、全国の児童・生徒1人に1台のコンピューターと高速ネット ワークを整備する文部科学省の取り組み。「GIGA」は「Global and Innovation Gateway for All」を意味する)

──あと中山先生は学校のDXを推進させるチームを率いていると聞いたのですが。

中山先生:率いているというと大げさですが、DX推進に向けて色々検討をしています。一般的にICT教育と言われているところですが、「教育の情報化」について千葉大学教育学部の先生方と連携を図りながら研究をしています。特にここ3年の大きな流れとしてはコロナ禍でのリモート授業で端末を1人1台持つようになったりしているので、ICT教育は一気に加速したと思いますね。

千葉大学教育学部の教授などとともに、教育現場のDX改革に取り組む中山先生。研究内容などのデータをやり取りすることも多いんだとか。

──DXやICT教育を進めていく上で、実際に指導する立場の先生方は覚えることが多くて大変なんじゃないですか?

中山先生:実際、大変な部分はあります。今までと全く違うことを授業に取り入れるので色んな問題や課題があるのは事実です。当たり前の話かもしれませんが「知ってること」に関して教えられても、「知らないこと」を教えるのって難しいんですよね。

学校教育って過去の先輩の先生方が経験してきたことや、問題解決してきたことなどの上に成り立っているんです。そういった意味では、タブレットなどを使ったICT教育はいままでの経験値が少ない。だからこそ教えるのが難しいんですよね。

菅野先生(5歳の弟):例えばICT教育の一環で本校に導入した端末には、色々なものづくりなどが体験できるサンドボックスゲームの有名タイトルがプレインストールされてたんです。最初は児童に自由にやらせてましたが、色々トラブルが起きて結局プレイ禁止になったんです。

──禁止になっちゃたんですね、どんなトラブルが?

菅野先生:ゲームの中で作った友達の建物を壊しちゃったりとか、色々です。今まではそんなトラブルはなかったし、先生側もゲームをちゃんと理解しているわけではないので、適切な指導やルール作りがわからない。なので「だったら禁止」という流れになっちゃうんですよね。

中山先生:DXでも何でもそうですが、新しい試みにはトラブルはつきもの。一つひとつ向き合って解決していくしかないですけどね。とはいえ、ICT教育に関して課題やこれから勉強すべき部分もある一方で、DXというところでは進んでいる部分もたくさんあります。

──お、例えばどんなものですか?

中山先生:保護者への配布物などは、紙で渡すものももちろんありますが、比較的多くのものをデータでお渡ししてます。これは学校あるあるだと思いますが、プリントが保護者の手元に届かず、カバンの中に何か月も入ったままになっていたり…。また、担任からの連絡帳なども昔は児童に書かせていましたが、今はデジタルで共有しています。また、職員の会議資料なども学内のサーバーを介して共有しています。議事録もあとでコメントできたりするのでとても便利ですね。

──ちなみに、全国の学校でのDXはどのくらい進んでいるんでしょう?

中山先生:これはぶっちゃけ市町村単位で進み具合は全然違うと思います。本校はわりとすんなり進んでいる方じゃないでしょうか。

DXの第一歩はAdobe Acrobatから。

ちなみにこちらは小学校の図書室。身体のサイズに合わない小さな丸テーブルに、過ぎ去った年月を感じる5歳……。

──さて、今回はそんな学校のDXの一環として、中山先生が「Adobe Acrobatを日本で一番使いこなしている!」という噂を聞いてお話を伺いに来たのですが……。

中山先生:そうでしたね!Adobe Acrobatは個人的に有償版を使っています。

──Adobe Acrobatってすごく便利なので、色んな職種の人が愛用していますが、小学校の先生で使っている方って多いんですかね?

中山先生:正直、そこまで多くないかもしれません。個人的には普段から当たり前のように使っていますが「学校の先生が使ったら便利な機能」は、本当にたくさんあると思いますよ!

──あ、そういうの聞きたいです。例えば普段だとどんな使い方をしていますか?

Adobe Acrobatの話になると自然に笑みが溢れる中山先生。やはりこの男、根っからのAdobe Acrobatラバーだ……。

中山先生:特に授業以外の校務では日常的に使っています。例えば教員間で閲覧される資料は、多くの方が見る資料になるので、誰がいつ、どんな環境で見ても、きちんと意図した情報が伝わるようにしたい。そんなとき「PDFを作成」機能で、ファイルのPDF変換を行います。

あと、PDFで送付された申込書や申請書については、「PDFを編集」機能があるので、そのまま内容記入などの対応をしたり。基本的な使い方だとは思いますが、「PDFで送られてきた資料を一度プリントアウトして、書き込みをしてから再度スキャナーで読み込んで…」といった手間を考えれば、その効率の差は歴然じゃないでしょうか。

あとは、学外のメンバーと共同研究をしたりしていまして、それぞれが資料をサーバー等へアップしていくわけですが、その際、それらのファイル形式がバラバラであっても、Acrobatであれば「ファイルを結合」機能を使って、それらをひとまとめにすることができます。これも便利な使い方ですね。

──他に、中山先生ならではみたいな使い方はしていますか?

中山先生:私は図工を担当していますので、児童が授業で描いた作品を複合機などでスキャンして、PDFにまとめています。作品の評価をセットにして保管することはもちろん、過去の作品を児童に見せたりするときも、PDFならファイルが軽くてスムーズですよね。これは特に便利な使い方かなと。作品は基本的に児童が自宅に持ち帰るので、データとして簡単に残せることはすごく良いと思っています。

こちらは実際に中山先生が授業で提出してもらった生徒の作品。PDFで綺麗に管理されていて、必要なときはすぐにアクセスできるようになっています。

──これは全国の図工の先生が使えるテクニックかもしれませんね。ところで、中山先生は教育現場のDXに取り組まれてますが、課題とか感じていたりしますか?

Adobe Acrobatは、仕事現場の「インフラ」。

5歳の大袈裟な身振り手振りに、若干の胡散臭さを感じざるをえない中山先生。

中山先生:これは昔の話ですが、前任校での事例です。私が教務主任になり、職員間で情報共有をする際に、今までは職員室の黒板に書いたり口頭で伝えていたのを、スプレッドシートに書いた日報を教員間で共有し、コメントもできるように変えたんです。でもこのやり方に抵抗感を感じる方もいて。最後の最後までパソコンに触ろうとしなかった先生がいたんですよね。

──全然違うやり方を覚えるって、大人だってストレスですもんね……。

中山先生:はい、触ったことのないものに対して抵抗感があるのはわかります。でもその先生も「いよいよこのままではマズい」と思ったのか、パソコン教室に通い始めたり。

──陰ながら努力なさってたと。

中山先生:はい、とても苦労はされたと思います。でもそんな努力の甲斐もあって、その先生は最終的にクラウドで情報共有もできるようになって。「このシステムがないと、もう仕事ができない」と仰るまでになったんです。

──圧倒的な成長! やっぱり慣れたら便利さが勝ちますよね。

中山先生:Adobe Acrobatもそうですが、世の中には便利なサービスがたくさんあって。それを使いこなせれば、教育現場でも作業の効率化が圧倒的にできるんです。ただ、最初のハードルはあるとは思います。DXを教育現場でスムーズに進めるには、抵抗感のある人に対して、ある程度「こうしたらできるよ」と背中をそっと後押ししてあげることだったり、「ああ、なるほどね」とストン落ちるようなアドバイスをしてあげることが大切じゃないかと思います。

──1回覚えちゃえば、先程のお話に出てきた先生みたいに「これがないともう仕事ができない!」という状態になる可能性も高いですね。

中山先生:Adobe Acrobatのようなデジタルツールは、学校だけではなく、あらゆる仕事現場におけるインフラみたいなものじゃないでしょうか。例えば、Windowsで作ったWordファイルをMacで開くと崩れてしまう、みたいなこともしょっちゅうありますよね。そういうときはPDFのファイルも添付しておけば、まず崩れないので間違いない。PDFがないと困る場面は、学校教育の現場でも多くなっていくと思います。

──Adobe Acrobatはインフラ。さすが鬼、含蓄のあるお言葉をありがとうございました!

課題の先に、見えてくるDXの未来。

さて、ここで副校長の佐藤先生にもお話を伺えることに。

──ここ数年で教育現場にもDXの波が押し寄せてますが、どう感じていますか?

佐藤副校長先生:正直、かなり効率的になっていると思います。紙からデジタルへの変化もそうだし、職員間のやり取りもチャットで行ったり。先日、宿泊学習という学校行事があったのですが、事務的なことは全部チャットで共有・完結でき、かなりスムーズでしたね。

──中山先生からもお話を聞いて思ったんですが、千葉大学教育学部附属小学校のDXは特に進んでるように感じました。実際そうなんですかね?

佐藤副校長先生:そうですね、まず保護者の方々がデジタル化をすんなりと受け入れてくれているのはあります。私が以前に赴任していた学校はデータより紙でもらった方が安心という意見が多かったのでプリントを配布していましたが、都心部だと逆にデータの方が助かるという保護者の方が多い。地域による差も大きいかなと。

──都心部だと、仕事でパソコンを使っている親御さんも多いので、慣れているということもあるかもしれませんね。

佐藤副校長先生:課題はたくさんあるものの、DXは教師の効率的な働き方や残業問題などの解決の糸口になると思います。あと、文科省が掲げる「個別最適な学びと協働の学びとの一体化」というスローガンがあるのですが、これを ICT教育とどう結びつけるかを考えています。

子どもたちが互いに意見を出し合ったりすることはWeb上でできる。でも、直接目を見て、表情を感じ取って、対話をしていく中で分かり合う部分も大きい。そういうところはデジタル化できないこと。ただ、ひとつの学習に対して4人グループでやっていたら4人の意見しかわからないけど、デジタルをうまく活用すればクラス全員の意見を知ることもできますよね。

──なるほど、そのぶん視野が広がる感じがしますね。

佐藤副校長先生:これからも、デジタルの良い部分は取り入れて、残すべきものはきちんと残していかなくてはいけないと思っています。

──貴重なお話ありがとうございました!

今回は教育現場におけるDXの最前線で活躍されている先生方にお話を聞けました!

お話にもあったように地域での差などあれ、思ったよりも教育現場のDXは進んでいるのでは?と。きっと全国に中山先生のようなデジタルの有識者である先生がいて、効率化について日々考え、改善しようとしているのかなと感じました。

ラクできるところはどんどん効率化。そのぶん、より心が豊かな人生を送れるようになったらイイですよね。だって、テクノロジーってそういうために進化してるんでしょ???

そして効率化の相棒には、Adobe Acrobat! 僕、最近Adobeの裏方仕事をよく手伝ってるんだけど、Adobeこそ世の中の仕事の効率化を、日夜考えまくっている企業だと思うよ。

一回使って慣れちゃったら、本当にAdobe Acrobatなしじゃ働けなくなる気がする。まさにインフラ。
つーことで、今回はこんなところで!またどこかのDXの現場でお会いしましょう!アディオス!!