Adobe Substance 3D 製品 2023 年 11 月のアップデート情報
Substance 3D Painter で作成した画像
11 月は Adobe Substance 3D Painter に、新機能や新しいワークフローの追加、既存ツールの改善などがありました。Adobe Substance 3D の素晴らしい 2023 年の終わりに向けて、アドビはスピードを緩めることなく、革新的な機能を提供し、Substance 3D ツール全体の改善に取り組んでいきます。12 月の Substance 3D のアップデートにもご期待ください!
Substance 3D Painter 9.1
今月は、3D テクスチャリングの業界標準ツールである Substance 3D Painter のバージョン 9.1 が公開されました。品質改善から、ベクター読み込みのサポートや Adobe After Effects 連携のような新機能まで、アプリケーション全体に様々な種類のアップデートがあります。ここからは、主要な新機能をいくつか紹介します。
リソースの読み込みと管理
Painter の大きな改善の一つは、使いやすさと最適化に関わるものです。ワークスペース内のさまざまな場所にドラッグ&ドロップするだけで、リソースを読み込めるようになりました。この新しい機能により、Painter でのテクスチャリング作業はこれまで以上に直感的になっています。Painter で使用するリソースをビューポートやレイヤースタックに単純にドラッグ&ドロップすれば、すぐに次の作業を始められます。
さらに最新バージョンの Painter は、ロスレス圧縮を利用してプロジェクトファイル内のリソースを最適化し、プロジェクトのファイルサイズを最大で半分に削減します。これにより、Painter ファイルがより管理しやすくなり、可搬性の向上とストレージ使用量の大幅削減が実現されます。
パスツールの強化
ユーザーからのフィードバックに基づいて、Painter のパスツールに複数の機能強化が行われました。パスの接線をより細かくコントロールできるようになり、パスのポイントをマニピュレーターを使用して調整することも可能になりました。パスの可視性を個別に変更することが可能で、表示をオフにすると、パスを削除しなくても最終的なテクスチャへの影響を取り除くことができます。また、パスの位置とブラシのプロパティをコピー&ペーストする機能も追加されています。これにより、複雑なシェイプの一部としてパスを利用したり、複数のパスの間で特定の見た目を共有したりすることが非常に容易になりました。
Painter のパスの改善について、詳しくはこちらの動画をご覧ください。
ASM シェーダーの透明度のサポート
Painter の Adobe Standard Material(ASM)シェーダーが更新され、不透明度、透光性、吸収のプロパティがサポートされました。これは、ガラス、プラスチック、そして光の通過や吸収によって影響を受けるサーフェイスを持つあらゆるマテリアルを作成するときには欠かせないものです。またこのアップデートのおかげで、透明度を持つマテリアルを使用する際に、別のシェーダーに切り替えなくても、Painter のビューポート内でより精度の高い確認ができます。
ベクターの読み込み
Painter がベクター読み込みに対応しました。これにより、デザイナーは Adobe Illustrator から SVG フォーマットで書き出すと、ビジュアル的な品質を損なうことなくベクターデザインを取り込めます。読み込まれたリソースはレイヤー内にあり、ペイントツール等で扱えます。デザインはスケーラブルな特徴を保持し、SVG 内のレイヤーにアクセスすることができます。これは、Illustrator をデザインプロセスの一部に含む、あらゆるテクスチャ作成ワークフローに有益です。SVG はメニューから読み込むこともできますが、単純に既存のメッシュやレイヤースタックにドラッグ&ドロップすることもできます。
After Effects に送信
Painter の書き出しオプションに「After Effects に送信」が追加されて、3D モデルのテクスチャを作成し、それを Adobe After Effects で利用することが、これまで以上に簡単にできるようになりました。このワークフローは、After Effects の新しいネイティブ 3D サポートを使用するモーションデザインを使う場合に特に適しています。Painter でテクスチャの修正を繰り返しながら After Effects を更新するという、シームレスに接続されたワークフローを実現します。
Sampler と 3D Assets もこのワークフローに加わって、Substance 3D Collection は、モーションデザインにそのまま使用できる、強力な 3D モデルと 3D アセットライブラリを提供します。
Substance 3D Assets
Substance 3D Assets は、18,000 以上の高品質な 3D アセットを収録した、Substance 3D Collection の一部として提供される専用ライブラリです。プロにより制作された、いろいろな種類の 3D プロジェクトで即座に使用できる 3D アセットが、毎月次々に追加されています。
11 月には、Substance 3D Assets チームは、新しいアイコンコレクションの一部として、モーションデザインに焦点を当てて定型化された新しい一連のジオラマを公開しました。これには、さまざまなクリエイティブな 3D デザインプロジェクトに使用できる 100 以上のアセットが含まれています。 クリエイティブなデザインのニーズを刺激するジオラマを選択して、UX に適したデザインと一緒にお使いください。
この記事は Substance 3D: The latest updates to Substance 3D Painter and more(著者: Grant Kay)の抄訳です