Adobe Substance 3D 製品 2023 年 10 月のアップデート情報

Substance 3D Collection で作成した画像。

2023 年も終盤に差し掛かりました。今年は Substance 3D Collection に素晴らしいクリエイティブな新機能を数多くリリースしましたが、見逃した方もいるかもしれません。そこで少し振り返っていくつかご紹介したいと思います。

Adobe Max Sneaks

Adobe MAX の Inspiration Keynote のステージの様子。

Adobe MAX が今年も 10 月に対面およびオンラインで開催されました。デザイナー、イラストレーター、フォトグラファー、ビデオのプロが、インスピレーションを得たり、新しいスキルを学んだり、他のクリエーターとつながるために、ロサンゼルスとネット上に集まりました。Substance 3D 関連では、セッション、ラボ、そして詳細を扱うトレーニングがありました。

3D に関連するセッションのオンデマンド配信はこちらからご覧になれます。

毎回、Adobe Max のハイライトは MAX Sneaks です。アドビのエンジニア達が、アドビ製品の将来のバージョンに搭載されるかもしれない、あるいは搭載されないかもしれない、潜在的な未来のテクノロジーを初公開する催しです。

最も反響があったスニークのひとつは、アドビ 3D チームによる Project Neo と名付けられたテクノロジーの紹介でした。

Project Neo

Project Neo を使って作成された画像。

Project Neo は、ベクターおよびアイソメトリックデザインに真の 3D を持ち込みます。MAX Sneaks で初めて公開されたこのテクノロジーは、3D を操る高度なコントロールを駆使して、容易にアイコン、線描、シェイプを作成できます。Project Neo は、デザイナーが幾何学的な形状を回転させたり調整したりするために使える直感的なコントロールを提供し、ビューや照明を流れるように作成し、その結果を Adobe Illustrator にベクターデザインとして送信します。

Project Neo の紹介動画は以下からご覧になれます。

今年リリースされた新機能を見逃した方のために

Substance 3D Sampler で作成した画像。

今年は、フォトリアルな 3D コンテンツを作成するすべての人の創造性と生産性を高めることに焦点を当てた数多くの新機能を Substance 3D Collction の各製品に追加しました。

この記事ではそのほんの一部をご紹介します。まだご存じなかった方はぜひこの機会にお試しください。まずは、Substance 3D Sampler から始めます。

新しい 3D キャプチャ

改良された 3D キャプチャで作成した画像。

今年の初めに、3D キャプチャが Sampler に導入されました。現在は、Mac でも PC でも強力で効率的なフォトグラメトリを使い、実世界のオブジェクトの写真やスキャンした画像から、マテリアルや照明だけでなく、3D モデルを作成することができます。必要な作業は、オブジェクトをあらゆる方向から撮影し、その写真を Sampler にドラッグ & ドロップするだけです。すると Sampler は、座標データを計算し、一致するジオメトリを再構築してテクスチャ付きの 3D モデルを生成します。このように、素早くかつ簡単に 3D モデルを作成できます。

改良された刺しゅう

Sampler の Embroidery フィルタを使って作成した画像。

Sampler の刺しゅうフィルタがアップデートされて、ベクターや画像ファイルを、リアルな刺しゅうの布片に変換することがより簡単になりました。このフィルタは、極めて優れた結果をすばやく生成します。そのため、時間を節約しつつ、とても楽しく作業できます。刺しゅうの外観はカスタマイズ可能で、色を変えたり、複数のステッチを組み合わせたりできます。

Sampler の刺しゅうフィルタについて詳しくは以下の動画をご覧ください。

新しいペイントワープ

Sampler のペイントワープフィルタを使って作成した画像。

Sampler のペイントワープフィルタは、2D ビューにカーブを描くことによりマテリアルをワープさせるという新しい強力な手段を提供します。有機的な曲線に直線化オプションを適用してマテリアルを再調整することができるため、シームレスなタイリングのワークフローを手軽に実現できます。

Sampler のペイントワープについて詳しくは以下の動画をご覧ください。

Substance 3D Painter の新しいパスツール

Painter のパスツールは、メッシュのサーフェス上に 3D カーブを作成します。これにより、3D モデルにステッチ、ウェルドライン、パッカリングなどのディテールを簡単に配置できます。パスツールは、ペイントレイヤーやエフェクトを使い、3D モデルに直接ベクターパスを作成するというお馴染みの直感的な方法を提供します。Painter の非破壊なワークフローはここでも維持されており、ブラシのプロパティとパスのポイントはデザイン作業中いつでも変更可能です。また、Painter の対象ツールを使って、パスをミラーリングすることが可能です。

Painter のパスツールについて詳しくは以下の動画をご覧ください。

Substance 3D Designer のスプライン

Designer に追加されたスプラインノードを使うと、マテリアル作成プロセスの一環として、正確な曲線を描画し、編集し、組み合わせることができます。つまり、特定のプロファイルを作成するために、ベースの形状を 2D 変換やワープに送る必要はありません。これにより様々な可能性が生まれます。例えば、カーブをパスにマッピングして、パイプやケーブルなどのディテールをマテリアルの一部として作成したり、深度データを使用してカーブを互いにねじれさせたり、カーブに沿って追加の形状を撒き散らすことさえできます。

スプラインノードは、ポイントの組み合わせとして曲線の形状を決定するため、最終的な形状を完全に制御でき、作成後の編集もいつでも行えます。このコレクションには、グレースケールの任意のパターンを正確な曲線に変換できる新しいパスノードも含まれています。

Designer のスプラインについて詳しくは以下の動画をご覧ください。

Maxon と Substance 3D のバンドル

Maxon One と Substance 3D Collection のために作成された画像。

出典: Peter Tarka

Maxon One と Substance 3D Collection の組み合わせは、3D パイプラインをかつてないほど効率的で強力なものにします。Maxon One は、Cinema 4D、Forger、Red Giant、Redshift、Universe、ZBrush を含むクリエイティブツール群と、増え続けるカプセットアセットコレクションを提供しています。Adobe Substance 3D は、Painter、Sampler、3D Assets、Designer、Stager、Modeler などのツールでアーティストを支援します。業界をリードするこれらのソフトウェアパッケージを組み合わせることで、ワークフローを合理化し、生産性を向上させ、魅力的なビジュアルと没入感のある体験を創造できます。

ぜひ Maxon.net のページをご覧ください!

この記事は Substance 3D: October Release News(著者: Grant Kay)の抄訳です