短時間でバリエーション豊かに制作できるAdobe Expressの強み〜津田塾大学×飯田市の産学官連携プロジェクト

津田塾大学では、課外活動として学生が参加できる複数の産学官連携プロジェクトが行われています。そのひとつ、津田塾大学と長野県飯田市の連携協定をもとに行われている「飯田プロジェクト」に参加している総合政策学部総合政策学科2年生の小田未悠さんは、Adobe Expressを使いこなし、さまざまなPR用コンテンツの制作を担っています。小田さんが講師役として登壇したセミナーの様子と、プロジェクト活動を見守る同大の総合政策学部総合政策学科 鈴木貴久准教授のお話を紹介します。

友達にも勧めやすい! 初心者でも使いこなせるAdobe Express

小田さんは教育機関向けのセミナーに登壇し、産学官連携プロジェクトでの活動内容と、Adobe Expressの活用術について実演を交えて語りました。小田さんが参加する飯田プロジェクトは、学生ならではの視点で飯田市の魅力を発信することを目的に活動しています。飯田市にしかない価値を見つけ、その価値を広く社会に届ける手段を考え、実行するのがミッションです。その一環で2023年3月に商品化が実現したのが、飯田市の伝統工芸である水引の魅力を生かした「Me’s(ミーズ)」です。

「Me’s」は車いすのスポークにつけるアクセサリーとして開発された商品でオンライン販売されていますが、大学の生協で販売する機会を得たり、東京のイベントに出展するなどPRする機会が増えてきました。商品の魅力を伝えるには、その場にあった訴求が必要です。小田さんはAdobe Expressを活用して、ポップやInstagramの投稿用素材など、さまざまな制作物のデザインを担当しました。

テキスト 中程度の精度で自動的に生成された説明

PRの場にふさわしいポップや掲示物、配布物を制作。インスタグラムの投稿用動画なども制作している

小田さんは、大学生協でのPRのために制作したポップを例に、Adobe Expressで制作手順の実演を行いました。「車椅子ユーザーの方だけではなく、学生にも手に取ってもらえるように(商品の)さまざまな使い方を紹介したいと思ってポップを制作しました。なるべくたくさんの使い方を紹介できるようにデザインしたのがポイントです」。

グラフィカル ユーザー インターフェイス 低い精度で自動的に生成された説明

ポップ用のデザインをAdobe Expressで実演する小田さん

実演を通じて、Adobe Expressには豊富なテンプレートがあり完成デザインをイメージしやすいことや、写真の背景を消したり色調を補正したり簡単に加工できることなどが、わかりやすく解説されました。「デザインの知識やツールを使う経験がなくても、直感的に使えるので、私自身、初めて使うときでもあまり迷うことがありませんでした。ひとつのアプリ上でデザインが完成する点がすごく魅力的だと感じています」と小田さん。また、「無料でかんたんに始めることができるので、友達に勧めやすく、気軽に使うことができます」と、利用のハードルが低いこともメリットとして紹介しました。

Adobe Expressは、パソコンのウェブブラウザから使うだけでなく、モバイルアプリもあります。小田さんはどちらも利用していて、Instagram用の縦型動画はスマートフォン版アプリで制作したのだそうです。「スマホで作ることができるので、登下校の電車に乗っている間などの短い時間で作成することができます」。スマートフォンで制作する実演も行い、少ない手順でアニメーション効果のある動画を完成させました。

タイムライン が含まれている画像 自動的に生成された説明

スマートフォン版のアプリでお正月モチーフのテンプレートを元に制作(左)。完成したデザイン(右)

通学の電車内でデザインするスピード感と手軽さは、Adobe Expressならでは。それを軽やかにで実現する小田さんは、これからもさまざまな領域でクリエイティブスキルを発揮してくれそうです。

Adobe Expressでデザインのスピード感が格段に上がった

総合政策学部総合政策学科 准教授の鈴木先生は、飯田プロジェクトを始めとする産学官連携プロジェクト全体を見守っています。総合政策学部自体が、社会のさまざまな課題解決に多角的な視点で実践的に取り組む学びを行なっていますが、飯田プロジェクトは授業とは異なり、サークルのように独立したチームで活動していて、学生主体で動いています。

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小田さんが担っているようなデザインは、プロジェクトのPRの場面で力を発揮しています。「水引もそうですが、地域の魅力を発信するときには、もともとそれほど知られていないものを対象にすることが多いので、まずは“目に留まること”が非常に重要だと思っています。注意を引きつけ、そこから興味を持ってもらうためにチラシやポップなどは非常に重要な手段です」と鈴木先生。

鈴木先生は、小田さんがAdobe Expressを使用して短時間でデザインを仕上げていることにも注目しています。「プロジェクトのメインは、水引のアピールの企画で、デザインをすることではありません。ひとつのイベントごとに複数種類のポスターやチラシなどを作っていますが、ひとつひとつにあまり時間をかけている余裕はありません。そんな中でぱっとこういう目を引くものが作れるというのはすごいことだと感心しています」。

実際に小田さんが制作したイベントのポスター

先生から見ると、学生はいつの時代でも新しいツールを使ってチラシ制作などを行なっていたそうですが、学生がAdobe Expressを使うようになってからは、スピードが格段に上がったそうです。「最近はアドビのおかげか本当に早いんですよね。クオリティの高いものを速い回転で作るので、種類も複数そろえることができます。これまでは、センスのある人が1つに結構時間をかけて作っていたので、がんばっても1〜2種類しかできませんでした。最近見ていると、イベントのたびに目的やオーディエンスにあわせて何種類か用意していて、これはここに置いてこれはこっちに貼って……と準備しているんですね。選択肢を増やせるようになり、大きな強みだと思います」と鈴木先生。

また、Adobe Expressでクリエイティビティを発揮する姿に、ツールと学生の「相性がとてもいい」と感じているとのこと。「クリエイティブスキルは産学官連携のプロジェクトに限らず普遍的に使えるスキルだと思いますので、学生の間でも広めてほしいと思っています」。

飯田プロジェクトに参加する学生は何に対しても積極的に取り組む学生が多く、立場の違う人をつないでコミュニケーションを取り合意形成する力や、様々な要望を受けながらもスケジュールに合わせて形にする力などを身につけていくそうです。ここにクリエイティブスキルも加わり、社会に出てどこでも活躍できるような基礎力がつくことを、とても頼もしく感じます。

(文:狩野さやか)