「中の人」がこっそり教えるテクニック。Adobe社員が選ぶAdobe Acrobatの「推し機能」はコレ!

こんにちは!毎回、Acrobatの知られざる便利機能や、これは知っておいて欲しいという情報をお届けしているこちらのブログ。そういえばと、ふと思い立ちました。Adobeで働いているメンバーって、Acrobatをどのくらい使いこなしているんだろう?

そこで今回は、Adobeの「中の人」…つまり社員からのAcrobatのイチオシ機能を紹介します!

AcrobatはPDFを扱うのにとても便利なソフトウェアですが、どんな機能を使っているかは仕事の内容や業種によって、それぞれ異なると思います。しかし、Adobeの中の人がオススメする機能であれば、きっと多くの人にとって参考となるはず。

今回はAdobeで働くお三方をお招きし、座談会のような形式でAcrobatへの思いや、推し機能を紹介していただきました。普段からAcrobatを使いこなす、エキスパートともいえる方々のリアルな声、貴重じゃないですか?さて、そんなインタビューに今回お答えいただいた皆さんは…。

岸本さん:Acrobatのマーケティングを担当。すでにAcrobatをご利用しているお客様に向けて、より活用できるための情報を提供されているそうです。

Medium shot of a person Description automatically generated

立川さん:Acrobatのマーケティング関連を担当。Acrobatをもっと知ってもらったり、実際にトライアルしてもらう施策を考え、動画広告やLP、バナーの制作などを担当されているそうです。

A person sitting at a table Description automatically generated

小林さん:Acrobatを含むAdobe Document Cloud全体の営業戦略を担当。

今すぐ使って欲しい、「コメントを依頼」機能!

──まず最初に、普段のお仕事では、どんな場面でAcrobatを利用されていますか?

小林:マイクロソフトのWordやExcel、Powerpointなどは日常的に使っているのですが、こうしたファイルを誰かに共有したい場合、アクセスレベルを制限しないといけない場面が結構あるんです。そういった人たちに合わせて、Acrobatの「PDFを作成」機能をよく使います。

立川:僕は広告制作に関わることが多いのですが、制作物をチェックに回すのにAcrobatの「コメントを依頼」機能を活用しています。例えばランディングページを作る場合、デザイナーさんに指示を出してモックを作ってもらいますが、公開するまでに色々な関係者に見てもらって内容に齟齬がないかなどのフィードバックをもらいます。

──そうしたビジュアル面でのチェックって、スクリーンショットで確認することも多いですよね。

立川:スクショを送ることもよくあると思うのですが、その場合は別途テキストで修正内容を指示する必要があり、コミュニケーションがうまくいかないことがあります。さらに数十人からのフィードバックをまとめようとしたら、それも結構な手間になってしまう。こうした意思疎通も、クラウド上でPDFを共有すれば具体的かつ円滑なやりとりになりますね。

岸本:私も「コメントを依頼」機能を一番使います。デザイン会社とやりとりが多いのですが、デザイン系ソフトは独特の拡張子(.psdや.ai、.xdcなど)があって、拡張子ごとのソフトを個別に開いていくのは手間なのでPDFに変換してもらい、それを共有してもらって修正したい部分にハイライトと修正指示を書き込みます。具体的に指示ができるので何度もやり取りする必要がなく、1~2回のフィードバックで修正が完了します。

──「コメントを依頼」機能は具体的な指示が出せるから、やりとりの回数を減らすのにも便利なのですね。

岸本:「コメントを依頼」機能は弊社でも使っている人がすごく多いんですけど、一般のお客様には、まだそれほど浸透していないと感じているんですよね。

A person talking to another person Description automatically generated

──確かに。スクショでの共有やテキストでの修正指示など、そういったやり取りのほうが主流だなとは感じています。

岸本:ですよね。私達は「コメントを依頼」機能を毎日のように使っているので、お客様にももっと活用していただきたいという歯痒い気持ちがあります。この機会に改めて言わせてください。

「コメントを依頼」機能、本当に便利ですよ!

──熱い思いをありがとうございます(笑)!

小林:ちなみに「コメントを依頼」機能は、Acrobatのブラウザ版でも使えます。Adobeにサインアップさえしていれば無料でご利用いただけるので、Acrobatのソフトを持ってないから使えないやーと思わず、ぜひ試してみてください。

さて、そんな皆さんの「推し機能」は…?

──それでは改めて、お三方の「Acrobatの推し機能」を教えてください!

小林:今の世の中はデスクトップのアプリからモバイルファーストに移行して、ソフトウェアの概念が希薄になってきています。それこそワードなどのマイクロソフト系ソフトは使うこともあるけど、普段はGoogle Workspaceでほとんどの業務がまかなえている、とか。

──ブラウザでのGmailなんて、もはや当たり前ですよね。

小林:実は、Acrobatもブラウザで使えるんです。これがさきほど話したAcrobat Webで、PDFファイルをダブルクリックすればブラウザでPDFが立ち上がって、閲覧や編集といったデスクトップ版と同等の操作が可能になります。PDFの操作がAcrobatのソフトを立ち上げることなくできるんですよ。

A computer screen with a group of icons Description automatically generated

──コメントの追加やファイルの結合、抽出などもブラウザ内でできてしまうのですね。

小林:こうなると何が良いのかというと、ブラウザさえ立ち上がっていればほとんどの作業ができてしまう点です。何かしらのソフトをインストールする必要もないし、ソフトを切り替える必要もないわけです。

──ソフトが不要というのはストレージ容量の削減といったマシンスペックの点で見ても有利ですね。ブラウザだけでここまで作業できるなら、ほとんどの人にとっては充分なように感じました。

A computer screen with text on it Description automatically generated

小林:ちょっと編集したいなと思ったらファイルをブラウザにアップロードさえすればOK。Acrobatの有料機能の大半を網羅しているので、まさにほとんどの人にとっては充分な機能が備わってます。これらの機能はブラウザだけでなく、モバイルアプリでもご利用いただけます。スマホやタブレットからだとタッチ操作ができるから、修正箇所に線を引いて指示を出す、などのビジュアルコミュニケーションの面でも活用できますよ。

──Google DriveやOne Driveと連携させればドキュメント管理もクラウドで完結できるし、ローカルでのファイル迷子や保存し忘れといったケースからも解放されますね。

小林:ブラウザやクラウドをフル活用して仕事をするビジネスマンはまだ多くはないと思いますが、働く世代も変化していますし、そうした人たちが活用できるサービスを進化させ続けたいですね。

──ありがとうございました。それでは、立川さんはどうでしょう?

立川:やはり、「コメントを依頼」機能ですね。AcrobatでPDFファイルを開くと右上に共有ボタンがあるので、ここから共有したい相手のメールアドレスを入力するか、URLを生成して共有してもOKです。相手がURLを訪れるとブラウザでPDFが表示されます。

共有したファイルには、フリーハンドの描画ツールを使って修正を指示したり、吹き出しコメントを追加したりして、色んな人からフィードバックがもらえます。

──フリーハンドの赤丸で指示箇所を囲えば、具体的にどこを指しているのか一目でわかりますね。

立川:描画ツールなどで場所を指定し、その場所に対して「ロゴを大きくしてください」などコメントをすれば、自然なコミュニケーションがとれます。またコメントにはメンション機能もあるので、やりとりしたい相手が同じページを見ていなくても、メールなどで通知を送れます。ひとつのPDF上でコミュニケーションが完結させられるのがとても大きな利点なんですよ。

──なるほど、PDF内で新たなチャットスペースを設けているようなものですね!皆で同じビジュアルを見ているのが大前提ですから、コミュニケーションも円滑に進みそうです。

A screenshot of a computer Description automatically generated

立川:確認用のファイルと修正内容の書いてあるメールを行ったり来たりすることがなくなるし、多人数でのやり取りもスムーズになります。本当に便利な機能ですよ。

岸本:「コメントを依頼」機能はフィルターも使えるので、特定の人から来ているコメントだけを見るなんてことも可能です。人物の他にも、ハイライトした箇所だけ、特定のシェイプだけ、今日投稿されたものだけ、といったフィルタリングもできます。

小林:解決済み・未読といったステータスの表示もできますよ。だから、コメントの見逃しがあるかどうかの判断も一発です。

──なるほど〜。これだけ便利だと、僕自身も試してみたいと感じました。

小林:これらの機能は無料でもお試しいただけます。 Adobe IDがあればクラウド共有が可能なので、あとはブラウザからどうぞという具合です。

──「PDFって、資料を見たり印刷したりするだけでしょ?」と感じている人には、業務上のあらゆるやり取りが PDFだとスムーズになりますよと伝えたいですね。

岸本:そもそも、Acrobatはコミュニケーションツールの発想で作られていますからね。

──では最後に、岸本さんの推し機能を教えてください。

岸本:私は、ちょっと踏み込んだ使い方を紹介させてください。Acrobatのモバイルでの活用法ですが、移動時間にも仕事をしたい人にはぜひオススメです。例えば、移動中でもチャットやメールを見ることはありませんか?その中にファイル確認の作業もあると思いますが、PDFなら閲覧以上のことができます。

A person holding a cell phone Description automatically generated

さきほど紹介した「コメントを依頼」機能は、スマホからもアクセスできます。スマホだと手書きツールも使いやすいですし、デザインのフィードバックくらいなら移動時間に済ませることもできますよ。私は子供のお迎えの時間があるので、中途半端に仕事が残っていても退社しないといけなくて。そんなとき、PCでの作業からシームレスにチェックや指示を入れることができます。

──こうしたビジュアルコミュニケーションは、PCよりもスマホやタブレットの方が有利ですね。

岸本:もうひとつ紹介したいのは、「フォームを準備」の機能です。

──フォーム、入力欄のことですね。ぜひ教えてください。

岸本:例えば、役所に提出する幼児無償化の申請書。あれって3ヶ月ごとに提出するんですが、毎回同じ内容を入力する必要があって、これがもう非常に面倒なんです。電子申請もできるのですが、行政からダウンロードした PDF文書って書き込みができないことが多いんですよ。そんな時にとても便利な機能です。

A close-up of a computer screen Description automatically generated ツールタブをクリックし、「フォームを準備」を選択します。

岸本:こちらがフォームを設置したい、つまり入力欄が欲しい幼児無償化のPDF文書です。現在は書き込みができないのですが、このPDFに対して「フォームを準備」をクリックしますね。

A screen shot of a computer Description automatically generated

岸本:フォームフィールドの自動検出がオンになっているのを確認して、フォームを作成すると…。

──おお、入力欄が設置されてますね!

岸本:ほんの10秒足らずで、入力欄の設置ができてしまうんですよ。これならPCから入力がもっと簡単に行えます。

──これ、僕は初めて使っているところを見たんですが、これってかなりマイナーな機能ですか?

岸本:使っている人はさほど多くない機能かもしれません。でも、入力が可能だとデータベース性も検索性も向上しますし、こういうのが本当の意味での電子化だと思うんです。書類そのものをデータ化したのは良いものの、入力といったアクセシビリティはまだ熟慮されてないと思います。ぜひお試しください!

明日から使いたいAcrobatの便利機能たち

正直、「コメントを依頼」機能は今すぐ活用したいと思ったほど便利そうでした。皆さんが関わっている会社やチームでも、メールにスクショを添付してフィードバックをもらうといったやり取りをしている人もいるのでは?僕自身も身に覚えがありまくりなので、このあたりのフローを改善させたい…!

A person sitting on a couch with a computer Description automatically generated

Acrobatのエキスパートともいえる人たちがオススメする機能なら、便利なのは間違いなし。円滑なコミュニケーションや業務の効率化のためにも、ぜひ今回紹介した便利機能を試してみてください!