Substance 3D 製品 2023 年 12 月のアップデート情報

Substance 3D のヘッドフォン。

今年は Substance 3D 全体にとって素晴らしい年でした。Substance ツールをこれまで以上に優れたものにするため、Substance 3D collection にいくつもの新機能を導入し、新しいワークフローの拡張も行いました。また、1 年を通して、多くの才能あるアーティストが制作した素晴らしい作品を目にしては、強く励まされてきました。

2023 年が終わろうとしていますが、Substance 3D チームにはまだ仕事があります。12 月には今年最後のアップデートを公開しました。

Substance 3D Modeler 1.5

Substance 3D Modeler 1.5 の爬虫類の画像。

Substance Modeler の最新リリースでは、ユーザーからの要望の多かった様々な改善や機能が導入されています。3D モデルのサーフェスにディテールを追加できる、新しい機能や改良された機能だけでなく、ジオメトリのトポロジーを洗練させるオプションが追加されて、結果をすぐに利用できます。他にも、Modeler には、マテリアルを割り当てたり、リアルなライティングをプレビューしたり、3D パイプラインで Modeler を使用する際の相互運用性を高めるエクスポートプリセットが追加されたりしています。

改良されたサーフェスツール

Modeler の強化されたサーフェスツールにより、アーティストは 3D デザインに精密なディテールを追加し、高い品質の結果を得られます。アルファをサポートした新しい重ね描き効果ツールは、素早く直感的に使用できる、3D モデルのサーフェス作成とディテール追加に欠かせないツールです。重ね描き効果ツールは、レイヤー上でスカルプトを行うアーティストが、3D 形状を複雑に構築し洗練するために便利です。また、折り目ツールと平坦化ツールも改良されて、より素早く高品質な結果が得られるようになりました。

マテリアルの割り当て

ランタンの画像。

レイヤーごとにマテリアルを割り当てれば、3D モデルのテクスチャリングやペイントの準備はこれまで以上に簡単です。スカルプト中に 3D モデルのどこにマテリアルを表示するかを判断して確認できるため、Modeler と Substance 3D Painter 間のワークフローが大幅に改善されます。

画像ベースのライティング

Modeler は、画像ベースのライティングマップをサポートしました。これは、アーティストが作業中にモデルをプレビューできる、よりフォトリアルな環境を提供します。Modeler のビューポートに全ての環境光と反射が表示されるため、3D モデルの形状とマテリアルについて、より適切に決定できるようになりました。

Substance 3D Designer 13.1

Substance 3D Designer 13.1 のフレームの画像。

Substance Designer の最新リリースには、ノードグラフの使いやすさの改善、3D パイプラインの新たな相互運用を可能にする AxF エクスポートの追加などが行われました。全てがユーザーからのフィードバックへの対応です。

新しくなったフレーム

Designer のノードグラフを配置するフレームの外観がモダンになり、新しいルールがフレームの整理をサポートします。新しいフレームはコンテンツに応じて自動的にサイズが変わります。また、新しいホットキーにより、フレーム内のノードを移動する際に、フレームが自動的に拡張されます。フレームの説明には、HTML を使用したリッチテキストを含めることができ、複雑なグラフの整理整頓に役立つグリッドスナップ機能が改善されました。

ノードグラフへのノードの配置

Substance 3D Designer の新しいノード配置ツールは、ノードをグリッドに整列させます。そして、新しいノードは、常に現在のビューポートの表示範囲内に作成されます。さらに、改良されたノード検索メニューにより、大きなノードグラフ内のノードを検索し特定することがより簡単になりました。これは、アーティストが複雑なグラフでノードを探すために費やす時間を減らすことにつながります。

AxF のサポート

データおよび相互運用のためのフォーマットとして AxF ファイルを使用している方のために、Designer に、このフォーマットでの書き出し機能が追加されました。アーティストは AxF ファイルを Designer に読み込んで、ノードグラフを修正し、同じ AxF ファイルの新しいレイヤーとして変更を書き出せます。これにより、マテリアルデータセットは 3D パイプライン全体を通じて維持されます。

Substance 3D Assets を使ったキットバッシング

Substance 3D Assets を使ったキットバッシングによる椅子とコーヒーテーブルの画像。

Substance 3D Assets は、18,000 以上の高品質な 3D アセットを収録したライブラリで、Substance 3D Collection の一部として提供されています。これらはプロにより制作された 3D アセットで、キットバッシングを含むあらゆるタイプの 3D プロジェクトで使用できます。

キットバッシングとは、3D モデルの複数のパーツを組み合わせて、まったく異なる新しいオブジェクトを作成するプロセスです。これは 3D における実験や反復に適したテクニックです。Substance 3D Assets ライブラリには、キットバッシングのさまざまなユースケースに対応する豊富な 3D モデルが用意されています。

ライブラリに新たに追加された金属機械部品などにより、クリエイターはユニークな生物やロボット、あるいはゲームやビジュアルエフェクト用のあらゆる種類のデザインを組み合わせられます。

e コマースでは、商品を並べる適切な環境を構築するのに、同じ手法が適用できます。さまざまな 3D モデルから選択することで、デザイナーは、現実的でマーケティングのコンテキストに沿った形で製品を紹介するためのシーンを効率的に作成できます。

Substance 3D Assets を使ったキットバッシングについて、より詳しくはこちらをご覧ください。

この記事は Substance 3D: Major updates to Modeler and Designer(著者: Grant Kay)の抄訳です